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声優アーティスト・内田彩、アニバーサリーアルバムリリース記念インタビュー(前編) ファンと歩んだ“にぎやかな”日々と、感謝を込めた「Re:birthday」誕生秘話

声優として、アーティストとして、常にシーンの第一線を走り続けてきた内田彩さんが、アーティストデビュー10周年という大きな節目を迎えました。その記念すべきタイミングでリリースされるアニバーサリーアルバムが「Re:birthday」。ポップでカラフルな魅力はそのままに、ロックでクールな一面、そして10年間の経験で培った表現の深みが加わった本作は、まさに彼女の“現在”を凝縮した一枚となっています。
今回「Re:birthday」の制作について、内田さん本人へのインタビューを前後編にわけてお届けします。前編では、10周年を迎えた率直な心境から、アルバムの全体像、そして原点回帰とも言えるリード曲「Minty Smile」の誕生秘話に迫ります。



「10年って体感このくらいなんだ」駆け抜けた先に見えた景色

――アーティストデビュー10周年、おめでとうございます。この10年という月日を振り返って、今、率直にどのようなお気持ちですか?
内田 ありがとうございます。本当に「そんなに経つんだ!」という驚きがいちばんですね。だからと言って「あっという間だったな」とも思わないので、毎日楽しく夢中でやっていて、ふと気づけば10年が経っていたっていう感覚が近いと思います。

――最近も立て続けにリリースがあって、どんどん活動が加速している印象です。やはり10周年に向けて、意識的に走ってきた感覚はありましたか?
内田 そうですね。10年間もの間活動を続けてこられたのは、ファンの方々は当然なんですけど、やっぱり支えてくれたスタッフの皆さんのおかげでもあるんですよ。今回も「記念すべき10周年だからみんなでにぎやかに盛り上がろう!」っていろいろと企画してくださいましたし、以前に担当してくださっていたスタッフの方たちも「ぜひお祝いしたい」とまた参加してくださったりもしたので、チームみんなで10周年をつくり上げてきた感じがすごく強いです。

――その集大成とも言えるのが、2月に行なわれた「AYA UCHIDA Complete TOUR ~marble~ にぎやかな10周年」でした。持ち歌全78曲を2公演に分けてすべて披露するというのは、前代未聞の挑戦だったと思います。
内田 あはは(笑)。私はいつも「声優という仕事をしながら音楽活動をするうえで、みんなに喜んでもらえることって何だろう?」ということを考えてるんですね。10周年というテーマもあって、スタッフさんといっしょに「次は何をやったらおもしろいかな?」ってアイデアを出していくうちに、「もう全曲歌っちゃおう!」という案が挙がって(笑)。それをライブチームの皆さんも「やりましょう!」とおもしろがってくれたので、形にすべく動き出していきました。

――そのエネルギーの源泉はどこにあるのでしょうか?
内田 もともとすごく元気なタイプなんです。でもいちばん大きいのは、それをいっしょに楽しんでくれるファンの皆さんがいるからこそ、より頑張れるっていう気持ちですね。デビューして間もないころ、1000人規模の握手会をやった時も、スタッフさんに「普通は疲れるのに、内田さんはファンのみんなと過ごせば過ごすほど元気になっていくから、やめるタイミングがわからない」って驚かれたことがあって。10年経ってもそこは変わらないですね。2月のツアーが終わった後も、「あーあ、終わっちゃった! 今すぐにもう1回やりたい!」って言って、みんなに驚かれたくらいですから(笑)。

原点回帰のリード曲「Minty Smile」に込めた10年分の「ありがとう」


内田彩「Re:birthday」初回限定盤


――そんな10年間の記念となるアルバム「Re:birthday」ですが、初期を彷彿とさせるポップな楽曲もあれば、近年のロックでクールな一面もあって、まさに内田さんの10年間が詰まっている感じがします。
内田 ありがとうございます。新曲6曲については、これまで長年お世話になってきた作家の皆さんにお願いしてつくっていただきました。新しい挑戦をした個性的な既存曲たちと、10年間を支えてくれたおなじみの作家さんたちがつくる曲とが混ざり合って、ちょうどいい感じにまとまったなと感じています。

