女性のみで構成される歌劇団・グランステージを舞台に繰り広げられる人間模様を、ドラマと歌で描くドラマCD「GrandStage」がついに舞台化！

今回は、本公演で中心的なキャラクターとなる美波琥珀を演じるルウトさんに、舞台にかける意気込みをインタビュー。男性よりもイケメンな女子として、モデル・歌手・役者と幅広く活躍されているルウトさん。原作がドラマCDという本作をどうお芝居で表現するのかかなり悩まれたそうですが……？

――美波琥珀役のオファーが来た時の第一印象を教えてください

「GrandStage」のドラマCDは以前から聞いていて、琥珀はすごいかわいらしいけど、内に秘めた熱さを持っているキャラクターだと感じていました。そんな琥珀役としてオファーをいただけてとても嬉しかったんですが、それ以上に「え、本当に？」っていうのが最初の気持ちで(笑)。

原作がドラマCDですから、キャラクターの動きや仕草がわからないんですよね。何度も何度もCDを聞いて、想像をするしかない。さらに自分は声がもともと低いので、(原作ドラマCDでCVを担当した)喜多村英梨さんのかわいらしい澄んだ声とはまったく違う……ここはどうしようかと本当に悩みました。演出の井上テテさん、脚本の長岡マキ子さんにご相談したら、「舞台として活きる美波琥珀になってくれ」「ベースは琥珀だけど、動きや仕草をつけるのは役者の役目。だから琥珀と共同作業をしてほしい」と言ってくださって。それで役の方向性、そして演じるスタンスを決めることができました。

――脚本を読んでの感想は？

読んでまず思ったのは「え、こんなに歌うの？ 本当に!?」でした(笑)。こんなにみっちりつまっている舞台は、初めてですね。もちろん、歌だけでなくダンスとお芝居の稽古もありますから、これが平行して進むので演者全員はパニックですよ。どうすればいいんだー！って、あははは。みんなで朝練と居残り練習をして練習しましたが、さすがに大変でした。

――ルウトさんにとって琥珀の魅力はどんなところでしょうか。また、その彼女を演じるにあたって大変だったところはどこですか

稽古を付けていただいてくにつれて、琥珀はこんなにもひとりで悩んで苦しんで、そして熱くなっている子だったのかと改めて思いました。そういうさまざまな想いを抱えているのに、他の人のことを気遣うことができる優しい子なんですよ。もともとが何の役も演じられる天才という設定なので、演じる側としてはそれだけでものすごいプレッシャーなんですが(笑)、そんな彼女の想いをどこまで表に出していいのか、さじ加減がものすごく難しいです。

――今回の舞台はどのようなお話ですか？ 見どころなども教えてください。

今回のお話は、登場キャラクター全員の成長物語になっているんです。ちょっとくじけそうな歌もあれば、絶対に負けないんだって誓う歌もあります。みんなの心の中が変わっていくので、芝居も歌もダンスもどんどん変わっていくんですよ。

さらに今回はハロウィン公演ということで、舞台の中でもハロウィンをテーマにした公演をするんです。つまり、(自分はすでに舞台で演じているのに)琥珀じゃないキャラクターをもうひとつ演じるんです。舞台上の琥珀はどのように演じているのか、どう踊るのか……その表現をどのようにするのかはとても大変でしたが、スタッフの皆さんと一緒になんとか作り上げることができました。

今回の役者は全員、キャラクターに近づきたいと強く思っていて、他のキャラクターへのリスペクトもすごいんです。単に仲がいいっていう感じではなくて、仲間って感じですね。稽古中も芝居の仕方をどんどん変えてアドリブを入れてくるんですよ。え、この前と全然違うじゃん！って。もちろん、私もやり返しますけどね(笑)。

でも、根っこはみんな演じているキャラクターなんですね。だからこのキャラクターはこういう可能性があるのか、こういう一面があるのかという発見の連続です。

だから原作を楽しんでいる人にも楽しんでもらえる舞台になると思いますし、ひとつでも好きなキャラの新しい一面を感じてもらえたら嬉しいですね。

ルウトさんをはじめとした豪華キャスト陣が麗しい男装姿を披露する「GrandStage」は、10月26日(水)から10月30日(日)にかけて、東京・赤坂の赤坂RED/THEATERで上演。チケットは、税別6500円(全席指定)です。【インタビュー・文＝小川陽平】