舞台

佐藤流司×仲万美が歌と踊りで表現するRock Opera『R&J』開幕!ゲネプロ&会見をレポート!

2019年6月14日、東京・日本青年館ホールにて「Rock Opera『R&J』」が開幕しました。初日に先駆け、13日に行われた公開ゲネプロおよび囲み会見のレポートをお届けします。

それは、AI(人工知能)がほとんどの労働を担い、誰もがベーシック・インカムで生活できるようになった近未来のこと。人々は退屈し、黒をまとう不良組織「グルッパ」と、白をまとう警察「ビアンカズーリ」は、互いの鬱憤を晴らすべく衝突を繰り返しています。グルッパのリーダー・ロミオ(佐藤流司)は、暴力による革命こそが世界を変えると信じていました。そんな彼の生き様を揺さぶったのが、ロレンス神父(陣内孝則)の導きで潜入した仮面舞踏会で出会った、警察長官の愛娘・ジュリエット。「一目惚れって、信じる?」「信じる!」――。手と手を取り合い熱く見つめ合う2人の恋の行末は……。

原作は、シェイクスピアによって綴られた古典名作「ロミオとジュリエット」。愛に殉じた恋人たちの悲劇が、演劇界の重鎮たる鈴木勝秀さんの大胆な解釈のもと、大嶋吾郎さんのアグレッシブな音楽と共に、新たな時代によみがえります。個性豊かな登場人物たちが舞台狭しと闊歩し、アジテーションのようなセリフや歌、轟く生演奏が熱いエネルギーとなって渦巻く、まるでライブ会場を思わせる熱狂的な空間は、彼らが胸を焦がす喜び、苦しみの中へと観客をいざなっていくのでした。

「デストロイ」。それが、この作品でロミオとして生きるにあたり大切にしていることだと力強く伝える、佐藤流司さん。「普段、みなさんがミュージカルでなかなか聴かないであろう音楽が多く、自分自身、舞台でやったことのない歌い方に挑戦しています。言葉が汚かったり心臓に悪いような、要は『Rock Opera』の名にふさわしい曲がたくさんあって、ロミジュリだけど、ロミジュリじゃない……とても破壊的な舞台になっていると思います」

ヒロインのジュリエットを演じるのは、マドンナのツアーに帯同するなど、ダンサーとして世界を舞台に活躍してきた仲万美さん。人前で芝居することや歌うことは今作が初ということで、最初は声の出し方すらわからなかったそうですが、初日を目前に「もっと不安になるかと思いきや、とても興奮しています。本番も、私らしくやり抜きたいです」と、強いまなざしを向けました。さらに「見るものすべてが新しくて、快感と興奮しかありません!」と、あふれるパッションで答えたのでした。

佐藤さんから「毎日違うアドリブを入れてくる。もはや、半分以上アドリブじゃないですか?」と訴えられ「本番が始まれば台本通りですよ」と澄ました顔で返すなど、会見に始終笑いを巻き起こしたのは、ロレンス神父役の陣内孝則さん。「ロレンス神父といえば、原作では物語の良心的な存在ですが、ここでは非常にエキセントリックな役柄です。鈴木さんの演出で、僕自身も役者としての新たな一面が引き出されたように思います。ぜひ、若い女性ファンのハートをガチッとキャッチしたいですね!」と意気込みました。

脚本・演出の鈴木勝秀さんは、本作のみどころを「ハートの強い役者たち」だとして「彼らに負けまいと必死に稽古を見ました。ご覧になる方たちには、ぜひ彼らのハートをガッチリ受け止めてもらいたい」と語りました。中でも、柱となる佐藤さんと仲さんには激惚れ。「佐藤流司のような強いハートを持った若者に出会えたこと、それだけで私は感動しています。そして、万美ちゃんはそこに激しく共鳴することができる人。2人が一緒に歌い、そこに立つだけでも、劇場を震わせることができる」と太鼓判を押しました。

お互いの役のどんなところに魅力を感じるかと聞かれ、佐藤さんが「ダンスが別次元。自分も多少は踊れると思っていたのですが、正直、ふたりで一緒に踊るシーンはイヤだなーと」と答えると、仲さんが「イヤなの!?」とにらみ「いやいや、隣で踊れることを光栄に思います(笑)」と取り繕う場面も。ですが、その裏には「初舞台とは思えない万美ちゃんの仕上がりに、松田誠会長(ネルケプランニング)から『おまえも頑張れよ』とハッパをかけられました。この舞台を通して、お互いに高めあえるのではないかと思っています」という本心がありました。一方、仲さんも、ロミオについて「熱い! 似ているんですよ、佐藤流司くんと。流司くんと話しているのに『ロミオ?』と思ってしまったり、演じている最中なのに『流司くん』と言ってしまいそうになるくらい……熱くて、バカで(笑)」と、佐藤さんへの尊敬と親しみを込めた言葉で語ります。

最後に、そんな佐藤さんの"熱さ"が存分に感じられるメッセージで会見は締めくくられました。「魅力的な役者さんたちがたくさん出演していて、自分自身、お客様以上にこの公演を楽しみにしています。僕とみなさん、どちらがより楽しめるか勝負です!」

本公演は、6月23日(水)までの東京・日本青年館ホールに続き、7月4日(木)から7日(日)には大阪・森ノ宮ピロティホールで上演されます。また、7月7日(日)の大千秋楽公演がDMM.comにてライブ&ディレイ配信されるほか、7月27日(木)にはTBSチャンネル2にてテレビ初独占放送、さらにDVDのリリースも発表されています(2019年12月中旬発売予定)。

【取材・文 キツカワトモ】

■Rock Opera『R&J』
日程・会場:【東京公演】2019年6月14日(金)~23日(日) 日本青年館ホール
      【大阪公演】2019年7月4日(木)~7日(日) 森ノ宮ピロティホール
チケット:9500円(前売・当日共通/全席指定)
主催・製作:ネルケプランニング

スタッフ:原作…ウィリアム・シェイクスピア/脚本・演出…鈴木勝秀/音楽…大嶋吾郎
出演:佐藤流司/仲万美/藤田玲/諸星翔希/田淵累生/オレノグラフィティ/山岸門人/諸橋沙夏/平井琴望/寺山武志/冨田昌則/AKANE LIV/コング桑田/陣内孝則 他

リンク:Rock Opera『R&J』公式サイト
    公式Twitter・@rockopera_rj
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