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マンガ「ディープインサニティ ニルヴァーナ」塩野干支郎次インタビュー 「モンスターはベクシンスキーとウルトラ怪獣の中間ぐらいのイメージ」

2021年12月14日 12:00配信
「ディープインサニティ ザ・ロストチャイルド」第10話より

「ディープインサニティ ザ・ロストチャイルド」第10話より

(C)2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

ゲーム、マンガ、アニメにまたがるメディアミックスプロジェクト「Deep Insanity(ディープインサニティ)」。現在放送中のそのTVアニメ版「ディープインサニティ ザ・ロストチャイルド」では「世界観原案」とクレジットされている塩野干支郎次先生は、現在「月刊ビッグガンガン」 にて、マンガ「ディープインサニティ ニルヴァーナ」を連載中です。本プロジェクトでは数多くのモンスターを手がけている塩野先生に、プロジェクト全体の話や、マンガ「ディープインサニティ ニルヴァーナ」についてうかがいました。


――以前、プロデューサーであるスクウェア・エニックスの石井諒太郎さん、世界観原案を担当した深見真さん、海法紀光さんの座談会を行なったのですが、そのとき深見先生は、マンガ「ディープインサニティ ニルヴァーナ」は「機動戦士Vガンダム」なんだとおっしゃってまして。主人公のセルジュが、大人のお姉さんといっしょにお風呂に入るシーンが多いから、と……。
塩野 わかるようなわからないような、不思議な話ですね(苦笑)。

――すみません、いきなり妙なフリを(笑)。仕切り直して、企画の成り立ちから順にお話をうかがわせてください。「Deep Insanity」プロジェクトへの参加のきっかけは?
塩野 スクウェア・エニックスでの以前の連載(「Ubel Blatt~ユーベルブラット~」)の終盤を描いていたころに、編集さんから「こういうゲーム・アニメ・マンガの連動企画があるんですけど、どうですか?」と話をされたんです。口頭で、だいたいどういう世界観なのかの説明もありましたね。それがおもしろそうだったので、参加することにしました。作品世界の基本的な用語だとかは 、その時点で現在と変わらないものがほぼできていたように記憶しています。

――特に魅力を感じたポイントは?
塩野 南極が舞台で、ちょっとクトゥルー神話的な世界観があるところですね。実はお話をいただいたとき、たまたま南極を舞台にした短編小説を読んだばかりで、それもあって企画の内容を聞いた瞬間にイメージが一気に膨らんだんです。不思議な縁を感じました。

――企画に参加されてから、マンガの連載がスタートするまでは、プロジェクトでどのような作業をされていたのでしょう?
塩野 しばらくは月イチくらいでゲームの会議に参加していました。あくまで企画の雰囲気を感じるために立ち会っていたんですけど、モンスターデザインが少しうまく進んでいなかったときに、「ちょっと描いてみませんか?」と提案があって、そこから割と僕がモンスターデザインに関しては量産するようになった形ですね。

――デザインするときにコンセプトは決められたのでしょうか?
塩野 はっきりとコンセプトと呼べるようなものはないのですが、発注があった段階で「グロ過ぎないもので」とは言われました。僕はベクシンスキーが好きなんですけど、NGの基準として渡された参考イラストがベクシンスキー風だったので、ここまでは無理なんだなと(笑)。だからそこよりはもうちょっとキャラクター化したものしています。僕の中であったコンセプトとしては、ベクシンスキーとウルトラ怪獣の中間ぐらいのイメージですね。気持ち悪いけど、シルエットとしてはキャラクターになっている。

――怖いけど、どこか愛嬌があるような。
塩野 そんな感じです。あとは、いわゆるファンタジー的なモンスターだとちょっと世界観に合わないので、そこを避けつつ、正気じゃない感じの何かが少しあるデザインを心がけていました。人間みたいな歯を持った魚っているじゃないですか。ああいう、現実の生き物でも、なんだか生理的に嫌な感じのする要素をちょっと使ってみたり……。それと、これは意識してそうなったわけではないのですが、生物から異形(スカード)になると、物を食べたり、しゃべるための場所がもともとの部位からずれていく。そうすることで、違う生物になったことが表現できたかなと思います。

――デザインしたものの中で、手応えのあった、お気に入りのものはありますか?
塩野 特に「これが!」というのはなく、全体的にこの作品では自分の好きなラインでモンスターがデザインできました。中でも、機械系のモンスターは、割とうまく描けたほうかもしれません。

