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「SSSS.GRIDMAN」の響裕太役や「アイドリッシュセブン」の亥清悠役など、数々の話題作に出演し、透明感のある声質と等身大の演技で支持を集める声優の広瀬裕也さん。そんな彼が、2026年7月8日に1st アルバム「Focus」をリリースし、待望のアーティストデビューを果たしました。
これまでキャラクターとして数多の楽曲を歌い上げてきた彼が、「広瀬裕也」個人として表現したかった音楽とはいったいどんなものなのか? リード曲「Velvet Parade」での本格的なダンス挑戦から、斉藤壮馬さんからの提供楽曲、そして自身が初めて作詞を手がけた楽曲に至るまで、バラエティに富んだ全10曲の制作秘話と、アーティストとしての野望をたっぷりと語っていただきました!
「Focus」初回限定盤Aジャケット
――アーティストデビュー、おめでとうございます! 今の率直なお気持ちはいかがですか?
広瀬 めちゃくちゃうれしいです! アーティストとして自分自身でいつか歌ってみたいという夢があったので、このタイミングで叶ったことは本当に幸せですね。
――いつごろから「歌ってみたい」と思いはじめたのでしょうか?
広瀬 もしかしたら、声優を志したころからかもしれません。もともと小さいころから歌うことが好きで、高校でも部活みたいな感じでバンドを組んでいたんです。養成所に入った時に「声優って演じるだけじゃなくて、歌ったりもできるんだ」と思って、それからなんとなく意識するようになりました。その後、「アイドリッシュセブン」などの作品でステージに立って、みなさんに歌ったり踊ったりしているところを見ていただく機会を通じて、それがすごく楽しかったので、さらにその思いが大きくなっていった気がします。
――そんな思いは、周囲にも発信されていたのですか?
広瀬 意識してアピールした記憶はないですが、今思い返すと、スタッフさんたちとの食事会などで「いつか歌ってみたいんですよね」みたいなことは言っていた気もします。
――その念願が叶い、30歳という節目でのデビューとなりましたね。
広瀬 驚きました。僕が初めて主役をやらせていただいたのが22歳のときなんですが、それから今まで、業界にはどんどん若い方が入ってきて、僕より後輩が先に歌手デビューしたり、仲のいい先輩がデビューしたという話もたくさん聞いていて。「うらやましいな」と思う反面、「もう30歳だし、僕には無理なのかな」と勝手にネガティブになっていた時期もあったんです。そんななかで今回のお声がけをいただけたので、本当にうれしかったですね。
――これまで歌ってこられたキャラクターソングと、「広瀬裕也」として歌うことには、やはり違いを感じますか?
広瀬 まったく違いました。キャラクターを通して歌う時は、あくまでコンテンツや作品が第一。「このキャラクターならこう歌うよね」という着地点をめざしてつくり上げるので、自分が歌っていても自分ではないというか。でもアーティスト活動となると、逆に僕に委ねられる部分が大きくて、「広瀬さんはどう歌いたいですか?」と聞かれるんです。今までは「どうやって歌ったらいいですか?」と聞く立場だったので、そこは全然違いますね。ただキャラソンでいろいろな楽曲を歌ってきて、キャラクターによってはすごく高い声を保って歌ったりとか、そういった技術的な面で学んだことはすごく生きていると思います。
「Focus」初回限定盤Bジャケット
――アルバムをつくるにあたり、めざす方向性や音楽性なども考えたかと思いますが、「自分ってこういう音楽が好きだったんだ」など、改めて発見したことはありましたか?
広瀬 そうですね。高校時代にバンドをやっていたので、「アーティストとして活動するならバンドサウンドでいくのかな?」って漠然と考えていたんです。でもいざ自分の音楽体験をふり返ってみたら、幼いころから慣れ親しんできた音楽はバンドサウンドではなかったんですよね。僕の親は嵐が好きだし、妹はHey! Say! JUMPが好きだったりしたので、小さいころから身近にアイドルソングが流れていて。僕自身も、幼少期から彼らのライブDVDを見て「歌って踊るってかっこいいな」と憧れていたことを思い出したんです。「ギターをかき鳴らして歌う感じじゃなかったんだな」って、自分を再発見しました(笑)。
――そのルーツが色濃く反映されたのが、リード曲の「Velvet Parade」ですね。
広瀬 はい。「こういう曲を歌いたいんです!」と伝えたら、120点の楽曲が返ってきました(笑)。ダンサーさんがたくさんいて、スポットライトに照らされているような「主役感」や「ショー」に憧れていたので、まさにショーの幕が上がるような楽曲です。歌詞にも「夢に見たスポットライト」や「パレード」といったワードが組み込まれていて、自分のやりたいことが全部詰まっています。
――MVでは本格的なダンスに初挑戦されていますね。
広瀬 ダンス経験はなかったんですけど、せっかくならチャレンジしてみたいと、アップダウンの基礎から学ばせていただきました。うまく踊れたかどうかは置いておいて、踊ることはすごく楽しかったので、これからも継続して挑戦していきたいと思っています。
01. Velvet Parade
[作詞・作曲・編曲:前田 佑、久保田真悟(Jazzin’park)、栗原 暁(Jazzin’park)]
02. PARADOX
[作詞:草川 瞬/作曲:草川 瞬、Atsushi Shimada/編曲:Atsushi Shimada]
03. Cuz I love you
[作詞・作曲:YUUKI SANO/編曲:花村智志]
04. Flower & Wind
[作詞:イワツボコーダイ/作曲:イワツボコーダイ、細見遼太郎/編曲:RUSH EYE]
05. Primal Dance
[作詞・作曲・編曲:佐伯youthK]
06. あしあと
[作詞:広瀬裕也/作曲・編曲:兼松 衆]
07. why (not)?
