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変わりつづけるMay'nこそが、変わらないMay'n──May'nニューアルバム「Prismverse」インタビュー


数々のアニメ作品を歌声で彩るMay’nさんのニューアルバム「Prismverse」が、本日2月14日に発売!
「Prismverse」とは、"prism"(プリズム/光を反射する透明な多面体)と"universe"(宇宙)を組み合わせた造語。キラキラとさまざまな表情を見せる音楽たちが、宇宙へと広がっていくようなこのタイトルには、もっともっと欲ばりに音楽を楽しみたいという、May'nさんの"今"の想いが込められています。
変化に満ちた約3年間の楽曲が詰まった今作について、May'nさんにお話をうかがいました。


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──約3年ぶりのフルアルバム。May’nさんがDigital Doubleにレーベル移籍されたのも約3年前ということで、この3年の間に、さまざまな変化があったのではないでしょうか?
May’n そうですね。もちろん変化はありましたが、私は常に変わりつづけていたいんです。変わりつづけていたい自分こそが、変わらないMay’nだってすごく思うので。だから、収録されている楽曲それぞれで、”そのときの今”できるいちばんの音楽のチャレンジをしていますし、それを素直に届けられる一枚になったんじゃないかなと思います。

──変化でいうと、May’nさんが作詞で参加される楽曲もこの3年で一気に増えましたね。
May’n これまでは、自分が「この気持ちを音楽で伝えたい」と、心が震えた瞬間に曲を書いていたんです。でも、今は音楽が心を震わせてくれるというか、自分が何を伝えたいのか、何が届けられるかということを、じっくり考えられているし、音楽が引き出してもくれているなって。そこが以前と違うところかなと思います。

──タイアップ曲の作詞は、また違った感覚なのでしょうか?
May’n 初めてタイアップでがっつり作詞したのが、「オレンジ」(TVアニメ「プラオレ〜PRIDE OF ORANGE〜」ED主題歌)だったのですが、初めはすごく難しかったです。キャラクターと自分の心情をどうリンクさせるのか探るのにすごく苦労しました。今ではタイアップ作品でもそこまで書くのに時間はかからないんですが、それでも「LIES GOES ON」(TVアニメ「ライアー・ライアー」OP主題歌)は難しかったですね。「嘘」をテーマに、自分に何が書けるだろう?って。でも、時に自分を奮い立たせるための嘘はあるなと気づいて。
初めて海外でライブをすることになったときに、私は英語が全然話せなかったんです。だけど何週間もかけて英文を丸暗記して、「英語話せます!」って顔でMCをして……。そういうことを続けていったおかげで、今ではだいぶ英語が話せるようになりました。こうした経験を、作品に出会えたからこそ、音楽を通して確固たる言葉に変えることができました。自分の伝えたいことがどんどんはっきりしてきたなというのは、ここ数年ですごく感じます。

──新曲「To the Prismverse」では、英語のみならずさまざまな国の言葉が入っています。
May’n 世界中に歌を届けるわっていう曲なので、Dメロでさまざまな国の言葉で「Let’s go!」と歌っています。自分が今まで行った国の言語をまとめているのですが、最後の「...」は、今後ももっといろんな国に行きたいという思いを込めて付けました。自分でもお気に入りの部分です。

──アルバムリード曲の「カラフルスコープ」は、ライブが楽しみになる楽曲ですね。
May’n 加藤裕介さん(共作曲・編曲)は、出会いこそ最近ですが、「マクロスF」放送当時からファンだったと言ってくださっていて。BPMやサウンドも、May'nライブに合うものを熱く提案してくださったんです。私もこの曲はライブで歌っている自分をすぐに想像できますね。

──新曲「ハッピーエンド、」は、草野華余子さん作曲のバラード。個人的に、初期のMay'n楽曲の雰囲気を思い出しました。
May’n 華余子さんとは「蒼の鼓動」で初めてご一緒したのですが、私が本名名義で活動していたころから知ってくださっていて。そこからシェリルを経て、今でもミニアルバム「メイン☆ストリート」(2009年)をヘビロテしてくれているそうなんです! May'nのキャリアの最初のほうを知ってくださっている方なので、もしかしたら香りがあるのかもしれませんね(笑)。この曲は、テクニックではなく、近くにいるような、言葉を受け取ってもらえるような歌い方というのを大事にして歌っています。最初からたくさんの方を意識して歌うというよりは、たったひとりでも「自分の曲だ」と思ってくれる人がいるんだったら、そのほうがいい。そんな強い想いで、歌詞を書きました。

