舞台

鈴村、櫻井ら声優出演「AD-LIVE」東京公演レポ

出演者のキャラクターもセリフも、すべて“アドリブ”で紡がれる90分間の舞台劇「AD-LIVE(アドリブ) 2015」が、東京・埼玉・大阪で開催されました。

今回は、2015年9月12日(土)と13日(日) にパルテノン多摩で行なわれた東京公演の様子を紹介します。

12日の出演者は、櫻井孝宏さん、津田健次郎さん、鈴村健一さんの3人。

物語の舞台となるのは、初めて出会った2人を友達にすることを目的とした会社「トモダチファクトリー」。同社の担当・最上(鈴村健一さん)が、9月12日(土)の夜に迎えたのは、まるで正反対の2人でした。

櫻井孝宏さんが演じる前田三郎は、友だちが減っていく寂しさから、若い人と仲良くなりたいという71歳の老人。一方、津田健次郎さんが演じる真田悟は、エリートだけどコミュニケーション下手で、友達ができない35歳のサラリーマン。世代も性格も違うまったく2人は、果たして友達になれるのでしょうか。

自己紹介の際、真田は腰にぶら下げたバッグから紙を取り出すと、おもむろに「マイクロファイバー」の話題を切り出します。これは、「AD-LIVE」の特徴ともいえる「アドリブバッグ」の効力。この中には、お客さんから集められた言葉が書かれた“アドリブワード”が入っており、「演者はその言葉を必ず口にしなければならない」というルールがあります。この制約が、物語をよりおもしろくするエッセンスに。ちなみに、そこから真田のあだ名は、“マイクロファイバー”になってしまいました。

自己紹介を終えた2人は、仲を深めるためにポイント制の吹き矢を使用する風船割りゲームに挑戦。ゲームクリアの行方は、ラストを受け持つ真田に。プレッシャーに震える真田でしたが、見事に風船を割ることに成功します。しかし、そこにはなんと減点の文字が。残念ながら、ゲームはクリア失敗に終わります…。

続けて、2人はお互いの秘密を語り合う一幕も。その後、さらに絆を強めるための食事中に運び込まれてきたのはホールケーキ。偶然にもこの日は、最上(を演じる鈴村健一さん)の誕生日で、奇跡的な偶然に会場は温かな笑いに包まれました。

そしてクライマックス、2人は爆弾が仕掛けられた部屋に閉じ込められます。5つあるボタンのうち、爆弾解除ボタンは1つだけ。間違ったボタンを押せば即爆発、用意されたシェルターに入れば、1人は必ず助かります。前田は「老い先短い自分がボタンを押す」と言いますが、真田は「あなたはいい人だから」と力任せに前田をシェルターに入れますが…。前田が発した「マイクロファイバー!」という声が残響する中、2人はどうなってしまったのでしょうか!?

――――――

一方、13日の出演者は、小野賢章さん、釘宮理恵さん、鈴村健一さんの3人。

この日、「トモダチファクトリー」を訪れたのは、似たような性格の2人。釘宮理恵さんが用意したのは、見た目は普通だけど、とにかく地味でやや挙動不審気味のOL・佐藤生子というキャラクター。それに対して小野賢章さんが演じたのは、クラシック交響楽団に所属するシンバル奏者で、極度に緊張するとアホになってしまう小川奏太。似た者同士に見える奥手そうな2人の距離は、なかなか縮まりそうにない予感…。

この夜の2人は、“アドリブワード”の引きが抜群。笑顔を褒められた小川は、友達に「(お前の笑顔は)昭和生まれ丸出しでした」と言われたことがあるというワードを引き当てて、当意即妙の返答に、会場は大爆笑。

そして、課金ゲームで300万円もの借金があることを告白する佐藤に対し、「時代が俺に追いつきましたね」と、自分も同じような状況であると小川が返す流れや、音楽家である両親が怒った時のセリフが、「ロックってなんなんですか!」と明かすなど、引きのよさは終わりを見せません。それぞれ、そのまま脚本にしても違和感のないミラクルを連発する展開となりました。

終盤、吊り橋効果で友達作りを狙うロシアンルーレットで、本当に最上を撃ってしまい、緊張からアホになってしまった小川。さて2人は、この後友達になることができるのでしょうか。

それぞれ気になる詳細は、1月27日(水)に発売される「AD-LIVE 2015」第1・2巻をチェックしましょう。

■「AD-LIVE 2015」
 第1巻 櫻井孝宏×津田健次郎×鈴村健一
 第2巻 小野賢章×釘宮理恵×鈴村健一
発売:1月27日(水)
価格:アニメイト限定版…各税別8000円/通常版…各税別7500円


リンク:「AD-LIVE 2015」サイト
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