「逆2.5次元」カバー✕浪川大輔✕星海社FICTIONS、登場！浪川大輔さんが魅せる『ゴミ箱診療科のミステリー・カルテ』の天才医師・三神宗一郎とは？

イラスト中心だった星海社書籍のカバービジュアルに新たな風が吹く──演じるのは表現者・浪川大輔さん。演じたのは「安楽椅子探偵」……医局で起こる奇妙な事件をカルテや助手の報告だけを手がかりに解き明かす。今回、そんな天才医師「三神宗一郎」を読み解き解釈した浪川さんが撮影中に「推理する姿」を演じ、自身の頭を指でとん、と突いたその瞬間が表紙となった。それは映像化ありきではなく、描かれたキャラクターを演じるのでもなく、生身の人間が世に出る小説の登場人物を初めて表現し、作品世界へと誘（いざな）う「逆2.5次元」カバー誕生の瞬間でした。

初の試みに挑んだ、浪川大輔さんのインタビューと収録されたショットから1枚、特別にお届けします。

──今回、心がけたことをお教えください。

浪川　姿かたちを似せるという、視覚だけでなく「内面から『三神宗一郎』という人を表現してほしい」という依頼から生まれた挑戦はおもしろいことで、ありがたい経験でした。

これまでは、まず原作がありキャラクターの絵があって、それらがアニメ化されることで登場する役を演じる、という形で発信することが多かったんです。でも、今回はその逆で僕が最初に演じて皆さんに「三神宗一郎」という存在を届ける、という企画で、誰もまだ見たことのない姿で映るという試みです。これはきっと新しいジャンルの表現なので、言語化が難しいんですが「小説のカバーとして最初に姿を贈る」ことに、すごくわくわくしています。

──難しかったところはありますか？

浪川　「声」という僕にとっての武器を封印して、さらにスタジオにあるのは一脚の椅子だけ、という部分です。ただ、「どこに重きを置いたらいいのか？」という問いかけに対し、担当編集者さんからは「浪川大輔が出ています」ではなく「作品世界を示してほしい、伝えてほしい」と言ってもらえたので、そこはとてもやり甲斐がありました。

指先とか表情とか、自分自身の気配とか使えるものはすべて使いましたし、撮られながら、「三神宗一郎」はどういう人なんだろうと考えていました。推理しているときはどんな顔をしているんだろう、カルテを見るだけで気付くことがあるくらい洞察力があるなら、常に感覚を研ぎ澄ませているんだろうな、逆に一息ついたときにどんな顔で笑うんだろう、などいろいろなことを想像し、自分で自分を演出しました。

──最後に一言、お願いします。

浪川　僕がこういうことをやらせていただけるのは、なによりも応援してくれる方々がいてくださるからです。同時に全力で小説を紡ぐ作家がいて、本を作り読者の方を愉しませたい、と真摯に思う編集者の気持ちがあって、その想いを受け取り、僕も参加したいと思ったから、この一冊が誕生したわけで、そこに参加できていることがとても光栄です。

なのでまずは手にとって読んでほしいですし、僕の姿が作品世界に入り込むきっかけになれたらとても幸せです。謎解きブームでもありますし、ミステリーだからハードルが高いな、と思った方も、どんな事件が起きて、天才・三神医師がどんな推理で解決するのか、ぜひ読んでみてください。キメ台詞「謎は退院（エントラッセン）だ」です。

【浪川大輔プロフィール】

1976年4月2日　東京都出身。1985年に「劇団こまどり」に所属。12歳で映画『E.T.』の主演・エリオット少年吹き替えに抜擢。声優、俳優として幅広く活動。

最近の出演作は「ルパン三世」シリーズ（石川五ェ門）、「体操ザムライ」（荒垣城太郎）、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」（ギルベルト・ブーゲンビリア）など多数。

【カバー写真スタッフ】

モデル：浪川大輔

ディレクション：おーちようこ

撮影：江藤はんな ( SHERPA+ )

撮影アシスタント　日下部真紀・市谷明美（講談社写真部）

ヘアメイク：鈴木和花

カバーデザイン：Veia

スペシャルサンクス：藤石知子（ステイラック）、松下卓也（講談社）

※アニメイトにて「三神の名刺風カード」特典付き販売決定。詳しくはサイトまで。