──また、ボーナストラックには2017年発表のアルバム特典楽曲から「AMICITIA -2024 ver.-」が。
May’n ライブで皆さんの歌声に私のフェイクを重ねるのが定番になっていた曲で、コロナ禍にも、皆さんが声を出せないぶん、ひとりでも大事に歌いつづけてきました。今回レコーディングをしなおし、2017年にはなかったフェイクも入れて、念願のリアレンジという形で収録させていただきました。



──Blu-rayには、May’n Special Concert 2023「May’n Xmas」のライブ映像が収録されています。
May’n 2023年12月24日に開催されたライブを2024年2月14日発売のアルバムに収録するって、ふつうでは考えられないことなんです。でも、"今”が最強!という思いがあるからこそ、どうしても最新のライブを残したくて。「LIES GOES ON」もクリスマスバージョンになっているので、聴き比べていただいても楽しいんじゃないかなと思います。

──そして、現在開催中のアジアツアー「Prismverse」で、また最強を更新していくんですね。
May’n はい。皆さんとつくる「Prismverse」がとても楽しみです! どんどん変化しながら、進化しながら、駆け抜けていけるように頑張ります!

──May'nさんのように、変化を恐れずチャレンジしていくマインドの秘訣って、何でしょう?
May’n 常に変わりつづけていたいとは思っているんですけど、同時に、常に"今"の自分を満足させてあげられるマインドづくりは心がけていますね。正解とか不正解で考えず、全部を100%自分らしく、欲しいものはすべてゲットする気持ちで、欲ばりに生きていきましょう!(笑)

──最後に、最近の鯛使活動についても教えてください。
May’n 年始に歌舞伎座に行きました。歌舞伎座の中にたい焼き屋さん(「めでたい焼」)があるんですが、その日がちょうどお休みで食べられなくて……。早くリベンジしに行きたいです! 最近は、またたい焼きブームが来ている気がします。たい焼きは昔ながらの良さがある食べ物ですが、TikTok世代の方にかわいいと思ってもらえるたい焼きがもっと出てくると、さらに変化していくのかな。常に最前線にいる存在は、変わらない自分と変化していく自分、両方もちながら進化している存在だと思うので、"今"のたい焼きも、鯛使として探しつづけていきたいです!

【取材・文:三原二子】

■May'n「Prismverse」
NOW ON SALE
発売元:Digital Double
価格:CD+Blu-ray 6600円(税込)
   CD Only 3300円(税込)

May'n New ALBUM「Prismverse」クロスフェード
https://www.youtube.com/watch?v=zN7RNMC2WtA

各配信プラットフォームにて配信中!
https://nex-tone.link/A00134150

【CD収録曲】
1. To the Prismverse(新曲)
2. LIES GOES ON(TVアニメ「ライアー・ライアー」OP主題歌)
3. GLORY(アニメーション映画「マスターオブスキル-For the GLORY-」日本語吹替版主題歌)
4. あはっててっぺんっ(TVアニメ「てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!」ED主題歌)
5. シキザクラ(テレビアニメ「シキザクラ」ED主題歌)
6. オレンジ(TVアニメ「プラオレ〜PRIDE OF ORANGE〜」ED主題歌)
7. Follow Your Fantasy(Cygamesコーポレートアニメーションムービー)
8. 蒼の鼓動(テレビ愛知「10チャンベースボール」テーマソング)
9. 破鏡重縁(幻想RPGアプリゲーム「オリエント・アルカディア」戦国編テーマソング)
10. ハッピーエンド、(新曲)
11. カラフルスコープ(新曲)
-Bonus Track-
AMICITIA -2024 ver.-(新録)

【Blu-ray収録内容】
1. オレンジ Music Video
2. あはっててっぺんっ Music Video
3. LIES GOES ON Music Video
4. May’n Special Concert 2023「May’n Xmas」 Live Movie(2023/12/24 ヒューリックホール東京)

リンク:May’nオフィシャルサイト
    May’nレーベルサイト
    May’n X(Twitter)・@mayn_tw
    May’n STAFF X(Twitter)・@MaynStaff

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