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【第15回「声優アワード」受賞者インタビュー】新人男優賞 小林千晃さん

2021年03月17日 10:00配信
第15回「声優アワード」で、新人男優賞を受賞した小林千晃さん

第15回「声優アワード」で、新人男優賞を受賞した小林千晃さん

2021年3月6日、2020年度に最も活躍した声優を称える第15回「声優アワード」の受賞者が発表されました。本稿では、新人男優賞を受賞した小林千晃さんへのオフィシャルインタビューをお届けします。

──受賞の報を受けたときのお気持ちを教えてください。

小林 とてもうれしかったです。これまで新人賞を受賞された方々のお名前を見ると、今第一線で活躍されている方々で、自分もその背中を追っていけているのかと思え、感動しました。同時に頭をよぎったのは、事務所に入った当時のマネージャーさんの「今はまだ何者でもない、何色にも染まってない原石だから、これからいろんな経験を通して〝小林千晃〟という役者になっていけたらいいね」ということばです。すてきな役柄や現場に出会い、作品に携わることができ、それを皆さんが見つけてくださったことで、ようやく何者かになる、その一歩が踏み出せたのだと感じています。

──「ガンダムビルドダイバーズRe:RISE」では、ガンダムシリーズの主人公となったわけですが、どんな思いがありましたか?

小林 日本で生まれ育った男児として例にもれずガンダムの洗礼を受けていますが、子供のころから見ていた作品の主人公にまさか自分がなれるとは……。最初はちょっと現実感がないまま、現場に入っていったのを覚えています。自分たちの信じるもののために命をかけて戦っていく様を描いていけて、格別な思いがありました。

──アフレコ現場で気をつけられたことは?

小林 まず芝居に真っすぐ向き合うことが基本ですが、いわゆる座長としての振る舞いも勉強させていただきました。今まで先輩方からいろんなお話を聞いてきたので、できるだけそれを実行して……。たとえば、よくかけ合いをする方とは、ごはんを食べに行ったり普段からコミュニケーションをとったほうがいい、ということなどです。「Re:RISE」のメインキャストは比較的年齢が近い方が多かったので、固くなりすぎることなく、お互いにお互いを引っ張り合いながら同じ目線で頑張っていけたんじゃないか、という実感がありますね。

──同じく主演を務められた「GREAT PRETENDER」の現場はいかがでしたか?

小林 こちらは逆に、基本的に手練れの皆さんに囲まれての収録でしたので、思いっきり胸を借りたといいますか、先輩の皆さんに引きだしていただけた現場でした。脚本・シリーズ構成が古沢良太さん(「キサラギ」「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」など)で個人的にもファンでしたので、新人ながら絶対受かりたいという思いでオーディションに臨んだ作品でもあります。古沢さんの脚本は会話劇が小気味よくて、僕が演じたエダマメ(枝村真人)も等身大の僕自身でやれるような役柄でしたので、その点がすごく大きな経験になりました。等身大で体当たりして打ちのめされてはまた起ち上がって。その過程に人間くささがめちゃくちゃ出ているので、会話劇で先輩方に揉まれながら、エダマメとして物語を駆け抜けて行けたのが楽しかったです。

──声優アワード受賞対象期間の2019年10月~2020年9月。この1年間は小林さんにとってどんな年でしたか?

小林 先ほどお話した2作が公開された期間ですので、僕にとって大きな1年でした。どの作品でも全力で臨んでいくことに変わりはないですが、皆さんからのリアクションが大きかったり、同業者の方から声をかけていただけることも増えて。僕自身に社交性をもとうという思いが芽生え始めたのもこのころですね。プライベートでも仲よくさせていただける同業の方も増えて、現場での気持ちも楽になっていって。悩みを具体的に話せたり、芝居の話をフラットにできる、その喜びは大きいですね。そういう相手がいてくれるおかげで、悶々と悩むことはなくなって、思いを芝居へと転化していけるようになりました。

──「声優」という仕事のとらえ方は、デビュー前と変わりましたか?

小林 変わりましたね。僕は最初、俳優をめざしていたので、声優業のことをちゃんとわかっていなかったところがあって。もしかして、声の芝居のほうが楽なのではないか、と思ってしまっているところもあったかもしれないです。でも、当然そんなわけはなくて、経験を積めば積むほど、その難しさが身に染みています。声で表現されてきた先輩方へのリスペクトは増すばかりです。

──今後のお仕事での目標、挑戦してみたい役柄などを教えてください。

小林 RPG の主人公を演じて、そのゲームを自分でクリアする、というのがひとつの夢です。いちゲームファンという目線から見ても、純粋にあこがれがあります。あとは、ラジオを聞くのも昔から好きなので、ラジオ番組のパーソナリティもやりたいことのひとつですね。ひとりしゃべりの番組ができたらな、という思いがあります。

──最後に、ファンの方々にメッセージをお願いします。

小林 今回の受賞は、作品を見て、僕を応援してくださる方がいたからこそのものだと思います。ですので、この賞をいただけたのは本当に皆さんのおかげです。ご恩を返すためにも、作品をつくる一員として、よりよい芝居をしていかなくてはと身の引き締まる思いです。小林千晃の表現をもっと見たいと思っていただけるよう、引きつづき頑張っていきたいです。

●こばやし・ちあき/6月4日生まれ。神奈川県出身。大沢事務所所属。主な出演作に「憂国のモリアーティ」(ルイス・ジェームズ・モリアーティ)、「SK∞ エスケーエイト」(馳河ランガ)など。

【取材・文:ワダヒトミ】

第15回「声優アワード」受賞者、受賞作品(敬称略)

●主演男優賞:津田健次郎
●主演女優賞:石川由依
●助演男優賞:子安武人、島﨑信長
●助演女優賞:上田麗奈、鬼頭明里
●新人男優賞:伊藤昌弘、小林千晃、土屋神葉
●新人女優賞:逢来りん、市ノ瀬加那、杉山里穂、藤原夏海、和氣あず未
●歌唱賞:ワルキューレ
●パーソナリティ賞:安元洋貴
●功労賞:増山江威子、津嘉山正種
●シナジー賞:プレミア音楽朗読劇「VOICARION IX 帝国声歌舞伎~信長の犬~」
●富山敬賞:関俊彦
●高橋和枝賞:榊原良子
●キッズファミリー賞:中川里江
●外国映画・ドラマ賞:山路和弘、小宮和枝
●インフルエンサー賞:小岩井ことり
●MVS(Most Valuable Seiyu):下野紘
●特別栄誉賞:鬼滅の刃
※今回は、ゲーム賞の該当者なし
※今回は、特別功労賞に代えて、本年度ご逝去された声優を顕彰しました。