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坂本真綾 33rdシングル「まだ遠くにいる / un_mute」インタビュー

坂本真綾さんの33枚目のシングルは「まだ遠くにいる / un_mute」。「まだ遠くにいる」はTVアニメ「火狩りの王」のエンディングテーマ。坂本さんが作詞を務めています。また、「un_mute」はTVアニメ「REVENGER」のエンディングテーマで、作詞を岩里祐穂さんが担当しています。カップリングには、坂本さんが作詞・作曲を務めた「こんな日が来るなんて」を収録。ドラマチックな楽曲、癒しのバラード、ハッピーなポップソングとさまざまな魅力が詰まったシングルになっています。坂本さんにこのシングルに込めた想いを語っていただきました。

坂本真綾 33rdシングル「まだ遠くにいる / un_mute」インタビュー
坂本真綾 33rdシングル「まだ遠くにいる / un_mute」インタビュー

――「まだ遠くにいる」はTVアニメ「火狩りの王」のエンディングテーマです。歌詞を書くにあたり、原作小説からどんな部分を大事にしようとお考えでしたか。
坂本 小説が本当におもしろくて夢中になって読みました。主人公たちはまだ年若いのに重荷を背負って、たくましく前に進んでいくんです。その姿を見守るように読み進めていきました。主人公と同年代の方であれば、主人公たちに共感して冒険しているような気分を味わいながら読むのでしょうが、私はこの命が傷つかないでほしいと祈るような気持ちで読んでいました。大変な時代に生まれながらも誰のせいにするでもなく、自分の進むべき道を見つけて進んでいく子供たちがいるってすばらしいなと。ファンタジーの物語ではあるのですが、人間は時代や場所を選べずに生まれてくるのだから、その命を燃やして輝かせていけばいい。そういう応援するような気持ちを私なりに歌詞にしたいなと思っていました。

――作曲は姉田ウ夢ヤさんと堀下さゆりさん。展開が激しい楽曲になっていますね。
坂本 私が今まで歌ってきた楽曲から、西村(純二)監督がいくつかイメージとなる曲を挙げてくださって。その雰囲気をベースにして、作曲していただきました。静かに始まり、テンポが変わって、ドラマチックに楽曲が展開していく、ある意味で演劇的な楽曲があがってきて。まるでゲームの攻略をするような気持ちでレコーディングしましたね。いろんな展開が詰まっている曲ですので、ぜひフルサイズで聴いていただきたいです。

坂本真綾 「まだ遠くにいる / un_mute」初回限定盤ジャケット
坂本真綾 「まだ遠くにいる / un_mute」初回限定盤ジャケット

――「un_mute」は岩里祐穂さんの作詞曲。岩里さんにはどのようにお願いされたのでしょうか。
坂本 最初に作品の内容を聞いたときは、どんなエンディングが合うのかぜんぜんわからなかったんですけど、制作サイドから明確なイメージがあって。「浄化されるような美しい曲にしてほしい」と。そこで岩里さんに歌詞をお願いしたんです。この作品の登場人物たちは、復讐心やネガティブな気持ちに囚われていて自分の時を止めているのですが、その凍りついた時を溶かして動き出すような歌詞を岩里さんが書いてくださいました。

――3曲目は「こんな日が来るなんて」。こちらは坂本さんのラジオに届いたメールから生まれた曲だそうですね。シングルマザーの方が恋と出会った、という。
坂本 そうなんです。最初に「まだ遠くにいる」や「un_ mute」のような壮大な楽曲とは違った、半径数メートルにあるもので楽曲をつくろうと思っていたんです。そうやって考えているうちに「こんな日が来るなんて思わなかった」という最初のフレーズが浮かんだんですね。そのときにラジオで素敵なメールをいただいたことを思い出して。大人な年齢になった人が予想外に新しい感情に出会って、人生に新たな彩りを得られたという気持ちを書いてみようと。私もだいぶ大人になったけれど、まだまだ予期せぬことがあるのかもしれないなと希望がもてるメールだったんです。だから、若い人が聴くとラブソングに聴こえるかもしれないけれど、ある程度、人生経験が豊富な方が聴くと、何歳になっても輝けるという曲に聴こえるんじゃないかと思います。

坂本真綾 「まだ遠くにいる / un_mute」通常盤ジャケット
坂本真綾 「まだ遠くにいる / un_mute」通常盤ジャケット

――昨年11月、デビュー25周年ライブ「坂本真綾 25周年記念LIVE『約束はいらない』から実に1年8か月ぶりのライブ「坂本真綾LIVE 2022 “un_mute”」を開催されました。改めて、ご感想はいかがでしたか。
坂本 私のライブのペースでは、そんなに時間が空いたという感覚はなかったんですね。でも、自分が出産をするという、今ままでに経験のないことが間にあったことで、自分では予測できない変化を感じながらライブの準備をしていきました。でも、声の仕事も復帰して、レコーディングもしながらだったので、気がつけばライブ本番の日が来ちゃったという感じもあって。不思議な気持ちでライブに臨んだことを覚えています。

――2023年はどんな年になりそうでしたか。
坂本 昨年は、今まで過ごしてきたどの1年とも違う1年でした。昨年の自分を思い出すと、とても遠くにいるような気がします。人生が大きく展開した1年だったんです。今年はお仕事でもいろいろ進んでいるところがあって、ファンの方の中には私のことを無理しないでと心配される方もいらっしゃるかもしれません。ですが、ちゃんとコントロールしながらやってますので、「大丈夫です」という姿を見せていける1年にしたいですね。

2月10日(金)発売のアニメ誌・月刊ニュータイプ3月号(KADOKAWA)では、さらに楽曲にまつわるお話を深堀した坂本さんのインタビューを掲載予定です。ぜひ合わせてお楽しみください。
 

プロフィール

●さかもと・まあや/3月31日生まれ。東京都出身。’96年にシングル「約束はいらない」でデビュー。歌手、声優、女優、作詞家、エッセイ執筆、ラジオパーソナリティなど、多方面で活躍を続け、’20年にはCDデビュー25周年を迎えた。6月には埼玉県のFC限定公演を皮切りに、愛知、大阪、東京の計4か所、全6公演でのライブツアーの開催が決定している。

【取材・文:志田英邦】

■坂本真綾「まだ遠くにいる / un_mute」
●発売中
価格:初回限定盤 3300円(税込)/通常盤 1540円(税込)

リンク:坂本真綾 公式サイト

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