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「盾の勇者の成り上がり」元康役・高橋信×マイン役・ブリドカット セーラ 恵美対談【前編】「マインの“惨めさ”は私一人では出せなかった」

2019年06月07日 18:30配信
「盾の勇者の成り上がり」元康役・高橋信×マイン役・ブリドカット セーラ 恵美対談【前編】「マインの“惨めさ”は私一人では出せなかった」

TVアニメ「盾の勇者の成り上がり」より

(C)アネコユサギ/KADOKAWA/盾の勇者の製作委員会

現在、好評放送中のTVアニメ「盾の勇者の成り上がり」。その放送を記念して、スタッフ&キャストによるリレー連載をお届けします。

第15回は、北村元康役の高橋信さんとマイン役のブリドカット セーラ 恵美さんが登場。前編では、元康とマインの役作りと大きな話題となったマインの弾劾裁判について語っていただきました。

――元康とマインの第一印象について聞かせていただけますか。

高橋 元康は、見た目としてチャラい印象もあったんですが、どちらかというと“天然キャラ”のイメージが強かったです。素直すぎて騙されやすい人なんだろうな、と。尚文に突っかかってばかりで「元康、ふざけるな!」と思った方も多いと思いますが、僕としては素直で思い込みが激しいからこそ熱くなってしまうのかなという印象を受けました。

ブリドカット 原作小説とコミックスを読み始めたときは、なんて美人でかわいくてスタイルがいい子なんだろうって印象がありました。でも、読んでいけば読んでいくほど、とんでもない女だと思うようになって(笑)。正直、最初はどう演じていこうか悩みました。

――実際、マインを演じる際はどのようなことを意識したのでしょうか?

ブリドカット 第1話は1時間スペシャルで、2週にわたってアフレコがあったんです。最初の週は尚文や視聴者の皆さんを騙すので、“ザ・ヒロイン”という感じを意識しました。2週目のアフレコは完全に悪い部分が出てくるんですが、私の中に「マインにもいいところがあるのでは?」という気持ちがあったからか、それがお芝居にも反映されてしまって。音響監督から「救いようのない性悪女なんです」というアドバイスをいただいて、マインは息をするように悪事を働く子なんだと意識するようになりました。

高橋 悪に徹するような感じですよね。

ブリドカット そうですね。私自身も悪の矜持みたいなものを常に持つようにして、現場で笑われるくらい、視聴者の方からヘイトを集めるくらい、悪に徹しようと思いました。おかげさまで、マインへの怒りをたくさんいただけました(笑)。

高橋 狙い通りですか?

ブリドカット 中には私のことも嫌いになったという方がいらっしゃるんですけど、大先輩に「本人が嫌われてこそ、本当の悪役だ」とおっしゃっていた方がいて。私もその通りだと思うんです。そこまでマインと私が嫌われているのであれば、自分がやってきた演技プランは正しかったんだなと。役者冥利に尽きますね。

――元康を演じる際はどのようなことを考えたのでしょうか?

高橋 まずは第一印象そのままにやろうと思っていたら、アフレコ現場で音響監督が「バカ、チャラい、天然、熱血」というキーワードを提示してくださったんです。僕が思い描いていた元康像と近かったので、特に悩むことなく最初のイメージでアフレコに臨めました。

ブリドカット ある意味、元康って真っ直ぐですよね。

高橋 そうですね。一つ一つの言葉に裏がなくて、言葉にしたことは絶対にそう思っているタイプです。脳で動くというよりも脊髄で反射的に動くタイプでもあるので、変に考えすぎずに言葉どおり真っ直ぐ演じるようにしました。

――演じる上で大変なことなどはなかったですか?

高橋 フィーロに蹴られたときですね。ギャグっぽく演じるのが難しくて。たとえば、第5話で股間を蹴られたときはコメディチックに飛んでいくんですが、最初はもっとリアルにダメージを受けた様子を表現したんです。でも、もっと面白くしてほしいというオーダーをいただいて。面白いって一体なんだろう……と考え込んでしまいました。

フィーロに蹴られたときのリアクションは1回でOKをいただくこともあれば、話数によってはいろんなパターンを録ることもあって、そのさじ加減が難しかったです。

――そして、先週放送された第21話ではマインがついに弾劾裁判にかけられました。

ブリドカット 皆さん、本当にお待たせいたしました!

高橋 ようやくですよね。たぶん、多くの人が第1話からずっと待ち望んでいたんじゃないかなと。

――最初に台本を読まれたときの感想は覚えていますか?

ブリドカット ずっと叫んでいるなぁ、と(笑)。ページをめくってもめくっても、マインは叫び声ばかりでびっくりしました。

高橋 実際、アフレコ現場でもずっと叫んでいましたよね。しかも、マインの叫び声は誰かの台詞にだいたい重なるので、(音声処理の都合上)本番はセーラさんだけ別録りだったんです。

ブリドカット 一部の台詞が別録りになることはよくあるのですが、弾劾裁判のマインはほぼ別録りでしたね。皆さんの台詞を全部記憶しておいて、その印象を頭に残したまま、いかに苦しむかを考えました。

