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好評放送中のTVアニメ「究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら」(以下「フルダイブ」)。土日月さんによる小説を原作とした本作は、リアルを極めたおかげでとんでもないクソゲーになってしまったフルダイブRPG「極・クエスト」(以下「キワクエ」)の世界で、男子高校生の結城宏ことヒロが悪戦苦闘し続けるコメディ作品です。WebNewtypeではそんなアニメに出演するキャストにリレーインタビューを実施。第2回はヒロに「極・クエスト」を買わせた張本人であり、ゲーム内ではサポート役のレオナとして彼を導く(?)如月玲於奈役の竹達彩奈さんに話を伺いました。
――本作のヒロインは変わったキャラクターばかりですね。
竹達 みんな個性的で、普通のキャラクターがいませんよね。
――その中では玲於奈はまだ普通寄りの人間に見えます。
竹達 私は玲於奈が一番ヤバいと思っています。みんなヤバいんですけど、玲於奈は底が知れないんです。アリシアは狂ってしまった理由があるし、ミザリサは性癖だし。でも玲於奈だけあれだけ狂っている理由がわからない(笑)。
――玲於奈というキャラクターについて、竹達さんは「空気が読めないんじゃなくて読まないんだと思います(笑)」とコメントされていました。これはどういったところから感じられた印象でしょうか?
竹達 人って、空気を読めない発言しちゃったときに「ちょっとやっちゃったかな」とか思ったりするじゃないですか。そうした失敗と反省を繰り返して成長すると思うんですけど、玲於奈さんはそうした反省をしない、というか反省という概念を持ってなさそうなんですよね。「そんなこと言っちゃうの?」とか「ヒロ君が傷ついちゃうよ」ということを平気で言いますけど、彼女に悪気はないんです。
――では彼に「キワクエ」を買わせたことも……。
竹達 もちろん善意でしょう(笑)。
――玲於奈は「キワクエ」内ではヒロとしかコミュニケーションできないので、必然的に山下大輝さんとの掛け合いが多くなります。コロナ渦が収録にも影響はあったと思いますが、山下さんとの収録はいかがでしたか?
竹達 基本的には、山下君と私はいつも一緒に収録できました。もし個別に録っていたら、テンポ感や空気がわかりづらかったと思うので難しかったと思います。
――山下さんのツッコミはどう感じましたか?
竹達 毎回「喉が大丈夫かな」と思ってしまうくらい叫びながらツッコんでくれました。おかげで、私はやりたい放題ボケることができてありがたかったです。
――竹達さんはこの作品の魅力はどういった点にあると感じられましたか?
竹達 テンポ感ですね。キャラクターの会話はもちろん、ストーリーのテンポもそうです。ヒロ君は最初のテッドの町から出たいのに出られない、でもいろんなことに巻き込まれるおかげで謎のスピード感があって。そのしっちゃかめっちゃかなところが魅力だと感じます。
――最初の町なのにイベントが続き過ぎですよね。
竹達 そうなんですよ。だって「ドラクエ」ならこれから勇者が出発するぞ、くらいのイベントをこなしたら町から出るわけじゃないですか。そこからダンジョン行ったりキャラクターの生き死にがあったりするはずなのに「フルダイブ」は……そこに何とも言えない面白さがあるなと(笑)。
――ヒロがいつ町から出られるか楽しみにしています。これまで放送された3話までで印象的だったシーンは?
