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茨城県つくば市に「WIT茨城スタジオ(仮称)」を開設予定のWIT STUDIOがリアルイベント『アニメスタジオミーティング(アニスタ)』を1月27日(日)、2月9日(土)、10日(日)に開催! 初日は前夜上映祭としてMOVIXつくばで開催され、そのレポートが到着しました。
『曇天に笑う<外伝>~決別、犲(やまいぬ)の誓い~』には松竹の(しし丸P)こと奥永祥正氏が司会のもと、若野哲也監督と、脚本・シリーズ構成を担当した梅原英司氏が登壇。
来場者のなかに本作の初見のファンが多く、「来た甲斐があった」とうれしそうなおふたり。
若野監督は「当時は2週間の限定公開でしたので、こうしてスクリーンにまた流してもらえるとは思っておらず、とてもうれしいです。改めてみなさんにご覧いただく機会ができてよかったです」、梅原氏も「これだけたくさんの方に足を運んでいただけてうれしいです」
今回のイベントでは来場者全員に「生動画」がプレゼントされ、おふたりも生動画がランダムに入っている袋をその場で開けてみることに。若野監督は「横を向いている曇 宙太郎」、梅原氏は「最終章『曇天に笑う~桜華、天望の架橋~』に登場している虎」が封入。若野監督は「線の美しさにも注目してください」と話していた。
ここからは、この日のために用意された貴重な制作資料を紹介。
まずはキャラクターデザインを務めた田中紀衣氏のイラスト。若野監督いわく「映画制作が決まった段階での田中氏によるイメージ描きで、アニメとは表情も違っていると思います。『曇天外伝』は今回から新しいチームでやっているということで『アニメ版と違った部分をどう作っていくか?』を考えながら作った」とのこと。
また、原作の唐々煙先生に関し、「唐々煙先生が住んでらっしゃる大阪まで挨拶にお伺いしたのですが、そのときに『自由にやってください』と言ってくださって。僕らのやりたいことをちゃんとさせていただきました」と笑顔だった。
続いて、作中に登場するシーンのベースとなるようなイラスト「美術ボード」を紹介。平和になった滋賀の街並みと曇ったシーンをもとに梅原氏から「シーンごとにキャラクターの色味も違うので、そのためにベースを作り、実際にキャラクターを載せてチェックします」との説明が。
また、若野監督からは「アニメでは一般的にキャラクターの気持ちを天候で表すことが多いので、常に『曇天』で縛られるのはとても難しいです。『これが日常』という曇り空を作るのが苦労しました」と本作特有の大変さが語られた。
天火達三兄弟の親である曇大湖、小雪の墓のシーンに関しては、若野監督から「いかに泣かせるかが勝負のシーンなので、桜の花びらが落ちていたりと演出にはこだわりました」と話した。
また、梅原氏からは原作からの大きな改変について語られた「本作ラストの曇大湖、小雪の墓前のシーンではアニメ制作者主導で『安倍蒼世が主人公・曇天火のことを犲と認める』、という流れを作ったのですが、ドキドキだった」とのこと。唐々煙先生に「ふたりの関係を敢えてぼかしているのでは?」という考えがあったとすると「そのお考えに反することをしてしまうのでは?」という不安があったそう。
しかし、唐々煙先生がツイッターで「蒼世が天火を犲と認め、天火が自分を犲と認めているのは外伝アニメだけ」と書き込まれていたのを見た梅原氏は「僕が出したラブレターをしっかりと受け止めていただけたんだな、と思いました」と感慨深そうに語った。
若野監督も「映画では1本1本でまとまりが大事なので、今作では最終的に天火を犲と認定させたいという想いから出た案だったんです」と裏話を語った。
最後はおふたりからファンに向けてあいさつ。
梅原氏から「実は劇場版の打ち上げ会場で今回のトークイベントの話をお聞きしました(笑)。たくさんの人の前でまた話ができてよかったです!」
若野監督から「『外伝』は完結しましたが、原作が続いていますし、応援次第でまた新しい展開があったりするかもしれません。引き続き応援していただければと思います。お疲れ様でした!」とメッセージが贈られ、ステージは終了した。