――タイトルの「Re:birthday」には、どのような想いが込められていますか?
内田 10周年で「新たに生まれ変わる」という意味ももちろんありますし、10年を思い返す(Remember)とか、ファンの皆さんへの返信(Reply)とか、いろいろな意味を込めています。1stアルバム「アップルミント」の雰囲気を、10年経って、もう一度歌い直してみたらどんな空気感になるかな、とか。10年応援してくださっている皆さんが聴いて、「ああ、なるほどね」ってニヤッとしてくれるような、新しくもあり懐かしいラインナップになっていると思います。

――その「新しくもあり懐かしい」というテーマを最も象徴しているのが、リード曲の「Minty Smile」ですね。
内田 この曲は、私のデビューアルバム「アップルミント」から数々の表題曲を書いてくださった持田裕輔さんと、私の初代ディレクターでもある作詞家のhabanaさんという、これぞ私のソロの原点!という2人につくっていただいた楽曲です。持田さんの曲は、聴くだけで元気になるし、ライブで歌ってもファンのみんなが盛り上がれる要素が詰まっていて、いつも大好きなんです。

――歌詞も、10年間の歩みを知っているhabanaさんだからこそ書ける内容だと感じました。
内田 本当にそうですね。デビューの時からずっと私の活動を支えてきてくださった方なので、その10年間を全部落とし込んで作詞してくださいました。habanaさんから見た10年間の私ってどういうものだったんだろう、と感じながら歌いましたね。きっと応援してきてくださったファンの皆さんにとっても、同じ目線で響く部分があるんじゃないかなと思っています。「ありがとう、サンキュー!」といった、自分で歌うとちょっと照れくさいような歌詞もあったりするんですけど(笑)。でも、いちばん近くで見てきてくださった方が書いてくださったことばなので、ストレートに感謝の気持ちを込めて歌いました。

――歌唱面では、10年前との違いを意識されましたか?
内田 すごく意識しました。特にこの「Minty Smile」は、ただイエーイっていう元気な感じというよりは、少しせつなさや懐かしさ、さわやかさがある曲だと思っていて。「アップルミント」の時の元気さから、ちょっと大人になったよ、みたいな。10年の経過みたいなものを声で表現できたらいいなと思ってレコーディングしました。

――MVも、その「10年間の歩み」がテーマになっているように感じました。
内田 画面の向こうのみんなに歌うというよりは、本当にすぐ隣にいて、いっしょに歩いてきた10年間をそばで感じてもらえるようなMVになっていると思います。グリーンバックでの撮影で、ルームランナーみたいな装置の上をひたすら歩くシーンがあったんですけど、隣でいっしょに歩いているような、没入感のある映像になったかなと思います。10年いっしょに歩んできてくれてありがとうという気持ちが伝わっていたらうれしいです。

【取材・文:岡本大介】

■内田彩10周年記念アルバム「Re:birthday」
発売日:2025年7月23日(水)
発売元:日本コロムビア
価格:初回限定盤[CD+Blu-ray]4400円(税込)/通常盤[CD]3300円(税込)

☆AYA UCHIDA Re:1st SOLO LIVE ~アップルミント Baby, Are you ready to go?~
2015年5月23日に五反田ゆうぽうとホールで開催した 1st SOLO LIVE のリバイバル公演!
日時:2025年9月15日(月) 14:15 開場/15:00 開演
会場:神奈川・関内ホール 大ホール

☆AYA UCHIDA 10th ANNIVERSARY FINAL LIVE ~Re:birthday~
10 周年記念アルバム「Re:birthday」を冠にした、アーティストデビュー 10 周年を締めくくるライブ!
日時:2025年9月15日(月) 17:45 開場/18:30 開演
会場:神奈川・関内ホール 大ホール

リンク:内田彩公式Webサイト
    内田彩公式X(Twitter)・@aya_uchida

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