高橋 本番前のテストは一緒だったんです。

ブリドカット でも、大きい声で叫ぶので「マイクには入らないでください」と言われ、皆さんの後ろで叫んでいました(笑)。

高橋 後ろでずっと「うわあああ」とか「あああああ」って叫んでいて、僕らは笑いをこらえるのに必死でしたよ。

ブリドカット 皆さんがだんだん笑いまじりのお芝居になっていくのが面白かったですね。こちらとしてはテストも本気でやりたいと考えていたので、全力で叫ぶのみでした。

高橋 それぐらい迫真の叫びを聞かせてくださって、これが本番でもいいのではと思ったほどです。ただ、マインはそれぐらいの悪行をやってきたわけですからね。セーラさんは本当に大変だったと思いますが、マインはそれぐらい苦しまなきゃダメだと思いました。

――ものすごい叫び声でしたし、ブリドカットさんご自身も苦しんだのではないでしょうか。

ブリドカット こんなに叫ぶお芝居は久しぶりですし、苦しみながら叫ぶというのはあまりやったことがなかったです。苦しみつつも、いい経験をさせていただきました。

――一視聴者としては、正直、胸のすく思いもありました。

ブリドカット そう言っていただけると嬉しいです! ここで苦しめば苦しむほど、視聴者の皆さんにすっきりしていただけると思っていたので。

――弾劾裁判のときの元康についてはいかがでしたか?

高橋 ここでやっとマインの悪行に気づくというのがすごいですよね。

ブリドカット 遅いよ~!

高橋 元康は思い込みが激しくて、自分の正義を信じて疑わないタイプです。これは錬や樹にも言えることですが、みんな自分の感情に従順だから盲目的になりやすく、すぐに騙されてしまうんです。その中でも元康は極端にシンプルな思考をしているので……。だから、仲間であるマインのこともずっと信じようとして、最後まで気づかなかったのかなと。

――でも、そのあとはずっとショックを受けていた様子でした。

高橋 その分、難しかったのが処刑が回避されたあとのシーンですね。あのときの元康の心境はどうなっているんだろうと悩んでしまって。

――元康、錬、樹が観衆のもとに出て行こうとするシーンですね。

高橋 そうです。悪事を働いていたとはいえ、信じていた仲間が罰を与えられたそばから、「みんな、行こうぜ!」って気持ちを切り替えられるものなのかと。確かに、元康ならすぱっと切り替えられそうな気もします。でも、実際どんな心境なのか確認したくて、音響監督さんに相談したところ、「それでもマインを信じているところがあって、マインが助かったことに安堵している」と。その解釈を聞いて、なるほど、だったら意気揚々と観衆の前に出てもおかしくないと納得したんです。それだけマインに信頼や好意を寄せていた……すごく元康らしいと思いました。

ブリドカット じゃあ助けてよ~(笑)。

一同 (笑)。

――おっしゃるとおりですね。助けを求められて、目をそらしました。

高橋 たぶん、あのときは騙されていたことが衝撃的すぎて、それどころじゃなかったんだと思います!

ブリドカット まぁでも、わかります。高橋さんが話したように、本当に一つのことしか考えられないから、想定外のことが起こると思考が追いつかないんでしょうね。

高橋 自分の容量を超えるぐらいのショックだったんです。

――そして、マインは改名させられたわけですが……。

ブリドカット あのときの赤面は意外でした。「羞恥心、残ってたんだ!」って(笑)。でも、「ビッチ」に「アバズレ」はすごいですよね。TVアニメ化する上で、どう表現するのか気になっていたんですが、まさかそのままという。

高橋 断頭台で「ナオフミさま!」って叫ぶシーンもよかったですね。

ブリドカット 「言葉にならない言葉で」という地の文があって、「ナオフミさま」という台詞は普段はカタカナで表記されるんですが、このときはひらがなとカタカナがごちゃまぜで「ナオふみさまぁああ!!」だったんです。すべてをかなぐり捨てて尚文に助けを乞うているのがよくわかりました。表情もすさまじくて、なんて惨めなんだと。

私一人の力ではマインのあの惨めさは出せなかったと思います。アニメーターの方の力があってこそだなと。改めてスタッフの方に感謝したいですね。

【取材・文:岩倉大輔】

■TVアニメ「盾の勇者の成り上がり」

放送  :AT-X…毎週水曜22:00〜

     TOKYO MX…毎週水曜25:05〜

     テレビ愛知…毎週水曜26:35〜

     KBS京都…毎週水曜25:05〜

     サンテレビ…毎週水曜25:30〜

     TVQ九州放送 …毎週水曜26:35〜

     BS11…毎週水曜25:30〜

配信  :ひかりTV、dTVチャンネル 【ひかりTVチャンネル+】 ほか

スタッフ:原作…アネコユサギ(MFブックス『盾の勇者の成り上がり』/KADOKAWA刊)/原作イラスト…弥南せいら/監督…阿保孝雄/シリーズ構成…小柳啓伍/キャラクターデザイン・総作画監督…諏訪真弘/音響制作…グロービジョン/音響監督…郷文裕貴(グルーヴ)/音楽…Kevin Penkin/アニメーション制作…キネマシトラス

キャスト:岩谷尚文…石川界人/ラフタリア…瀬戸麻沙美/フィーロ…日高里菜/天木 錬…松岡禎丞/北村元康…高橋 信/川澄 樹…山谷祥生/メルティ…内田真礼

リンク:アニメ「盾の勇者の成り上がり」公式サイト

    公式Twitter・@shieldheroanime