舞台

「終わりのセラフ」ミュージカル甲斐千尋インタビュー

コミックス、ライトノベルから始まり、テレビアニメとマルチメディア展開で話題となった「終わりのセラフ」。多くのファンをもつこの人気タイトルが、2016年、2.5次元ミュージカルとして登場します。

「終わりのセラフ」The Musicalで主人公・百夜優一郎を演じるのは、「仮面ライダー鎧武」などで知られる佐野岳さん。優一郎の親友でありながら敵となってしまう百夜ミカエラを演じるのは、「特命戦隊ゴーバスターズ」の鈴木勝大さん。そして、吸血鬼の女王クルル・ツェペシを永尾まりやさんが演じます。他にも小野健斗さん(一瀬グレン役)、美山加恋さん(三宮三葉役)、中村誠治郎さん(フェリド・バートリー役)と多彩なメンバーが顔を揃えました。

間もなく始まる本番を前に、物語の主要なキャラクターのひとり、柊シノアを演じる甲斐千尋さんに本舞台の見どころなど聞きました。

――「終わりのセラフ」の原作漫画やアニメをご覧になった感想を教えていただけますか?

甲斐:最初はアニメで、第1話の冒頭から「これから何が起こるんだ?」とひき込まれて、毎週楽しみにしていました。人間と吸血鬼が戦う物語なので衝撃的な展開も多い中、人間の優しさが見えてくる素敵な作品だなあと思いました。

――「終わりのセラフ」The Musicalはどのような物語になるのでしょうか。

甲斐:内容的には、アニメの1クール目にあたるところを舞台化しています。優一郎たち人間側の視点とミカエラたち吸血鬼側の視点、どちらからも描かれる作品になります。

――甲斐さんはヒロインである柊シノアを演じられます。最初はどのようなイメージをもたれましたか?

甲斐:飄々としていながら話の主軸になるような役だったので、これは演じるのが難しいだろうなと思いました。私とは全然違うんですよ(笑)。

――すると、挑戦という感じでしょうか。

甲斐:そうですね。今までの役では三葉のようなツンデレの役が多かったので。

――実際に稽古をして、どんな感触を得られていますか。

甲斐:シノアちゃんはAB型という設定なんです。いろんな面をもっていてコロコロ表情を変えるんですよね。言葉と本心の距離感など、シノアの感情を探っていくのは大きな課題だなと思います。

――たしかにシノアは計り知れない部分が多いですから、役作りは難しそうですね。

甲斐:原作コミックスから手がかりを得たりしています。それにファンの方たちは、アニメで動いているシノアちゃんたちを見ているので、動きの部分はアニメから積極的に取り入れるようにしています。設定資料集や原作小説なども参考にしつつ。…あとはシノアちゃんに質問をしたり。

――シノアちゃんに質問、というのは?

甲斐:「こういう時、シノアちゃんだったらどう?」って頭の中で聞いてみるんです。キャラクターによって出来事や言葉に対するリアクションは全然違うので、ひとつひとつ確認していく、みたいな感じですね。シノアちゃんは押し引き上手というか、人を自分のペースに巻き込むのがすごく上手な子なんです。演じるのはかなり難しいですけど、うまく力を抜いてそれができればいいなと思います。

――キャスト陣は実に多彩な顔ぶれとなっていますね。

甲斐:本当にみなさん達者で素敵な人たち! 例えばフェリド・バートリーを演じている中村誠治郎さんは殺陣がすごくて、対峙する場面で、みんなが圧倒されるくらいなんです。

――今回は「The Musical」と銘打たれていますが、甲斐さんのブログを見ると「歌や振り付けなどに苦労されている」と…?

甲斐:いやあ…本当に!(笑) 歌いながら踊るなんて初めてで、私が担当する歌はテンポも早いので、みなさんにお世話になりながら頑張っています!

――歌のパートも何か所か担当されるということですね。

甲斐:そうですね。ソロとオープニングと。この舞台はオープニングから、もう本当にカッコいいですよ…!

――稽古場で軸となってカンパニーを引っ張っているのは、やはり佐野岳さんなのでしょうか。

甲斐:佐野さんは「ついてこい!」というタイプではないんですけど、自然とみんなが着いていきたくなる、そういう力がある方なのでみんな自然と引っ張られていて。すごく人を惹きつける力がある方だなあと思います。

――この舞台の見どころを教えてください。

甲斐:佐野さんが舞台狭しと飛び回る殺陣のシーンは見どころのひとつです。あと、みんなにはそれぞれ違う武器があって、その扱い方、戦い方も注目していただきたいです。

――ありがとうございます。それでは最後にファンのみなさんへメッセージをお願いします。

甲斐:新宿や渋谷、この公演の会場となるAiiA 2.5 Theater Tokyoのまさにすぐ近くの場所も原作では描かれたりしている、そんなリアルな場所を舞台に物語は進んでいきます。ファンタジーだけど現実に起こりうる、そんなギリギリの世界観の中で、胸に迫るようなドラマが描かれています。「終わりのセラフ」は私自身も大好きな作品なので、物語やシノアちゃんに真摯に向き合って最後まで頑張っていきたいと思っています。キャスト陣もすてきな方々ばかりです。ぜひ楽しみにしていただきたいです!

■「終わりのセラフ」The Musical
日程  :2月4日(木)~11日(祝)
会場  :AiiA 2.5 Theater Tokyo
原作  :「終わりのセラフ」原作/鏡 貴也 漫画/山本ヤマト コンテ構成/降矢大輔(集英社「ジャンプスクエア」連載)
スタッフ:演出…元吉康泰/脚本…赤澤ムック・三浦香/音楽…和田俊輔/振付…本山新之助
キャスト:百夜優一郎…佐野 岳/百夜ミカエラ…鈴木勝大/一瀬グレン…小野建斗/三宮三葉…美山加恋/君月土方…水石亜飛夢/早乙女与一…橋本真一/柊シノア…甲斐千尋/阿朱羅丸…知念紗耶/クルル・ツェペシ…永尾まりや/フェリド・バートリー…中村誠治郎他
チケット:7800円(前売り・当日共/全席指定/税込)
主催  :「終わりのセラフ」The Musical製作委員会

リンク :「終わりのセラフ」The Musical特集ページ
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