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現在、テレビ東京系で毎週水曜に好評放送中のテレビアニメ「双星の陰陽師」に携わるスタッフにスポットを挙げる連載企画「双星のWebNewtypeインタビュー」。
第3回にご登場いただいたのは、本作で副監督を務める五十嵐達也さん。副監督とはいったいどんな立場なの? 質問はまずそこから始まりました。
――「副監督」という役割は、アニメ作品によっては存在しないケースも見かけます。五十嵐さんが本作で担っていらっしゃる役割とは?
五十嵐:監督のサポートです。具体的には、各打ち合わせや編集作業の立ち会い、各エピソードの重要なカットのチェックから、必殺技や霊符の名前考案まで。頼まれれば私の力の及ぶ範囲でどんなことでも。
――五十嵐さんから見た田口智久監督は、どんな方ですか?
五十嵐:才能は恵まれていると思います。が、若さゆえか情熱が先走って、言葉足らずになってしまうこともしばしば…。四十路を過ぎた私から見ると、若いなぁ…羨ましいなぁ…と。それと、集中すると仕事が早い。これまた羨ましい…。
――本作のアクションシーンのスピード感と迫力は、絵や演出の力が大きいと感じます。本作では演出や絵コンテを手がけることもあるそうですが、アクションシーンの演出で留意されていることはなんでしょうか?
五十嵐:重要なのは、緊張感を削がないようにすること。そのために、リズムとテンポ良くカットを積み重ねてゆくこと。間延びした画をつくらないようにすること。これに気をつけています。
――どのキャラクターも個性的かつ魅力的ですが、演出する上で特に楽しいキャラクターはいますか?
五十嵐:うーん、「すばる」でしょうか。私にとっては、ちょっと捉えどころのない人物なのですが、一から十まで全部把握できちゃう奴ってあんまり面白くないんですよ。少し謎めいた部分がある方が魅力的です。
――作品からは、制作現場の熱い想いがひしひしと感じられます。スタッフの皆さんがどんなことを頑張っているのか、そこにはどんな苦労があるのか、聞かせていただけませんか?
五十嵐:話したいことは色々あるのですが、あまりに生々しいエピソードになって読者の皆さまにもひんしゅくを買うと思われますので、自粛します…。
――これまでに放送された各話の中から好きなシーンやお気に入りの台詞の場面を教えてください。
五十嵐:#1「運命の二人 BOY MEETS GIRL」の紅緒が十六夜彼岸の舞」でケガレの群れを一掃するシークエンス。#9「交錯する悲劇 TRAGEDY COMES WITH SMILE」の「雛月の悲劇」の過去(これは残酷だ…)と、暴走したろくろが悠斗に挑むも全く歯がたたないシークエンス(悲しいですね…)。
――2クール目に入り、今後の展開への期待感もさらに高まっています。この夏から新たに期待できる展開をください。
五十嵐:ろくろ、紅緒と悠斗の対決も行方も気になるとは思いますが、アニメーションオリジナルとして、亮悟にも意外な展開が待ってるかも…? ご期待を(15話など)。
――最後に、アニメを楽しみにしているファンへのメッセージをお願いします。
五十嵐:これまでは、原作漫画に添う形でストーリーが進行していますが、今後徐々にアニメーションオリジナルの展開が増えてゆくと思います。既に原作コミックスをお読みになっている方もそうでない方も、ますます目が離せませんよ。