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細田守監督&宮﨑あおいさん登壇「竜とそばかすの姫」大ヒット御礼挨拶&ティーチイン

細田守監督&宮﨑あおいさん登壇「竜とそばかすの姫」大ヒット御礼挨拶&ティーチイン より
細田守監督&宮﨑あおいさん登壇「竜とそばかすの姫」大ヒット御礼挨拶&ティーチイン より(C)2021 スタジオ地図

9月11日、「竜とそばかすの姫」大ヒット御礼舞台挨拶&ティーチインがTOHOシネマズ日比谷にて開催されました。9月10日時点での観客動員は423万人、興行収入58.7億円ということで、細田守監督にとって最大のヒット作となり、今なお記録を伸ばしている「竜とそばかすの姫」。集まったファンのみなさんの質問に細田監督が直接答えていくという特別なイベントと、細田監督も驚きのサプライズゲストに会場は熱気に包まれました。

細田守監督
細田守監督(C)2021 スタジオ地図


日本での初日舞台挨拶はカンヌからのリモート中継で行われたため、実はこの日が日本での初の「竜そば」舞台挨拶となった細田監督。登壇してまず語ったのは、みなさんの前に立てた喜びの言葉でした。
「まるで今日が初日のような気持ちでおります。 みなさんに面と向かってお会いできて、とってもうれしいです。ありがとうございます。コロナ過という制限のある現状の中でも、たくさんのみなさんに見ていただけて、こうしてご挨拶できるというのは、本当にとても恵まれた作品になったと思います」

早速はじまったティーチインでは、様々な質問が飛び交いました。
例えば、この日が10回目の観賞だという方からは「竜の正体探しという展開になるが、作中では現実での自分の姿をインターネット上で隠している人もいれば、隠していない人もいることに気づきました。その理由は?」と細かな描写にツッコんだ質問も。それに対して細田監督はこのように答えました。

「僕たちは、今、インターネットと現実のふたつの世界を生きています。それぞれの世界で、それぞれ見え方が違う、いろんな面を見せて生きていけるのが、現代の面白いところなんじゃないかと思うわけです。今もSNSのアカウントと現実の自分を紐付けして使用している人としてない人がいますよね。それぞれ自分なりの使い方をして、現実じゃない別の姿や場所で活躍する人もいるし、自由になれた人もいると思う。人は一面だけでできているものじゃないから、いろんな二面性、三面性を発信する場があるということが面白いし、楽しんで欲しいと思ったんですよね」

また、「インターネットの世界が自分の人生を変えていくということのリアリティを、どのように感じているか」という質問に対しては、こんなあたたかな答えが返されました。

「インターネットの世界が自由になった反面、現実の世界はより一種抑圧感が強くなっている感覚があるんですね。特に若い人とか子どもたちのことを思うと、これから彼らは思うままに生きていけるのだろうか……って心配になるような感覚もあって。そんな中で作品をつくるにあたって、やっぱり僕は、若い人を勇気づけたいという気持ちがあるんです。背中を押して可能性に向けて進んでいってもらえるような、大丈夫だよっていってあげられるような、そんな映画をつくりたい。今回の物語ではインターネットがあったからこそ、救えたものがあった。そこに未来への希望を表現しました」

そして、驚きのスペシャルゲストが──
細田監督に直接お祝いをするためにかけつけた俳優の宮﨑あおいさんが登場!
知らされてなかった細田監督は目を丸くして驚きながら、「久しぶりです!」ナチュラルに喜びを露わにしていました。
「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」で主人公を演じた宮﨑さん。ちょうどイベントの前日に会った6~7歳の女の子が「おおかみこどもの雨と雪」が好きだと話してくれたことから、公開から年月が経っても愛され続けている作品なのだと実感した、というエピソードを明かしました。

宮﨑あおいさん
宮﨑あおいさん(C)2021 スタジオ地図


また、「竜とそばかすの姫」の感想を細田監督に伝える宮﨑さん。すずがバスに乗って東京に向かうシークエンスで、お父さんとメッセージを交わすところが心に残っていると明かしました。役所広司さん演じるすずのお父さんの声の優しさに、心配しているけれど信頼しているよという思いがつまっていて、とても好きだといいます。
それを聞いて「さすが、宮﨑さん」という細田監督。このシーンのアフレコは最終的に絵に合わせるのではなく、役所さんとすず役の中村佳穂さんの生の間合いで演じられ、そのテイクが本編にも使われているの特別なシーンだといいます。尺もおよそ20秒伸びたのだそうです。

それから、来週54歳の誕生日を迎える細田監督へ次の1年の抱負を問う宮﨑さん。
細田監督が「健康にしっかり生き生きとやっていきたいな、と思います」とやわらかく答えると、宮﨑さんから、ベルをイメージしたまっ赤な花束を贈られました。

最後には、細田監督から「映画」への想いと心からのお礼の言葉が伝えられました。
「この映画が少しでもみなさんの、気持ちを解きほぐして寄り添って、癒すようなものであればいいなと思います。コロナ過じゃなければもっと、という方もいるのですが、でもこういう状況だからこそ、映画が自由の大事さや抑圧から解放されることの大事さを、あらためて感じさせてくれる。そのために映画はあるんだと思うのです。こういう状況下の中でもみなさんにたくさん観ていただける作品を送り出せて、作り手としては本当に光栄に思います。みなさん、ありがとうございました」
映画「竜とそばかすの姫」は秋になっても全国上映中。未見の方はもちろん、再見も再々見も、音楽と映像にひたれるスクリーンでぜひ。

【取材・文:ワダヒトミ】

そして9月18日にいよいよ「竜とそばかすの姫」のオフィシャルガイドブックが発売されます! 細田守監督のロングインタビューをはじめ、場面カットたっぷりのストーリーガイド、キャスト&スタッフインタビューや、〈As〉のデザイン紹介など「竜とそばかすの姫」がもっと好きになる、ファン必携の一冊です。

「竜とそばかすの姫 オフィシャルガイドブック U」は2021年9月18日(土)発売
「竜とそばかすの姫 オフィシャルガイドブック U」は2021年9月18日(土)発売(C)2021 スタジオ地図

全国書店やネットにて予約受付中です。

リンク:映画「竜とそばかすの姫」公式サイト
    公式Twitter・@studio_chizu

■「竜とそばかすの姫 オフィシャルガイドブック U」書籍情報
2021年9月18日(土)発売
A4判/オールカラー/192P
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