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現在、好評放送中のTVアニメ「盾の勇者の成り上がり」。その放送を記念して、スタッフ&キャストによるリレー連載をお届けします。
第11回は、1クール目に続き2クール目のOPテーマを担当するダンス&ヴォーカルユニット・MADKIDの5人が2度目の登場です。ヴォーカル担当のYOU-TAさん、KAZUKIさん、SHINさん、そしてラッパーのLINさん、YUKIさんに「FAITH」に懸けた思いをうかがいました。
――1クール目のOPテーマ「RISE」のリリースから2ヶ月が経ちましたが、反響はいかがですか。
YOU-TA YouTubeの再生回数がすごいことになっていたり(4月中旬時点で700万再生)、僕らのリリイベ(リリースイベント)をファンの方が撮影した動画が拡散されたり、ネットを中心にMADKIDの名前が広がっているなと実感しています。
KAZUKI 特に海外の反響の大きさにびっくりしました。動画にいろんな言語でコメントをくださるのが嬉しいです。
LIN 「盾の勇者」ファンの方がMADKIDを受け入れてくださっているのが嬉しいです。自分がアニメ好きということもあって、アニメのOPテーマを歌えたことも光栄ですし、改めてアニメの力というものを感じています。
YUKI 僕たちの音楽やラップってアニメファンの方には受け入れられないんじゃないかと思っていたんですけど、音楽が評価されるようになって、それが大きな手応えになりました。
SHIN 「盾の勇者」ファンの方が僕らを知ってくださるのと同じくらい、ずっと僕らを応援してくれているファンの方が「一緒に見てます」「私も好きです」と「盾の勇者」をみんなで盛り上げてくれているのが嬉しいです。
――3月30日にはEJアニメシアター新宿でオールナイトイベントが開催されました。「盾の勇者」ファンの前で2曲披露しましたが、感想はいかがですか。
KAZUKI 会場にはMADKIDを初めましての方がほとんどだったので、いつもライブは緊張しないんですけど、珍しく緊張しました(笑)。でも、いざライブが始まるとペンライトを振って応援してくださる方もいて心強かったです。
YOU-TA 曲が終わったあたりで「MADKID、頑張れー!」って言ってくださる男性の方がいたんですよ。普段はあまりないことなので、嬉しくなりましたね。
LIN 受け入れてもらえるかどうか不安なところもあったんですけど、実際ステージに立ってみると皆さん一緒に楽しんでくださって。みんなで盛り上がれたのが嬉しかったです。
YUKI 声優の方(瀬戸麻沙美さん、日高里菜さん)に会えたのが嬉しかったです(笑)。「盾の勇者」への愛情が強まっているので、そのキャラクターを演じている方にお会いできてテンションが上がりました。
――映画館というライブ会場とはまた違った場所のパフォーマンスでしたが、大変だったことなどはありませんでしたか。
SHIN リリイベなどでいろんな会場でパフォーマンスしてきたので、違和感はまったくなかったです。最高のパフォーマンスができました。
――さて、新オープニング「FAITH」についてですが、こちらはどういった思いを込めて制作に臨まれたのでしょうか。
LIN 2クール目もOPテーマを任せていただけるということで、「RISE」を超えたい、勢いを殺したくないというのはみんな意識したと思います。その気持ちを底上げしてくれたのが、生の楽器ですね。「RISE」はギターのみが生のレコーディングだったんですけど、今回は全部の楽器が生のレコーディングで。オケがよりパワーアップしました。
YOU-TA オケはギター、ベース、ドラムのスリーピースで、MADKIDの音楽にギター以外の生の音が入るのは初めてだったんです。打ち込みの音とは違うリズムとグルーヴがあって、それを意識しながら歌うのは大きなチャレンジでした。
YUKI 今回は生の音ということで、特にラップはドラムによって左右される部分が大きいんだなと実感しました。だから、もしバンドでライブができたらMADKIDのまた新しい部分を見せられるんじゃないかなって思います。
KAZUKI 「RISE」の経験が生かされて、だいぶロック慣れしましたね。声質は変わっていないけど、歌声の幅が広がったというか。生音が入ると、歌い方にも影響が出るんだなって気付きました。
SHIN 今回、僕は落ちサビをYOU-TAから任せてもらって、そこは特に気合が入りました。しかも、レコーディングはYOU-TAがディレクションしてくれたんです。
YOU-TA 落ちサビの「傷重ねても~」はファルセットになるんですけど、最初は表の声と裏声の差に違和感があったんです。SHINが苦戦していたので、だったら「傷、かあさん、寝ても」って歌詞で歌ってくれと。
一同 (笑)
YOU-TA そしたら、めちゃくちゃうまく歌えるようになって。
SHIN 自分でもすごいなと思った。
KAZUKI 「傷、かあさん、寝ても」じゃ、歌詞の意味がまったく違うよね?(笑)
YUKI 気持ちの部分でのアドバイスをしたのかなと思ったら、まさかの「かあさん」! それでよく気持ちが入ったね?
SHIN あくまでも歌い回しに慣れるためのものだったから、気持ちはちゃんと乗せられました!
――制作する上で、アニメからインスパイアされたことはありますか?
