1月27日(日)、2月9日(土)&10日(日)、WIT STUDIOが中心となって開催されたリアルイベント『アニメスタジオミーティング(アニスタ)』が行われました。最終日となる2月10日はミーティングデイと題して、秋葉原エンタスとベルサール秋葉原の2会場で様々なトークイベントを開催。そのレポートが到着しました。
イベントの一つである『進撃の巨人』スタッフトークには、WIT STUDIO代表取締役の和田丈嗣氏、プロデューサーの中武哲也氏、総監督の荒木哲郎氏、キャラクターデザインの浅野恭司氏が登壇。和田氏の司会でトークがスタートした。
このステージのメインは『進撃の巨人』の名場面の振り返り。各スタッフがこれまでのエピソードから、特に印象に残っている場面を二つずつ選び、そのシーンを壇上のモニタに映しながら解説を加えていく。
荒木氏が選んだ一つ目の名場面は、第39話の「リヴァイの立体機動シーン」。
モニタには、リヴァイが立体機動装置を駆使してケニー・アッカーマンから逃走する場面が映し出された。荒木氏は「ここは今井(有文)君がコンテからやったシーン。こうした美味しい場面を先行して作ってもらい、そこに向けて他のシーンを作っていく」と解説。
さらに、荒木氏はもう一つの名場面として、第46話の「ロッド・レイス巨人の討伐シーン」を挙げた。モニタには巨大なロッド・レイス巨人をヒストリアが討伐するまでの場面が映し出される。このシーンは映画監督の樋口真嗣氏に絵コンテをお願いしたもの。荒木氏は「そうやって得意な人に託していくのも、今の僕にとっての『進撃』」と語った。
次は浅野氏が選ぶ名場面。最初に挙げたのは第21話の「リヴァイ班VS女型の巨人」だ。
モニタに女型の巨人とリヴァイ班との目まぐるしい死闘が映し出されていくと、浅野氏は「とんでもない制作状況のまま第21話に突入して、コンテを見たとき、スタッフ同士で『これは終わらないな』と話しました」と苦笑を交えて振り返った。
もう一つは第26話の「ミケ VS 獣の巨人」。獣の巨人に遭遇したミケが大勢の巨人に襲われ、絶命していくシーンだ。浅野氏は「Season 1が終わってからSeason 2が始めるまで間が空いたので、各スタッフが『進撃』に飢えていたのか、みんなが気合いを入れて取り組んだ話数です」とコメントした。
続いて中武氏も二つの場面を紹介。一つ目は第11話の「エレンが立体機動アクションから巨人へ変身するシーン」。中武氏によると作画監督の江原康之氏が「いかに自分の作画で尺を埋めるか」を始めた場面だという。このシーンをきっかけに、それまで以上に各作画担当者が自身のパートに描きたいものをどんどん詰め込むようになり、驚異的(変態的)な作画レベルのシーンが次々と生まれるようになったのだ。
そして、中武チョイスの二つ目は第47話の「ケニーの独白」。一転してケニーの静かな独白シーンが壇上のモニタに映し出される。この場面について中武氏は「コンテの段階での演出がすごく良くできている場面。我々自身がいい仕事ができていると実感できたシーンです」と語った。
そして、最後は現在制作中のSeason 3後半について、それぞれが今の心境を報告していった。その中で荒木氏は「因縁の地であるシガンシナ区に戻るので、カムバック感があり、我々も不思議な感覚で作業を続けている」と語り、中武氏は「WIT STUDIOの力を結集して作っているので楽しみにしていてください」とコメント。
4月から放送が再開されるSeason 3に向け、観覧者たちの期待も大いに高まったところで、『進撃の巨人』スタッフトークは終了となった。