[作詞・作曲:Soma Saito/編曲:Saku]
08. Pathfinder
[作詞:結城アイラ/作曲・編曲:睦月周平]
09. 五つ目の季節
[作詞:Rose Blueming/作曲:Zinee、Yoshi/編曲:Yoshi]
10. Appreciate!! ※BONUS TRACK(通常盤にのみ収録)
[作詞:広瀬裕也/作曲・編曲:釣 俊輔]
――今回のアルバムは本当にバラエティ豊かです。ここからは、広瀬さんご自身でそれぞれの楽曲について解説をお願いできますでしょうか? 「Velvet Parade」のお話はすでにうかがったので、2曲目の「PARADOX」からお願いします。
広瀬 この曲は草川瞬さんに作っていただきました。「何度でも立ち上がって立ち向かおう」という、背中を押してくれるような前向きな楽曲です。リズム感がおしゃれで、つらいことがあっても立ち向かっていこうという力強さを感じる曲です。
――3曲目の「Cuz I love you」は、とてもさわやかな王道アイドルソングです。
広瀬 僕が小さいころから聴いていたアイドルソングの華やかさがありつつ、ちょっと大人な恋愛ソングになっています。一生懸命頑張って歌うというよりは、大人の余裕を感じさせるような爽やかな曲で、「Velvet Parade」とはまた全く違った雰囲気になりましたね。
――4曲目の「Flower & Wind」は、ラテン調のテクニカルな楽曲です。
広瀬 これも僕にとっては初めての挑戦となる曲調でした。テンポがすごく速くて、地声と裏声を何度も行き来するので、技術的にも成長したいと思って挑んだ一曲です。実は、今回のアルバム制作で最初にレコーディングしたのがこの曲だったんですよ。「よし、始まるぞ!」という気合いが入りましたし、これを乗り越えれば今後も頑張れるという自信になりました。
――5曲目「Primal Dance」は、佐伯youthKさんが手がけたガッツリとしたラップチューンです。
広瀬 「佐伯さん節」が本当にかっこよすぎて、最初にデモを聞いたとき「何だこの曲は!?」って(笑)。一方で、ディレクションは今まででいちばん細かくて難しかったですね。「この英語の『to』を発音するかしないか」みたいなレベルで、ただ韻を踏むだけじゃなく、どう見せるかというハイレベルな要求があって。声優の新人時代に戻ったような気持ちで、なんとか食らいつこうと粘りました。でも佐伯さんがすごくていねいに付き合ってくださって、大好きな曲になりました。
――6曲目は、ご自身が初めて作詞を担当された「あしあと」ですね。
広瀬 人生で初めての作詞です。声優を長くやってきて、「もう自分は無理かも」と思ったタイミングでアーティストデビューのお声がけをいただきました。ファンの方やスタッフの方、友達、皆さんのおかげで今の自分があり、そして今から新たな一歩が始まる。そんな想いをストレートに綴りました。ちょっとダサいところがあるかもしれないですが、飾らずに等身大の気持ちを込めたので、レコーディングでも自然と気持ちが乗りました。これまでの足跡と、これからの1歩目の足跡になってほしいという願いを込めています。
――そして7曲目「why (not)?」は、斉藤壮馬さんが作詞・作曲を担当されています。アルバムのなかのスパイスと言うか「闇」を感じる失恋ソングですね。
広瀬 斉藤さんは公私ともにお世話になっている先輩で、今回ダメ元でお願いしたら快く引き受けてくださいました。壮馬さんの書く繊細なワードや曲調で、ほかの9曲にはない部分を担っていただきたかったんです。楽器数が少なく歌の余白で勝負する曲なので、「じゃあこの曲を裕也はどう歌う?」という、壮馬さんからの挑戦状のように感じました。1番は裏声で、最後は気持ちを全面に押し出して地声で出すなど、ボーカルでうまく物語を作れたかなと思います。
――完成した音源を聴いた斉藤さんの反応はいかがでしたか?
