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5月15日(金)に新宿バルト9にて、「コードギアス 亡国のアキト」のスタッフナイトトークショーが行われた。監督の赤根和樹、キャラクターデザインの木村貴宏、総作画監督の島村秀一の3人が登壇し、第3章「輝くもの天より堕つ」の裏話や苦労話が披露された。
それぞれの仕事内容を説明する途中でまず話題にあがったのが、アキトたちが前半で着た民族衣装。「CLAMPさんの原案は美しいけれど、パーツがたくさんついていて描くのが大変そうだと思った」と赤根が話すと、木村も「CLAMPさんにお願いするということは、動かしやすさ優先のアニメーターの発想にはないものを求めているから。だから、原画の人はがんばってと思ってアニメーション用のデザインを描きました。そうしたら、ダンスのシーンの原画は自分が担当することになってしまった(笑)」と苦労を明かした。
また、赤根が「びっくりした」というアヤノのパイロットスーツの着こなし。大胆に前をはだけているあの着こなしは、実は島村の発案だったという。「最初はちょっとクールっぽいキャラクターとして登場したアヤノだけれど、開放的な子、あっけらかんとした子なんです。仲良くなるといろんなところが気になるんじゃないかと思って描きました」(島村)。
続いては話題にあがったのは、多数のファンが気にかけているジュリアス・キングスレイと枢木スザク。赤根は「福山潤さん、櫻井孝宏さんは、もうキャラクターをつくりきってますから、アフレコが終わった時はこちらが『ああ、なるほど』と思わされる感じでした」と、アフレコの様子を紹介。島村は「あの2人はメインキャラクターたちとは別にまた神経を使った」と告白。立つ時にまっすぐな「アキト」のキャラクターたちと異なり、ジュリアスは腰が入っているので、若干“くの字”になるのがポイント、とジュリアスらしさのポイントを説明した。
また、事前に募集してtwitterから寄せられた質問も取り上げられた。「記憶が混濁した時に、なぜジュリアスは水を求めているか」という質問に、赤根からは「ジュリアスはどうやら記憶が失われていて、その喪失と乾きが重なっているんです。もしかすると幼い日の夏の思い出がよみがえっているのかもしれない」と返答。
「描きやすいキャラクター、難しいキャラクター、楽しいキャラクターは?」という質問については、島村は「描きやすいキャラクターは1人もいません(笑)」と返答。その上で「ワイヴァン隊、特にアキトについては、最初から赤根監督と意見を交わしながら、進めてきたキャラクターなので思い入れは強いです。ただ、彼の表情を描くのはとても難しいです」と話した。
これを受けて木村も「僕もアキトには思い入れはあるけれど、アキトの表情は難しいですね」と島村に同意。なお、木村はダンスのシーンでアヤノを描いて、アヤノを好きになったという。
赤根は「第4章は、予告にも登場しているアシュラ操るアフラマズダの戦闘シーンはなかなかおもしろい画になっています。しかも、それだけではなく戦闘は山盛りです」と見どころをアピール。最後の挨拶で「人間模様も動いていき『憎しみの記憶から』というサブタイトルで示す“あるもの”も出てきます。ぜひ楽しみにしてください」とトークを締めくくった。【記事:WebNewtype】