フジテレビ×bilibiliによるアニメ枠「B8station」にて放送中のTVアニメ「破産富豪 The Richest Man in GAME」。本作は、中国の動画配信サイト・bilibiliにて、総再生数1億を突破した大ヒットアニメの日本語吹き替え版です。「破産すれば富豪になれる」という常識破りの“ドタバタコメディアニメ”となっています。冴えない会社員から大学生へとタイムリープし、ゲーム会社を興す主人公のペイ・チェン(CV=小野賢章)。財産変換システムを名乗る謎のキャラクターこと、通称・リッチェスト(CV=福山潤)。ゲーム業界を舞台に、彼らが巻き起こす予測不能なストーリー、そして豪華キャスト陣のお芝居も話題の本作で監督を務める酈黎明氏のインタビューをお届けします!
——監督ご自身のアニメとの出会いや、好きな作品についてお聞かせください。
酈 小学生のときに、学校でアニメ映画閲覧会のような催しに行ったことです。そこで黒猫の警察官が活躍する可愛らしい作品「黒猫警長」(邦題「黒猫警部」)と出会って、アニメが好きになりました。他にも「西遊記」の孫悟空をモチーフにした「金猴降妖」(邦題「西遊記 孫悟空対白骨婦人」)、押井守監督の「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」などが特に好きですね。どちらの作品も伝えたいメッセージや、高い芸術性が画期的だと感じていて、個人的にもとても意義深い作品です。
——アニメ制作に携わりたいと志すようになったきっかけは?
酈 中学生のころ、雑誌に漫画を投稿するようになり、出版社と上海美術映画製作所のスタジオに行く機会がありました。そこで手塚治虫先生の「鉄腕アトム」と、厳定憲先生による孫悟空が一緒に並んでいる絵を見て感銘を受けたことがきっかけです。その後、上海美術映画製作所のスクールに入り、アニメーターになる勉強を始めました。
——その後キャリアを重ねられ、「破産富豪 The Richest Man in GAME」で監督を務められたわけですが、原作のどんなところに魅力を感じていらっしゃいますか?
酈 作品自体が非常におもしろく、とくに損をして儲かるという設定がユニークだと思います。舞台となるゲーム業界についても、かなり詳しく描かれているのも特徴的です。主人公のペイ・チェン(CV=小野賢章)が“逆張り”したり、マー・ヤン(CV=岡本信彦)たち周囲のスタッフが彼の思惑通りには動かないことで、現実のゲーム業界を暗示するような部分もあります。彼らの選択が結果的に業界の“不文律”を裏切り、さらに商業的にも成功を収めることで、ゲームユーザーやオーディエンスにとって爽快感があるのではないでしょうか。
——個性豊かな人物たちが多数登場しますが、とくに印象的なキャラクターは?
酈 リン・ワン(CV=高野麻里佳)は、制作現場のスタッフにも人気があります。ゲーム好きなお金持ちのお嬢さんとして登場しますが、アニメでは原作小説と多少異なるイメージや役割を提示しており、お芝居の分量も増やしました。特にシン・カイロ(CV=伊藤静)や、主人公のペイ・チェンとの対話が増えています。またキャラクターづくりとして、社長令嬢という立場を捨てて頑張る姿を描いており、そういったひたむきさも人気の理由だと思います。キャラクター原案のruarua先生が設定された色使いも明るくて可愛いですし、グッズを作るときもリン・ワンが選ばれることが多いですね。
——日本語吹き替え版もご覧になったと伺っていますが、いかがでしたか。
酈 リッチェスト役の福山潤さんはアドリブもふんだんに盛り込まれていて、どれも本当におもしろかったです。どこか「銀魂」のノリを思い出しました。ペイ・チェン役の小野賢章さんもとてもすてきで、個人的に「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズのジョルノ・ジョバァーナを彷彿とさせられるなと感じています。
——最後に、視聴者に向けてメッセージをお願いします。
酈 皆さんが楽しんでくれるとうれしいです!
【取材・文 藤谷燈子】
■「破産富豪 The Richest Man in GAME」
●毎週水曜 深夜25:15~25:45 フジテレビにて放送
キャスト:ペイ・チェン=小野賢章 マー・ヤン=岡本信彦 リン・ワン=高野麻里佳 ホウ・シュク=小林千晃 コウ・シハク=土岐隼一 シン・カイロ=伊藤静 ルアン・グアンジェン=仲村宗悟 リッチェスト=福山潤
スタッフ:原作=青衫取醉 監督=酈黎明 脚本=阿達 アニメーション制作=福煦影視 日本語吹き替え版演出=前田茜 翻訳=本多由枝、林真子、黄穎 音響制作=東北新社 日本版製作=フジテレビジョン
リンク:TVアニメ「破産富豪 The Richest Man in GAME」公式サイト
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