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東宝と丸井グループが若い力でアニメを生み出す!? ショートアニメーション『そばへ』制作発表記者会見

2019年03月08日 14:49配信
東宝と丸井グループが若い力でアニメを生み出す!? ショートアニメーション『そばへ』制作発表記者会見

ショートアニメーション『そばへ』に声で出演した福原遥さん

(C)2019 MARUI GROUP CO., LTD.

「OIOI」のロゴ・マークでおなじみファッションビルの丸井などを傘下に持つ丸井グループと東宝がタッグを組んだオリジナルのショートアニメーションが制作されることになり、3月7日に東宝本社で制作発表記者会見が行われた。

このオリジナルショートアニメ『そばへ』は丸井グループの企業理念である「インクルーション」をテーマに、価値観の違いを理解することで世界観が広がっていくというイメージや心の動きを、美しい映像と音楽で表現していくという内容。ある雨の日、帰路につこうとした統(おさむ)は、紗友(さゆ)にプレゼントされた“傘”がなくなっていることに気付く。そんな“傘”がやがて少女となり、雨に濡れた街を巡り出す……といった物語が展開されていく2分間の映像作品となっている。ちなみにタイトルの『そばへ』は漢字では「日照雨」と書き、日が照っているのに雨が降るきつねの嫁入りや天気雨のことを意味する言葉。作品は現在公式HPやYOUTUBEにあるマルイノアニメ公式チャンネルで視聴が可能となっている。

監督には劇場映画『未来のミライ』で助監督を務めた若手クリエイター・石井俊匡が就任。キャラクターデザインを同じく『未来のミライ』の作画監督である秦綾子さん、アニメーション制作を『宝石の国』で話題となったオレンジが担当しているほか、声には『クッキンアイドルアイ!マイ!まいん』の柊まいん役や『キラキラ☆プリキュアアラモード』のキュアカスタード・有栖川ひまり役をはじめドラマや映画で活躍中の福原遥さんがキャスティングされるなど、丸井グループの制作・東宝映像事業部による企画のもとで集められた新進気鋭のスタッフ陣と制作会社、キャストで生み出された作品となっている。

記者会見に登場した東宝の取締役・太田圭二氏は、「インクルージョン」に共感しただけでなく、コンペを勝ち上がり実力を評価してもらった上で東宝と丸井グループがパートナーとなったということについて「嬉しく思っています」と一言。企画についても若手クリエイターへの励みになるようなものにしていきたいと意気込みを語ってくれた。また丸井グループ執行役員の青木正久氏は「今回の東宝様と丸井グループの取り組みについて、若手アニメーション監督の登竜門的な位置付けに発展させていければと思っていますし、第2弾・第3弾と継続していきたい」と今後の展開の可能性について言及。若い才能の発掘の場として面白いことが出来ればといった期待感を口にしてくれた。

続いて石井監督がはじめて監督という肩書きで自分の作品を作れるということで「頑張ってみよう」と思いつつも、「『インクルージョン』という企業の理念をアニメにするというお話だったんで、最初は難しいなぁと感じていた」と当時の心境についてコメント。テーマである「インクルージョン」については、自分の中で「相互理解」だと解釈した上で、相手が好きなものはもちろん好きでいいし、嫌いなものもそれはそれでいい。それをお互い理解して上手く付き合っていくことが大事なんだということを映像として描いていくことにしたとのこと。雨が嫌いな男の子・統と雨が好きな女の子・紗友、そして雨が好きな傘の精霊の少女と雨が嫌いな猫を登場させることで、「雨が苦手な人もいるし、好きな人もいる。その両方がどう寄り添っていけるのかということを考えたときに、雨が苦手だった人でも傘を通して雨を見ることで見え方が全然違ってくるんじゃないかなということをラストシーンで出すことができればと考えました。最初は嫌な雰囲気の雨ですが、後半になっていくにつれて綺麗に見えていくようになっていればいいなと思っています」と作品のコンセプトについて解説してくれた。

また福原さんを起用した経緯としては作中にかかる音楽を担当した牛尾憲輔さんと「だんだんいろんな音が集まっていって、最後に盛り上がっていく」といった展開にしようという話し合いがあった際に、「楽器の中の一つとして声を入れてみようか」とのアイデアから声をキャスティングをすることになったとのこと。福原さんは「こういう経験はなかったので、どんな作品になるんだろうって楽しみな気持ちでいっぱいでした。この作品の雰囲気だったり世界観がホントに素敵で大好きなものだったので嬉しかったです」と笑顔を見せてくれた。ここで雨の思い出を聞かれた福原さんは「雨は普通に好きです」と語りつつ、「小さい頃は傘をささないでビショビショになりながら走り回っていました(笑)」と意外な一面を披露する一幕も。アフレコについては「セリフが少ない分、セリフに込める想いは強くしないといけないなって思って。女の子の絵をずっと見ながら『こういう感じでしゃべるのかな』『こういう気持ちなのかな』って絵と会話をしたりしてました(笑)。いろんなテイクを監督と一緒に考えながら録ったりはしたんですけど、あとは自然にやらせていただいたので収録はホントにあっという間に終わってしまいました」と楽しそうに収録の様子を語ってくれた。石井監督も福原さんの声を絶賛。「可愛いだけじゃなくて、それが地に足が付いてる可愛さといった印象があります。息づかいと間の取り方とかお任せしまうっていう感じでホントに自由に演じていただいたんですが、福原さんのいいところが出せたのかなと思っています」と作中での福原さんの声の演技について自信を見せていた。

 最後に石井監督が「2分という短い作品なんですけども、出来ることをいろいろやったつもりではあります。出来るだけ多くの皆さまに拝見いただけるように願っております」とコメント。福原さんも「ホントに世界観だったりあたたかくやわらかい作品で、見終わった後に心があたたかく優しくなる作品だなって思っています。見ていただいて癒やされてもらうだけじゃなくて、何回も見ることによって感じ方だったりストーリーがどんどん分かっていくと思いますので、ぜひたくさん見ていただいて自分にとっての『インクルージョン』が何なのかを考えていただいて楽しんでいただけたら嬉しいです」とこの映像を見てくれる人たちに向かってメッセージを語ってくれた。

【取材・文:すわみさお】

『そばへ』

キャスト:福原遥

スタッフ:監督…石井俊匡(『未来のミライ』助監督)/音楽…牛尾憲輔(『聲の形』『DEVILMAN crybaby』『リズと青い鳥』『モリのいる場所』/キャラクターデザイン…秦綾子(『未来のミライ』作画監督)/コンセプトアート…長砂賀洋(『ダム・キーパー』『ムーム』)/制作…オレンジ(『宝石の国』)/制作プロデューサー…和氣澄賢(『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』)/プロデューサー…武井克弘/製作…丸井グループ

リンク:「そばへ」公式サイト