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サプライズに土屋太鳳が涙! 映画「アイの歌声を聴かせて」初日舞台挨拶レポート

2021年10月30日 21:35配信
左から、大原さやかさん、工藤阿須加さん、福原遥さん、土屋太鳳さん、興津和幸さん、小松未可子さん、吉浦康裕監督

左から、大原さやかさん、工藤阿須加さん、福原遥さん、土屋太鳳さん、興津和幸さん、小松未可子さん、吉浦康裕監督

10月29日に公開初日を迎えた『アイの歌声を聴かせて』。その初日舞台挨拶がユナイテッド・シネマ豊洲で行われました。登壇したのは、土屋太鳳さん(シオン役)、福原遥さん(サトミ役)、工藤阿須加さん(トウマ役)、興津和幸さん(ゴッちゃん役)、小松未可子さん(アヤ役)、大原さやかさん(美津子役)と吉浦康裕監督。映画の上映後のステージということもあって、これから観てもらうドキドキ感というより、観てもらった安心感が漂うトークセッションとなりました。

最初の挨拶で、初日を迎えられたことへの感謝の気持ちを込め、土屋さんがシオンを象徴するセリフをアレンジし「皆さん、いま、幸せ?」とシオンの声で言うと、観客は手を振って応えます。そして吉浦監督は満員の会場を目にし「映画館が戻ってきたんだなと思い、うれしくなりました」と喜びを噛み締めていました。

司会者に初日を迎えられた今の率直な気持ちを聞かれ、工藤さんが「この映画では、人と人の繋がりやAIと人の垣根を超えた繋がりが描かれていて、こういう愛の物語って、このタイミングだからこそ必要だった気がするんです。皆さんの今日一日が少しでも幸せになっていたのならうれしいですし、この作品に携われて心から良かったと思います」と伝えると、吉浦監督も「映画は世の中に出て初めて完成するものだし、さらにそこから成長するものだと思います。今日は見終わった直後ということで、映画が皆さんのものになったんだという空気がふわっと伝わってきて、それを感じたときに泣きそうなくらいうれしくなりました」と感激していました。

これから映画を観る人に「ここを観てほしい!」と思うシーンを聞かれたキャスト陣は、最初から最後までという土屋さんのもっともなコメントに加え、興津さんが「シオンが学習して変化していく様が、演技でもとてもよく表現されていたので、そこは見どころだと思います。サトミやトウマの変化も楽しんでいただけるので、アニメ映画を観ない人も、アニメ映画しか観ない人も、いろんな人を誘って観てほしいです」と、役者としても活躍する3人の演技の素晴らしさを伝えると、小松さんは「タイトルのアイは、AIのアイあり、愛でもある。いろいろなものがかかっていると思うんです。AIが何のために作られたのかと考えると、誰かのためとか、何かの助けになるためで、それは“人の愛”から生まれているんですよね。そう考えると愛の循環の物語でもあるので、愛の流れを感じてほしいです!」と作品に込められた想いやテーマについて語っていきます。最後は大原さんが、監督の細かいこだわりやユーモア、そして演じている美津子とサトミの親子関係などをじっくり観てほしいと伝え、さらに好きなシーンとして、シオンの「やなのー」というセリフがめちゃくちゃかわいかったと熱弁! それがどこのシーンなのかは、ぜひ劇場で確かめてください。

また、この映画がミュージカル映画という側面もあることから、そのこだわりについて吉浦監督が解説。「ミュージカルは日常と歌のシーンがシームレスに繋がるのが特徴なので、歌うシーンだけをCGにはできないという問題が出てきました。なので、今回は歌唱シーンもすべて手描きなんです。それ自体がこだわりですし、上手くいったところだと思います」と答えていました。

