1月27日(日)、2月9日(土)&10日(日)、WIT STUDIOが中心となって開催されたリアルイベント『アニメスタジオミーティング(アニスタ)』が行われました。最終日となる2月10日はミーティングデイと題して、秋葉原エンタスとベルサール秋葉原の2会場で様々なトークイベントを開催。そのレポートが到着しました。
イベントの一つである『賭ケグルイ××』スタッフトークには、MAPPA代表取締役の大塚学氏、監督の林祐一郎氏と松田清氏、シリーズ構成・脚本の小林靖子氏が登壇。イベント全体を主催するWIT STUDIO代表取締役の和田丈嗣氏が大塚氏とともに司会を務める形で、トークがスタートした。
最初のトークテーマは「第1期のおさらいと第2期のさらなる魅力」
17年夏に放送されて好評を博した第1期について、大塚氏が「原作が持つ勢いをそのままにテンション高く駆け抜けた感じ」と語ると、林氏は「前回はアンダーグラウンドな暗さが目立っていたんですが、第2期ではキャラクターも増えるので華やかさが出ればと思っています」とコメントした。また、小林氏は本作について「脚本が決定稿に行くのは早いんですが、他の作品と違って1シーンが長くセリフも多いので、原稿枚数が読めません」と苦労を語った。
さらに、第2期から監督が2人体制となったことについて、大塚氏は「単純に林氏のスケジュールの都合のため」と説明。林氏を総監督とすることも検討したが、林氏はあくまで現場で手を動かすタイプのクリエイターなので、ダブル監督という体制を敷いたという。社内監督として第2章から参加した松田氏は「1期のときのディープさを残しつつ、もう少しライトにすることを意識している」と告げた。
次のトークテーマは「制作現場の裏話」
その中で最も盛り上がったのは、この作品ならではの苦労である“票計算の大変さ”だった。小林氏が「誰が何枚持っているかを把握するのかが大変でした。でも、松田さんは完全に把握されていましたね」と言うと、松田氏は「林さんがリスト化してくれていたんで、それを元に計算していました」と応答。アニメでは原作からの話の入れ替えもあったため、より票計算が難しかったようだ。
ここで司会の和田氏から「今回のアニメ化に成功の手応えを感じたのはいつか?」という質問が飛び出すと、林氏が「コンテの段階で感じたのは第4話を描いていたあたり、そしてアフレコをして早見(沙織)さんの演技の熱を感じたとき、第1話の雰囲気で『いけるな』と確信しました」と応じた。
さらにトークテーマは「制作にあたって意識したこと」へと進む。
このテーマに対して、松田氏は「原作の作画がよくできているので、ちょっとした構図もなるべく忠実に表現すること心がけてチェックしています」とコメント。小林氏は「ギャンブルの説明が難しく、どうしても説明ゼリフが長くなるんですが、この作品の場合はしょうがないかなと割り切っている作業しています」と語った。
その後の質疑応答のコーナーでは、来場者から小林氏に向けて、原作が終わっていない作品を構成することの苦労について、質問が飛んだ。すると、小林氏は「昔は強引にアニメの最終回を作っていたので大変でしたが、今は原作で描かれているとおりに終わる作品が多くなり、楽になりました。なので、そこまでは大変ではないです。麻痺しているだけかもしれないですけど(笑)」と答え、会場の笑いを誘っていた。
そして最後のあいさつとともに、それぞれが現在放送中の第2期後半の見どころをアピール。大塚氏が改めて「最後まで熱く! 理屈だけではない説得力が感じられると思います」とコメント。すると林氏も「どれもこれも盛り上がる話ばかりなので、引き続き応援をお願いします!」と締めくくり、ステージは終了した。