“有り得ないクオリティ”の「甲鉄城のカバネリ」他、ノイタミナ新情報が続々発表！

2016年度のフジテレビ「ノイタミナ」のテレビや劇場作品の重大情報が発表される「ノイタミナプロジェクト発表会 2016」が、3月17日(木)にアクアシティお台場内のノイタミナショップ＆カフェシアターで開催されました。

MCの吉田尚紀アナウンサー(ニッポン放送)と茅野愛衣さんのナビゲートによって発表されたのは、4月から2017年4月までのラインナップ。その内容は、下記の通りです。

■2016年4月「甲鉄城のカバネリ」

■2016年7月「バッテリー」

■2016年10月「舟を編む」

■2017年1月「クズの本懐」

■2017年4月「冴えない彼女の育てかた♭(フラット)」

「バッテリー」以降は、これまでまったく公開されていなかった情報だけに、発表のたびに驚きの声が挙がっていました。

4月7日(木)から放送が始まる「甲鉄城のカバネリ」の発表では、荒木哲郎監督とシリーズ構成・脚本の大河内一楼さんが登壇。3年前から計画されていたという作品の制作秘話について語りました。荒木さんによると、最初に作品について「アクション主体・WIT STUDIO制作・大河内さんの脚本」という3つの条件から動き出したとのこと。そして、「王道でベーシックな作品の方が自分たちに合っているだろう、と。その後に蒸気機関車などのイメージが固まっていった」と、徐々に自分の好きな要素を肉付けしていったと明かしました。

最新プロモーション映像も公開。その中では、荒木さんのマッドハウス時代の後輩として「僕だけがいない街」の伊藤智彦監督が映像出演するひと幕も。伊藤さんが「テレビでこんな(ハイクオリティすぎる)ことをしてくれるな(笑)」とコメントした通り、ファンの期待を裏切らない仕上がりとなりそうです。

「バッテリー」からは原作者のあさのあつこさん、「舟を編む」からは原作者の三浦しをんさんが登壇。小説好きなら知らない人がいないであろう2作品ですが、2人とも、執筆時に映像化を意識したことはないのだとか。そのため、アニメのビジュアルを初めて見た時に、「イケメンでびっくりした」と声を揃えていました。

さらに、お互いの作品に対してもファンだと語り、三浦さんは「バッテリー」について「あさのさんが描く少年たちは瑞々しい」、あさのさんは「(「舟を編む」主人公の)馬締くんの熱い眼差しをアニメでも描いてほしい。三浦さんの作品には、眼差しや匂いといった目には見えないものが存在していて、泣かされてしまうんです」とお互いの作品を称えていました。その会話を受けて、偶然にもこの2作品が自宅の書棚に並んでいるという茅野さんは、両作品のアニメ化に期待を寄せていました。

2017年第1弾として放送される「クズの本懐」に話題が及ぶと、「自分の子供には見せられない作品ナンバーワン」と評される場面も。確かに刺激が高い性的表現のある作品だけに、どのような表現でアニメーションとして魅せていくのか注目したいところです。

「冴えない彼女の育てかた♭」からは、安芸倫也(CV：松岡禎丞)のナレーションによるスペシャル映像と、原作者の丸戸史明さん、キャラクター原案の深崎暮人さんからのコメントが到着。とりわけ、深崎さんの「一期では事情によって到達できなかった原作の続きで、自分がいちばん観たかった場面を観られるのが楽しみ」という言葉には、この2期で再度出演を果たす茅野さんも「どこのシーンなんでしょう」と気になっている様子でした。

続いて、荒木さん、大河内さん、あさのさん、三浦さんによるゲストクロストークでは、「0から1を作る人たちの脳内を比べてみる」という内容で話が進行。荒木さんが「“それぞれの実力を生かす”というアニメ作りならではの集団戦に慣れると、個人の価値観を押し出すことが怖くなってしまう」とアニメーターとしての葛藤を語ると、あさのさんが「本当は個人を出した方がいいんですか？」と質問。それに対して荒木さんは「本当は個人の感情をドライブさせた方が、いいものができるかもしれない。そのさじ加減は常に迷います」と答えました。それを受けて、三浦さんが「(小説家は)ひとりで突っ走ってるのが逆に恥ずかしい(笑)」と語ると、会場からは笑いが起こりました。

最後に、制作を担当していたマングローブの経営破綻により制作が中断していた「虐殺器官」の新プロモーション映像を発表。引き続きプロジェクトが進行しているという朗報を最後に、発表会は幕を下ろしました。【取材・文＝麻布たぬ】