ここで福原さんから「シオンを通して、みんなに幸せを届けてくださった監督と土屋さんへ、『ユー・ニード・ア・フレンド~あなたには友達が要る~』を、本作のモデルにもなった景部高等学校の高校生の皆さんに合唱曲として歌ってもらったんです!」とサプライズが告げられます。そしてスクリーンに映し出されたのは、合唱をする生徒たちの姿と作品の印象的なシーンの舞台となった場所の数々。何も知らされていなかった土屋さんは、その映像を見たあとに感激のあまり、福原さんとともに涙を浮かべていました。

土屋さんは「シオンの歌詞を歌っていると、無理かも、ダメかもと思ったときに曲が背中を押してくれて助けてくれたんです。その曲が合唱曲となって……。たくさんの人の勇気になっていたらいいなと思ったし、自分はそこにいていいんだよというメッセージが伝わっていたらと思っていたのでうれしかったです」と言うと、吉浦監督は感動したことを伝えながら「合唱をしていた音楽室は、親の顔よりも見た音楽室なんです。CGで背景を作り何十時間とにらめっこしながら映画を作ったので、現実と絵の境界線がなくなったような不思議な気持ちでした」と監督ならではの、作品へ注いだ熱量を感じる感想を述べていました。

ただ、サプライズはそれだけで終わらず、客席にいた、実際に合唱をしていた生徒2人が登壇し、土屋さんと監督に花束を渡すと土屋も堪えきれずに目から涙が溢れます。「コロナ禍で学校に行けないこともあったと思うけど、行けなかったぶんの高校生活は映画館でシオンと一緒に感じてくれたらうれしいです」と伝え、続けて「シオンは元気で明るいんですけど、時々言う『これは命令ですか?』という言葉にハッとさせられる切なさがありました。それは誰かを大切にしなければいけないと思って動いているけど、自分も大切にされていいんだということを知らないからだと思うんです。でもそういうことは人間にもあって、愛情を実感できずに生きている人もいると思うんですね。だからこの物語が、人と人とが大切に思い合うヒントを届けてくれたらと思います」と、優しく大きな愛のある土屋さんらしい言葉を残しました。

続いて福原さんも「合唱を聴いて歌のパワーをすごく感じました。シオンがサトミやみんなのために、幸せになってほしい一心で、想いを伝えたり行動したりする真っ直ぐさに心を打たれたので、大切な人や大好きな人に想いを伝える大切さを受け取っていただけたらうれしいです」と伝え、最後は監督が「自分の頭の中から始まったものですが、その物語が広がり、今日たくさんの人に届けることができました。このようなサプライズで形になって自分に返ってくるということも経験できました。これからもこういう花束をたくさんもらえるように精進していきたいし、この思いを次の作品にも活かしたいと思っています」と締めくくりました。

作品から受け取る大きなメッセージだけでなく、監督やキャストの言葉からも大きなプレゼントを受け取ったような、そんな初日舞台挨拶となりました。

【取材・文:塚越淳一】

■「アイの歌声を聴かせて」
現在全国劇場にて公開中

スタッフ:原作・脚本・監督…吉浦康裕/共同脚本…大河内一楼/キャラクター原案…紀伊カンナ/キャラクターデザイン・総作画監督…島村秀一/メカデザイン…明貴美加/プロップデザイン…吉垣誠、伊東葉子/色彩設計…店橋真弓/美術監督…金子雄司(青写真)/撮影監督…大河内喜夫/音響監督…岩浪美和/音楽…高橋諒/作詞…松井洋平/アニメーション制作…J.C.STAFF

キャスト:シオン…土屋太鳳/サトミ…福原遥/トウマ…工藤阿須加/ゴッちゃん…興津和幸/アヤ…小松未可子/サンダー…日野聡/美津子…大原さやか/野見山…浜田賢二/西城…津田健次郎

ストーリー:クラスでいつもひとりぼっちのサトミは景部高等学校に通う女子高校生。ある日、彼女のクラスに転校生・シオンがやってくる。彼女は試験中のAIで、そのことが幼なじみのトウマなどに徐々にばれてしまう

リンク:「アイの歌声を聴かせて」公式サイト
    公式Twitter・@ainouta_movie