新作&おすすめアニメのすべてがわかる!「月刊ニュータイプ」公式サイト

rssボタン

フジロッ久(仮)&藤原亮に聞く「宇宙パトロールルル子」【連載企画 第4弾(前編)】

2016年06月17日 16:00配信
フジロッ久(仮)&藤原亮に聞く「宇宙パトロールルル子」【連載企画 第4弾(前編)】

連載企画第4弾は、フジロッ久(仮)から藤原亮さんと高橋元希さん、TRIGGERから若林広海クリエイティブディレクターが登場

ついに放送もラストスパートの「宇宙パトロールルル子」。WebNewtypeではキャストやスタッフの方々に登場してもらい、さまざまな角度からその魅力に迫る連載企画を実施中。

メインキャストの3人、雨宮第2監督と半田総作画監督に続いて、今回はクリエイティブディレクターの若林広海さんと、オープニング主題歌を担当しているフジロッ久(仮)の藤原亮さん(Vo)と高橋元希さん(パッションモンスター)が登場。前編は若林さんのお仕事を中心に、フジロッ久(仮)がオープニングに選ばれた経緯を聞きました。

――まず若林さんにうかがいたいのですが、本作における“クリエイティブディレクター”を務めるようになった経緯はどういうものなのでしょうか?

若林:僕は今石監督の新企画が動き出す度に毎回「アイデアを出せ」と会議に呼ばれるんです。今石監督の作品に限らず、企画の立ち上げ時に呼ばれてアイデアだけを出す、ということはよくあって、「ルル子」もそのくらいのスタンスで、と思っていたんですけど、アイデア出しているうちにいろいろとやることになってしまった(笑)。あと、単純に「ルル子」をやれるスタッフが少なかったというのもあって。

藤原:「ルル子」は通常の何%くらいのスタッフで作っているんですか?

若林:社内だけで言うと80人いるスタッフのうち70人くらいは「キズナイーバー」を作ってて「ルル子」は10人です(笑)。10人と言っても監督、制作、アニメーター含めての人数です!

藤原:5周年記念作品なのに(笑)。

若林:5周年記念作品ですが、本編5分の作品なので(笑)。「キズナイーバー」は若手中心のチームで作っていたので、おじさんたちは仕事にあぶれてしまったって感じです (笑)。

藤原:はははは(笑)。クリエイティブディレクターという役職は必ずあるものなんですか?

若林:海外や他の媒体――ゲームなどには割とありますけど、日本のアニメではあまりないですね。ただ、僕の仕事って「にぎやかし」みたいなもんなので、毎回役職に困っちゃうんですよね。最初はクリエイティブディレクターではなく、ざっくり「いろいろ」という役職にしようと思ってたくらい。さすがに偉い人に止められましたが(笑)。

――具体的には、どんなお仕事をされているのでしょうか。

若林:企画立ち上げからのアイデア出し、各話のアイデア、脚本、オープニングのコンテと演出、キャラクターのメインカラーリングやカラースクリプトなんかも。あとはフジロッ久(仮)さんとオープニングの楽曲を一緒に作ったり。あ…ちなみに本職は宣伝です(笑)。

高橋:ほんとに「いろいろ」なんですね。

若林:高橋さんがボーカルやりながらCD作ったり物販やったりしているのと同じイメージです。

藤原:10人っていうと、ホントにちょっとしたバンドの規模ですね。

若林:人数的にはスカパラ(*1)くらいの(笑)。その分、今石監督をはじめ、スタッフはそれぞれ何職か掛け持ちしてます。

藤原:「監督」という言葉自体、いろいろやりながら仕切る一番偉いやつ、ということですもんね。

若林:そうですね。ガイナックス時代に作った「パンティー&ストッキングwithガーターベルト」もそうなんですが、特に今作「ルル子」はショート作品ということもあり、今石監督は各スタッフ得意な分野に任せて割と好きにやらせてくれた印象です。

高橋:それぐらい、お互いの関係が密だということなんですよね。

藤原:やっぱりバンドみたいですね。

――若林さんがフジロッ久(仮)さんにオープニング曲を依頼した経緯はどういうものだったのでしょうか。

若林:「ルル子」の制作が進む中でそろそろ音楽周りの話もしようとなって来た時、今石監督に「いいバンドがいるので、オープニングを僕に任せてもらえませんか?」と直談判したところからですね。実は以前から今石監督作品の音楽に頼まれてもいないのに口出ししていて(笑)、日本アニメーター見本市で作った「セックス&バイオレンスwithマッハスピード」(スタジオカラーと共作/本作第9話でコラボ) で音楽プロデュースを担当させてもらったんです。その時、海外のアーティストと楽曲を作らせていただいていたので、その流れで今回も一曲くださいと。今石監督からOKをもらってすぐにメールを出しました。フジロッ久(仮)の公式サイトにあるメールアドレスに直接、「どうも初めまして」といきなり送りつけた(笑)。

――フジロッ久(仮)に依頼したいと思った理由とは?

若林:4年くらい前にたまたま見たライブに衝撃を受けて、そこからずっとファンだったんです。で、ちょこちょこLIVEに通ってて、漠然といつか一緒に仕事したいな?って思ってたんです。フジロッ久(仮)は、ポップなメロに過激な歌詞を乗せてるけど、実際のテーマは凄くド直球だったり、ネタの盛り込み方が今石監督作品に近いなって勝手にシンパシー感じていたんです。

――なるほど。

若林:これまでの今石作品はガイナックス時代からの伝統で女性ボーカルの主題歌が多かったのと、「DEAD LEAVES」や「パンスト」「SVM」でエレクトロも多様していたので、そこからも一度離れたかった。あと、その時点で脚本作業がだいぶ進んでいて、かなりストーリーを圧縮したにぎやかな作品になりそうだった。ということもあって、この作品のパワーを楽曲として表現できるのは「あのバンド」フジロッ久(仮)しかいないッ!と。

藤原:僕らはそんなにアニメに詳しいわけでもなかったので、メールが来た時は僕らくらいのバンドにオファーが来るということは小さい会社かな?とか思ってましたね。後々になって「キルラキル」見たり、TRIGGERの世間的な評価を知るにつけ、最初からTRIGGERを知ってたらプレッシャーがすごかったんじゃないかなと。

高橋:全然違う曲になってたよね。<後編に続く>【取材・文=細川洋平】

*1「スカパラ」…東京スカパラダイスオーケストラ。日本を代表するスカバンドで、現在のメンバーは9人。

■フジロッ久(仮):(ふじろっきゅ・かっこかり)

2004年結成。ライブハウスを中心に活動し、リスナーだけでなく同業のバンドマンからも高い評価を受けているインディーロック/パンクバンド。メンバーは藤原亮(ボーカル)、高橋元希(パッションモンスター)、所晃宏(ドラム)。サポートメンバーにシマダボーイ(パーカッション)

■若林広海(わかばやし・ひろみ)

ガイナックスを経て現在は企画・宣伝としてTRIGGERに所属。主に関わった作品には「天元突破グレンラガン」(設定制作)、「キルラキル」(クリエイティブオフィサー/脚本)などがある

リンク:アニメ「宇宙パトロールルル子」公式サイト

    アニメ「宇宙パトロールルル子」公式twitterアカウント・@s_p_luluco

    4コマ漫画「潜入! TRIGGER24時」