――では、ここからはマンガ「ディープインサニティ ニルヴァーナ」の内容についてうかがわせてください。どんな思いを込めてこの作品のキャラクターやストーリーを作られたのでしょうか?
塩野 ゲームやアニメの「Deep Insanity」は、危険地帯の上に基地があって、そこから下に行く設定です。そのコンセプトとは少しずれるのですが、南極のモンスターがいっぱいいる地帯に街があって、そこに住んでいる人がいるというアイデアをまず思いついたのが、始まりでした。

――主人公のヒルデガルド・オルインピアーダ・山田とセルジュ・ソルはどのように生み出されたのでしょう?
塩野 強い女性キャラと、サブ的な少年キャラの組み合わせが好きで、割とそんなに考えずにキャラに関してはできたような気がします。自分の好きなものと、読者へのフックになりそうなものを入れていったら、ああいう形になったというか。デザイン面では、ゲームやアニメよりも前の時代が舞台なので、たぶん敵と戦う装備もまだ洗練されてないだろうと考えて、使う道具はどこか野暮ったい、古そうなイメージのものにしています。

――ストーリー面はいかがでしょう? セルジュと深いかかわりのあるヒロイン・睡蓮の謎を巡って、物語が展開していきます。
塩野 世界観が特殊な分、物語はボーイ・ミーツ・ガールというか、比較的わかりやすい、シンプルなものにしようと考えました。その上で、ゲームやアニメの設定にあまり干渉しなさそうな範囲で、やりたいようにやる……みたいな感じです。

――先生の趣味性みたいなものがいちばん強く出ているとご自分で感じられるのは、この作品のどんなところですか?
塩野 趣味性といえば、ビジュアル的なものは全部趣味で描いています(笑)。中でもモンスターは、できるだけ種類をいろいろと出そうと思いますね。好きなので苦労せず、楽しく描けますし。本当にわけのわからないものがいっぱいある世界観で、何でも取り入れられそうなので、連載が続けば続くほど、もっといろいろな表現ができそうだと感じています。

――最後に、このプロジェクトの今後の展望をうかがえたら。
塩野 僕はマンガを描くだけなので、プロジェクト全体についてはなんともいえませんけど、マンガ、ゲーム、アニメでキャラクターがもっと相互にいろいろ登場しあったり、横のつながりがもっと出てきたらおもしろいですね。

【取材・文:前田久】

■TVアニメ「ディープインサニティ ザ・ロストチャイルド」
放送:TOKYO MX 毎週火曜深夜24:30~
   MBS 毎週火曜26:30~
   BS11 毎週火曜25:00~
   テレビ愛知 毎週金曜26:05~
   AT-X 毎週水曜21:30~
   ※リピート放送:毎週金曜9:30~、毎週火曜15:30~
配信:ABEMA 毎週火曜24:30~
   ※地上波同時・単独最速配信/その他のサイトも順次配信予定

スタッフ:世界観原案…深見真、海法紀光、塩野干支郎次/監督…大沼心/シリーズ構成・脚本…下山健人/キャラクターデザイン…山吉一幸/色彩設計…水本志保/美術監督…新城湧基/3D監督…北村浩久/撮影監督…山本聖(チップチューン)/編集…木村勝宏/音楽…未来古代楽団/音響監督…郷文裕貴/オープニングテーマ…鈴木このみ「命の灯火」/エンディングテーマ…伊東歌詞太郎「真珠色の革命」/音響制作…ビットグルーヴプロモーション/アニメーション制作…SILVER LINK./制作協力…KADOKAWA/原作・製作…SQUARE ENIX
キャスト:時雨・ダニエル・魁…下野紘/ヴェーラ・ルスタモワ…小清水亜美/レスリー・ブラン…鳥海浩輔/ローレンス・ラリー・ジャクソン…広瀬裕也/小鳩玲香…野口瑠璃子/餅木スミレ…本渡楓/エルシー…田中貴子

■マンガ「ディープインサニティ ニルヴァーナ」
「月刊ビッグガンガン」(毎月25日発売)にて好評連載中
コミックス1~3巻:絶賛発売中

■ゲーム「ディープインサニティ アサイラム」
好評配信中

対応プラットフォーム:iOS / Android / PC(Steam)
ジャンル:RPG
プレイ料金:基本プレイ無料(アイテム課金型)

リンク:TVアニメ「ディープインサニティ ザ・ロストチャイルド」公式サイト
    マンガ「ディープインサニティ ニルヴァーナ」公式サイト
    ゲーム「ディープインサニティ アサイラム」公式サイト
    「Deep Insanity」プロジェクト公式Twitter・@deepinsanity_pj