LIN 「RISE」はあまり作品に寄り添いすぎないことを意識したんですけど、今回はかなり作品からヒントをもらいました。
YUKI 特に歌詞がね。
LIN 「RISE」が歌っているのはあくまでも“自分”なんですけど、「FAITH」では“君”というフレーズが出てくるんです。それは尚文に大切な仲間ができたというストーリーの影響が大きいですね。MADKIDとしても5人だけじゃなく、ギター、ドラム、ベースという仲間が増えたので、僕らの環境にもすごくリンクしています。
SHIN あと歌詞でいうと、実は今回初めて自分の歌詞が採用されたんです。2番の「道なき道~」という部分で、1行なんですけど嬉しかったですね。次は2行になるように頑張ります!
――2クール目のOP映像についてはいかがでしたか?
SHIN 最後に4人が手を挙げるところありますよね。1クール目に比べて音と映像をぴったり合わせているところって少ないんですけど、4人が光を掴もうとするところで音と映像がハマって、不意に感動しちゃいました。
YOU-TA 「FAITH」は曲調として“音ハメ”(動きと音楽をぴったり合わせること)しづらい曲なので、1クール目に比べて音ハメの部分は少ない印象だったんですけど、シンプルにめちゃくちゃカッコよくて。この映像に自分たちの音楽が使われているというのが光栄でした。
YUKI 1クール目はキャラ紹介とこれからの期待を煽るような印象が強かったんですけど、2クール目はもっとストーリーに寄り添ったドラマが感じられました。僕たちの歌詞を汲み取ってくださったのかなと感じられる部分もあって嬉しかったです。
LIN 「触れてくれた君の指」という歌詞があるんですけど、その直後に尚文とラフタリアの手が触れるんですよ! 映像を見てちょっと、声、出ちゃいましたね……。
KAZUKI LINが声出すって珍しいね(笑)。でも、あそこからのサビの流れは「おおっ!」って思った。もう、「カッコいい!」って言葉しか浮かばないです。
LIN 嬉しくて、何度も繰り返し見ちゃいました。作詞冥利に尽きます。
――では、4月24日にリリースされた1stアルバム「CIRCUS」のご紹介をお願いします。
YOU-TA サーカス団っていろんな役割を持った人、動物がひとつのステージに集まるものですが、MADKIDも個性の異なる5人がひとつのステージに立つという意味ですごく似ているなと思い、「CIRCUS」というアルバムタイトル、ツアータイトルにしました。ジャンル、曲調もバラエティに富んでいるので、それこそ「盾の勇者」でMADKIDを知ったという方にも絶対に刺さる曲があると思います。
KAZUKI 15曲入りというボリュームたっぷりな1枚で、いろんな曲が入っているという点でも「CIRCUS」というタイトルにふさわしいアルバムになりました。ボーナストラックの「RISE」と「FAITH」の English versionは、日本の方だとなかなか聴けないバージョンなので、違ったテイストを楽しんでいただきたいです。
LIN 僕たちの名刺代わりになるような1枚ですね。カラフルな曲がたくさん詰まっていますけど、結果的にすごく綺麗にまとまっていて。「はみ出しても大丈夫」という気持ちも込めているので、そういうことを考えながら聴いていただけると嬉しいです。
YUKI 日本だとラップに苦手意識を持っている方もいると思うんですけど、僕個人のチャレンジとしてその壁を壊したいという思いがあるので、アルバムにもその思いをしっかり込めています。わかりやすいところはわかりやすく、こだわりたいところはしっかりこだわって、Hip Hopが好きだという人にもラップが苦手だという人にも楽しめるような曲作りを意識しました。
SHIN 今回新曲が4曲入っていて、どの曲も曲調が違っているので表現の仕方をひとつひとつ変えて歌いました。短い期間のレコーディングで、ここまで表現を変えながら歌うというのは大きな挑戦でしたし、その分自分も成長できたと実感しています。ぜひ、その成長を感じていただけたら嬉しいです。
――では最後に、5月18日からスタートする「MADKID LIVETOUR2019 'Circus'」への意気込みを聞かせてください。
SHIN 「CIRCUS」を引っ提げて東名阪福をまわります。MADKIDの世界に皆さんを引き込めるよう全力を尽くすので、楽しみにしていてください。
YUKI 「これから先もMADKIDを見たい」と思わせられるようなパフォーマンスをする予定なので、前回のツアーに来た方も来られなかった方も改めて僕たちの可能性を味わってほしいなと思います。
LIN もともと僕たちのファンだった方でも、「盾の勇者」で僕たちに興味を持ってくださった方でも、なかなかライブに行く勇気がないという人はいると思うんです。でも、来ていただければ絶対に楽しませるという気持ちなので、気軽に遊びに来てください。
KAZUKI ちょうど今、ステージの演出やセットリストを考えているところです。面白い演出もできそうなので、期待してほしいですね。ファンの方はもちろんですが、アニメで僕たちを知った方も確実にファンにするつもりでパフォーマンスするので、楽しみにしていてください。
YOU-TA 「WebNewtype」の読者さんに向けてですが、2時間ぐらいのライブ中、演者は僕たちだけということで、パフォーマンスはもちろん僕たちの素の部分も見られますし、こういう音楽をやっていて、こういう流れで「RISE」や「FAITH」が来るんだという楽しみ方もできると思います。初めての方にこそ来てほしいライブなので、一緒に盛り上がれることを楽しみにしています!
【取材・文:岩倉大輔】