広瀬 編曲のSakuさんが、僕のボーカルだけのデータを壮馬さんに送っていたらしくて。壮馬さんは最初「よかったけど……楽器はないの?」と戸惑っていたそうです(笑)。後日、完成版を渡したら「すごくよかった」と言ってくださってホッとしました。
――8曲目「Pathfinder」は結城アイラさん作詞の、疾走感ある楽曲です。
広瀬 アイラさんには別の作品でもお世話になっていて、レコーディングでも直接ディレクションしていただきました。冒険が始まるワクワク感があり、「遠回りすればするほど経験になり、力になっていく」というポジティブなメッセージがアーティスト活動の始まりに重なって、気持ちよく歌えました。落ちサビの地声と裏声の切り替えなど、一音一音こだわって挑戦した曲です。
――9曲目「五つ目の季節」は、ライブ映えしそうなハッピーチューンですね。
広瀬 タイトルからしてすごくおしゃれですよね。コーレスやクラップをしたくなるような、自然と乗っちゃう曲調です。曲のなかで表情がコロコロ変わって、しっとり歌うところから盛り上がるところまであって。ライブの最後にみんなで一緒に歌えたらいいな、という景色が思い浮かぶ楽曲です。
――そして最後は、通常盤のみに収録される「Appreciate!!」。こちらもご自身の作詞曲ですね。
広瀬 一度聴いたら耳から離れない、笑顔になっちゃうようなポジティブな曲です。「小さな喜びや宝物は、実はすぐ近くにあるよね」という前向きなメッセージを込めました。
――歌詞に「朝のラッシュにのみこまれてく」とありますが、広瀬さんにもそういう経験があるんですか?
広瀬 ありました! 僕は実家が千葉県なので、養成所や大学に通っていた時期は毎朝満員電車に乗って東京まで出ていたんです。ラッシュに飲み込まれていた当時の経験が、まさか今になって歌詞づくりに生かされるとは思いませんでしたけど、何でも経験しておくものですね(笑)。
「Focus」通常盤ジャケット
――全10曲、本当にパレードのように多彩な魅力が詰まったアルバムになりましたね。
広瀬 はい。僕自身が「いろんなことをやりたい」という性格なので、統一しなくてもいいんじゃないかということで、バラエティ豊かな楽曲を詰め込みました。誰かしらに必ず刺さる曲が入っていると思います。「Focus」というタイトルのとおり、これからは個人としての「広瀬裕也」に注目していただけたらうれしいです。
――9月からはライブツアーも控えています。今後の目標を教えてください。
広瀬 ひとりで何曲も歌うのはカラオケ以外では初なので(笑)、どんな景色が待っているのか今からワクワクしています。ダンスにも挑戦したいですし、ライブならではの生パフォーマンスをお届けしたいです。自分でハードルを上げがちなので怖い部分もありますけど(笑)、「いろいろやるんだね」とおもしろがってもらえたらうれしいです。
――今後はどんなアーティストになっていきたいですか?
広瀬 今回、ダンスに挑戦したり、歌ったことのない曲調に挑んだりしたことが本当に楽しかったんです。来年にはギターを弾きはじめているかもしれないし、メタルを歌っているかもしれません(笑)。何が起きるかわからない未知の部分を楽しんで、挑戦しつづけていきたいです。「アーティスト」という枠にとらわれず、ひとつのエンタメとして自分自身のよさを存分に出せる「エンターテイナー」をめざして頑張りますので、これからも応援お願いします!
●ひろせ・ゆうや/4月9日生まれ、千葉県出身。TVアニメ「SSSS.GRIDMAN」(響裕太)、TVアニメ「霧尾ファンクラブ」(満田充)、TVアニメ「ロメリア戦記」(アンリ・レウス・ライオネル)、TVアニメ「魔法の姉妹ルルットリリィ」(オリンズ)、アプリ「アイドリッシュセブン」(亥清悠)など、数々の話題作に出演。透明感のある声質で支持を集める。
【取材・文:岡本大介】
■広瀬裕也「Focus」
発売中
発売・販売元:バンダイナムコミュージックライブ
価格:初回限定盤A[CD+オリジナルグッズ]6600円(税込)/初回限定盤B[CD+BD]6600円(税込)/通常盤[CD]3850円(税込)
CD購入サイトリンク https://lnk.to/LACA-25280
配信サイトリンク https://lnk.to/LACA-25280d
リンク:広瀬裕也オフィシャルサイト
広瀬裕也 Music Official X・@YuyaHiroseMusic