新作&おすすめアニメのすべてがわかる!
「月刊ニュータイプ」公式サイト
2022年7~9月にかけて放送されたテレビアニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』。そのスペシャルイベントとなる「~探窟家組合 大精算会~」が、1月15日に日本教育会館一ツ橋ホールで開催されました。放送終了後に行われる作品イベントは初とのことで、キャストの熱気も高まったイベントから、「昼の部」の様子をレポートします。
まず、ステージにはリコ役の富田美憂さんとレグ役・伊瀬茉莉也さん、ナナチ役・井澤詩織さん、ファプタ/イルミューイ役・久野美咲さん、ヴエコ役・寺崎裕香さん、ワズキャン役・平田広明さん・ベラフ役・斎賀みつきさんが登壇。今回は「成れ果て村」での開催として、キャストの面白い話に対して観客は「力一杯拍手をする」、観客の支払ったチケット代に見合うパフォーマンスをキャストはしないと精算されてしまう……という、まさかの対価の要求からイベントはスタートしました。
最初のコーナーは、キャストが考える『烈日の黄金郷』の「価値があるシーン」の振り返りトーク。斎賀さんは第1話冒頭のガンジャ隊のシーンを、伊瀬さんは第4話のレグとファプタが再会したシーン、富田さんは第5話のムーギィに成れ果て語を学ぶシーンをセレクト。ファプタ役の久野さんは、一緒に収録した伊瀬さんに対して「完全にレグだった!」と振り返りました。
また、平田さんは第9話の「選べるのは、挑む者達だけなんだ」とワズキャンのセリフを選出。アンケートに答えたときの理由は忘れたものの、「いいことを言っているっぽいでしょ?」とおどけて答えました。「いろんな風に意味を取れるのもいいですよね」と理由を補足する一幕も。
井澤さんが選んだのは、第10話の「拾うもの全て、君の価値だ」というベラフのセリフ。斎賀さんの役作りについて触れた上で、想いが溢れてセリフが口パクからこぼれてしまった、と秘話を明かしました。
その後、久野さん・寺崎さんが選んだ第12話のトーク直前には、アフレコ風景を撮影したVTRが上映! 富田さん・伊瀬さん・井澤さんがどのように音響監督と一緒に作品へ命を吹き込んでいくのか、その一端が垣間見える映像になっていました。原作者のつくしあきひと先生が常にいらっしゃる現場ということで、すぐに質問ができたことも濃い作品作りにはメリットとして作用していたようです。
そして第12話からは、久野さんがガブールンとファプタの出会い、寺崎さんがヴエコとファプタの最後の会話をセレクト。久野さんは「(ガブールン役の)竹内良太さんの演技が素晴らしかった」ことと、「ケモノ役の威嚇は喉が痛くなる」とコメント。これには思わず井澤さんも「分かる!」と反応していました。また、寺崎さんはこのシーンが単独での収録だったそうで、ヘッドホンを通じて久野さんの声を聞きながらアフレコに臨んだそう。その際、「積み重ねてきたものが戻ってきた!」という実感があったと告白しました。
次のコーナーは、「成れ果て村の住人になろう!」というもの。このイベントでは観客に成れ果て村の住人が描かれたうちわが配られているので、「欲が身体の形になる」というマジカジャの言葉に倣ってキャストも自らが成れ果てになったときの姿をうちわに描いてみよう、というコーナーです。
昼の部では井澤さん・久野さん・平田さんが挑戦。その時間内、成れ果て村の住人たちはどんな欲が反映されてあの身体になったのか……という秘話が、つくし先生のコメントとして発表されました。ベラフは「村の脊椎となってイルミューイの本能に近いところに置かれていた」、メポポホンは「もううんざりなので眠りたい」、そしてマアアさんは「まああああああ」……。このコメントに富田さんたちキャストは「なんでこうなったんだろう?」と想像を働かせていました。
そして完成した自らの成れ果て像について発表! 井澤さんはいろんなことをしたい欲から、手がいっぱいの千手観音をモチーフとした絵に。久野さんは「こたつにずっと入っていたい!」と自らの成れ果て像に「こたつくん」と命名。平田さんは台本の姿を描き、口パクもない無口な役をやりたい……と笑いを誘いました。
続いて始まったのは、イベントのビジュアルであるリコさん隊とガンジャ隊が鍋をつついている様子を描いた書き下ろしの朗読劇。『メイドインアビス』のキャストが揃って演技をするのは初めてとのことで、キャストにも緊張が走ります。タイトルは「食い繋ぐ鍋(トーキングラグポット)」。
シリーズ構成の倉田英之さん脚本、つくしあきひと先生監修で描かれた物語は、リコさん隊・ガンジャ隊それぞれの目線で進行。ファプタとイルミューイ、それぞれが鍋を見つけてくる……というところから物語が始まります。みんなで鍋をやることになったそれぞれの隊が織りなす物語に、観客一同、目と耳を集中させていました。
朗読劇の次は、イベントのタイトルにもなっている「大精算会」がスタート。観客から集めた「貴方の価値を教えてください」というアンケートに対し、「これは価値が高い!」というものを選出。上位3人にサイン入りポスターをプレゼントするというものです。
「月に一回自分のご褒美をお取り寄せしている」というものや、「起きたいときに起きれる力」「素晴らしい友人関係」などが上がるなか、第1位に選ばれたのは「髪の毛」という価値。失われたとき、その価値に気付いていく……という儚い文面に、思わず会場からも同情(?)の拍手が上がりました。
そしてイベントも終盤へ。斎賀さんがコメントをしようとすると、舞台が暗転! 後方のモニターにはこれまでのシリーズを纏めた映像が流れました。そしてラストには「シリーズ続編制作決定」という文字が。キャストも知らされていなかった続編の報に、リコさん隊のキャストは身を寄せ合って感動していました。
アニメ続編への期待が高まるなか、「ほとんどの声優人生をリコとともに歩んできました。続編も魂を込めてやらせていただきます!」と富田さんが締めくくって、イベントは幕を閉じました。
【取材・文:太田祥暉(TARKUS)】
■アニメ「メイドインアビス 烈日の黄金郷」
●続編制作決定!
リンク:TVアニメ「メイドインアビス」公式サイト
アニメ「メイドインアビス 烈日の黄金郷」続編制作決定PV
公式Twitter・@miabyss_anime