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現在、テレビ東京系で毎週水曜に好評放送中のテレビアニメ「双星の陰陽師」。繰り広げられる手に汗握る陰陽バトルと、ろくろと紅緒を中心としたやわらかな日常シーンには、老若男女を問わず、多くの視聴者の心を掴んでいます。これは、キャラクターに息を吹き込む声優陣の熱演はもちろんのこと、それを支えるスタッフ陣の奮戦にも依るところが大きいのは想像に難くありません。
そこで、スタッフ陣への連続インタビュー企画、その名も「双星のWebNewtypeインタビュー」と題した企画を始動! さまざまなスタッフにスポットを当てて、毎月1回、その月の放送を振り返ってもらいつつ、「双星の陰陽師」という作品にどんな想いを寄せて、どんな意気込みで向き合っているのかに迫ります。WebNewtypeでしか見ることができない、貴重な原画にもぜひご注目ください!
第1回となる今回は、監督を務める田口智久さんが登場。4月に放送された第1話から第4話を中心に振り返ってもらいました。
――原作を読んだ時に作品に対して、監督はどんな魅力を感じましたか?
田口智久監督:王道な作品だと思いました。アニメでもいかに王道の少年マンガ間を出すかに注力でしています。
――バトルとラブコメのバランスが絶妙ですが、。どのような点を意識されましたか?
田口:ラブコメの中で作り上げたドラマや関係性が、アクションの中できっちり昇華するように意識しています。バトルとラブコメのバランスが良いと感じてもらえたなら、作り手の意図が伝わっているということだと思うので嬉しく思います。
――そのバトルは、原作コミックと同じようにアニメの見どころになっていると思います。その演出などについて、第1話から第4話まで、それぞれにこだわった点やシーンなどがあれば教えてください。
田口:第1話は紹介話なので、設定や世界観を伝えるために丁寧にアクションを積み上げました。呪装や、ろくろの腕の開放などは特に注力しています。
第2話では、ラストで繰り広げられるろくろと紅緒の戦いで、二人の相反する気持ちの中でどうアクションを積み立てるか苦労しました。
第3話では、初めてアニメオリジナルの紅緒の必殺技「鏡花落月断」が登場します。剣を揃えて一刀両断する技です。彼女は、いったいいくつ技をもっているのでしょうか。
第4話でこだわったのは、ろくろが亮悟を助けるために懇親のパンチを繰り出すところでしょうか。この話数でろくろの心境に大きな変化が起こるので、アクションもそれが伝わるようにしたつもりです。
――他にも、演出面でのこだわりはありますか?
田口:ひとつひとつ挙げていくとキリがなくなるというのと、ひとつの演出を取り出して「これが演出だ」というのも違うかなと思います。演出は(その話の)全体を統括する役職なので「ここの演出が良い!」とは言えません。一話を見て「この話すごく良かったな」と思ってもらえることが演出の力量だと思います。なので、どの話数も自然に、大きなひっかかりなく、見てもらえるように心がけています。
――「陰陽師」らしい劇伴や色合いが印象的です。各クリエイターに要望を出すこともありましたか?
田口:大まかなイメージは伝えていますが、今の画面を作り上げてくれたのは各スタッフの力量によるものです。劇伴も、最初にこちらがイメージしている参考の曲を聴いていただいて、作っていただきました。すごく耳残りの良い曲で、世界観に合っていると思います。
――第4話までの各話で、コンテを書く時にいちばんテンションが上がったシーンを教えてください。
田口:第1話だと、新幹線のくだりと、ラストのろくろの右腕の開放のところでしょうか。第2話と第3話は自分が描いているわけではないので何とも言えないのですが、各話数を担当してくださる絵コンテマンの実力が高い人ばかりなので、すごく助かっています。第4話では後半パートを担当しましたが、ろくろや亮悟の気持ちをしっかりと見ている人に伝えたいと思い描いてみました。
――5月に放送される分の見どころを教えてください。
田口:十二天将の士門や清弦が登場します。「雛月の悲劇」も徐々に明らかになっていくと思うので、楽しみにしていてください。