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キーマン・茂木総監督に聞く「ナナシス」──(1)

2015年05月30日 12:00配信
キーマン・茂木総監督に聞く「ナナシス」──(1)

「Tokyo 7th シスターズ」は、Donutsが提供するiOS/Android用アプリゲーム。“アイドル”が消えた近未来で、次世代のトップアイドルを育成していくリズム&アドベンチャーゲームだ

(C)Donuts

「Tokyo 7th シスターズ」(通称「ナナシス」)は、Donutsが提供するアイドル育成リズム&アドベンチャーゲームアプリ。昨年の冬コミで限定販売されたCDが瞬く間に完売、徳島のイベント「マチ★アソビ」では回を重ねるごとに客席の人数と熱さが増すなど、ネクストブレイクの期待が高まるアイドルコンテンツだ。5月20日(水)に1stフルアルバム「H-A-J-I-M-A-L-B-U-M-!!」を発売、5月31日(日)にZepp Tokyoでの1stライブを直前に控えるタイミングで、プロジェクトの総監督であり、総合音楽プロデューサーでもある同作のキーマン・茂木総監督に話を聞いた。

──まずはクリエイターとしての茂木さんのルーツ的な部分、経歴や好きだった音楽や作品をうかがえればと思います。

茂木:ルーツ的な部分で言うと、僕は1990年代に思春期を迎えていたので、その年代の作品群がいちばん強いような気がします。自分ではそれらばかりではないと思っているんですけど、よくスタッフにそう言われます。映画やアニメとかの映像、音楽もそうですね。でも、中学生くらいまではそういう「ものをつくりたい」とかはまったく思っていなくて。「中学生になってアニメを見ているなんて子どもみたいで恥ずかしい」みたいに思ってる普通の少年でした(笑)。でも、結局はその絵空事である「作品」に気持ちが戻っていきましたね。どの分野でも表現の幅が広くなっていった時代だったと思いますし、景気の問題でもあると思いますが、アニメもゲームも「商業性」よりも「作品性」というか「作家性」を強くもったものが多かったような気がしていて、そういうものの魔力にとらわれてしまったのかもしれないです。

──先日発売された「H-A-J-I-M-A-L-B-U-M-!!」のドラマを聴くと、これは90年代アニメで育った人だなと思いました。

茂木:そうですね、同年代の人にはすぐわかると思います。やっぱり1990年代の作品は好きなんですよ。作品内容そのものもそうですが、制作している方々の姿勢も含めてですね。あくまで個人的な時代認識なんですけど、「新世紀エヴァンゲリオン」のヒットを境に1990年代後半の日本は「自分探しの時代」になったと思っていて、ともかくエンタメだけじゃなくて、なにもかもにメッセージ性を付随させていた時代のように思います。それにバブルの残り香で社会全体が暇だったのかもしれませんが、そういう作品からのメッセージを割と本気で社会が受け入れていたというか。現在だとみんな不景気の中で忙しくてそれどころじゃなくなっているとは思うんですが、やっぱり純粋に自分が「本当に美しいと思ったからつくった」みたいな、とことん正直なものに未だに強いあこがれがあるんですよね。そういう意味でもやっぱり1990年代の日本の作品は好きで、そんな中で僕にとって印象的に目に焼き付いている作品をつくっていたのは、アニメだったらもちろん庵野秀明さんであったり、映画だったら岩井俊二さん(映画監督。代表作に「スワロウテイル」「リリイ・シュシュのすべて」など)であったり、音楽だったら草野マサムネさんです。私小説的でありつつ、一貫した美学のある方たちというか、クリエイターの個性が全面に出てくる方たちでしたね。

──茂木さんがナナシスのイラスト・脚本・音楽など、作品のすべてのパートに可能な限り関わってこだわりぬくスタンスは、お話にある庵野さん的なものづくりに感じます。

茂木:いやいやいや、恐れ多いです……。なんだか具合が悪くなってきました(笑)。でも、それが可能な制作体制って本当にいろんな偶然が重なってできていったような気がします。つくってるうちに結果的にそうなったと言いますか。たとえば、今度のライブでは舞台監督さんは大ベテランの方にお願いしていますが、全体の総合監督は僕がやらせてもらっています。脚本・構成・演出やポイントポイントの振り付けの提案、衣装のデザインもそうだし。楽曲のライブ用ミキシングも1曲1曲要望を出させてもらっています。それが音楽でも舞台でもとりあえず一回自分でやってみないとわからない、みたいな子どもっぽい部分があって、最初の一回は自分でやってみたいって気持ちは強いかもしれません。で、実際にたくさんの方に支えていただきつつ、やらせてもらえているわけですから、もうそれは感謝しかないです。いつもそうなんですけど、僕はスタッフさんやキャストさんとの出会いにとても恵まれているんです。能力的には非常にレベルの高いプロフェッショナルでありつつ、それぞれの業界の常識に囚われない柔軟な方が多いというか。皆さん、「やりたいことはなんですか?」と僕に聞いてくれる。だから正直に答えたり、やってみせたりするという流れですね。本当にいつも皆さんに感謝していますし、と同時に僕はいつも「わがままですいません」と謝ってばかりいます。【記事:WebNewtype】

「Tokyo 7th シスターズ」公式サイト:http://t7s.jp/

インタビュー=中里キリ