竹達 漏らしたヒロに対するレオナの発言は、まったくヒロインらしくない発言でびっくりしたのは覚えてます(笑)。
――ミザリサに拷問されそうになって失禁するヒロに対する「オシッコ漏らしてるわよ、高校生なのに!」というセリフですね。
竹達 ゲームの中とは言え、漏らしちゃう高校生の主人公も衝撃でしたけど(笑)。それに対して追い打ちをかけるところが、やっぱりレオナですよね。あとレオナ以外のシーンだとアリシアの豹変は印象に残っています。エンディングテーマもヒロイン4人で歌わせてもらいましたが、メインヒロインはアリシアじゃないかというくらいに目立ってますし。かわいさと狂気さを併せ持った不安定さが彼女の魅力ですよね。
――ファイルーズあいさんの演技も光りますね。
竹達 あのインパクトはファイルーズちゃんならではだと感じます。彼女には「フルダイブ」の収録で初めて会ったんですけど、すごく明るく元気で社交的なんです。「特殊メイクしてハロウィンのコスプレしたんですよ」とか「アラビア語で彩奈はこう書くんです」とか、いろんな話をしてくれるんですよ。アフレコ2回目くらいで「竹達さんLINE教えてください」とナンパされたし(笑)。そんな彼女のパワフルな生きざまが、アリシアの狂気というかエネルギーに変換されているんじゃないでしょうか。
――先ほど話に出たエンディングテーマ「キスイダ!」について話に聞かせてください。こちらのレコーディングはいかがでしたか?
竹達 歌うパートはとても多かったですけど、レコーディング自体はあっという間に終わりました。私は最後にレコーディングしたので、ほかの3人の歌を聴きながらできてやりやすかったです。歌自体はとにかくかわいいですよね……ひとりを除いて。
――アリシアですね(笑)。お気に入りのポイントは?
竹達 「だんだんこんがらがっしゃんしゃん」という歌詞です。この作品は、絶対に普通に話が進まないじゃないですか。それを的確に表している言葉だなと思いました。
――ありがとうございます。それでは少し本編から離れた話を伺います。竹達さんはゲームにどれくらい親しみがありますか?
竹達 子供の時からゲームは当たり前のようにプレイしてきました。歳の離れた兄が買ってくるのでファミコンからスーファミ、64にドリキャスに……ほかにも、家にはたくさんのゲーム機があって「ゲームが友達」と言っても過言ではないくらい遊びましたし、最近もプレイしています。
――特に印象的なゲームは?
竹達 小学校1年生でプレイして「女の子を愛でるとはこういう感覚なのか」と教わった「ときめきメモリアル」とかでしょうか。早咲きでした(笑)。あと「あやかし忍伝 くの一番」という百合ゲームも。菊池志穂さんが声をやっている主人公のくノ一が、女の子3人を守りながら学園生活を送るというゲームなんですけど、キャラクターがみんなかわいいんですよ。でもストーリーが進むと「あれ?」ってなるシーンがあって。例えば温泉で主人公とヒロインが抱き合うとか。それを子供の頃は「なんかすごいなー」と純粋に思ってたんですけど、中高生くらいで久々にやって「あれ? これってもしかしてそういう類のゲームでは?」と気付いたときはびっくりしました(笑)。
――竹達さんが根っからのゲーマーだとわかりました。では次に最近「クソゲー!」と感じたことを教えてください。
竹達 ヒロ君の経験に近いかもしれませんけど、真面目にがんばって生きていてもどうにもならないことってあるんだな、と大人になって経験した気がします。子供の頃は「まっすぐがんばって努力していれば夢は叶うんだ」と思っていたんですけどね……。
――それでもたまにはいいことはありますよね。「フルダイブ」のヒロにはないですけど。
竹達 (笑)。でもヒロ君も、1クールの最後には何かを掴めると思うので、ぜひ視聴者のみなさんにはその過程を見守ってほしいです。クソゲーだけじゃない何かがあるはずなので!
――では最後に「キワクエ」における「親友殺し(ベストフレンド・キラー)」のような称号に関するリレー質問です。まず山下さんからいただいた称号についてコメントをください。「最近糖質を抜いてると聞きましたが、糖質を抜かない仲間が欲しいなと思っています。ずっと四六時中お肉を食べててください。よろしくお願いします」「糖質を絶対に抜くんじゃない!」という称号というか、なぜか切実なお願いですが……。
竹達 毎日肉宣言⁉ ごめん、毎日は食べてないけど週3〜4は食べてるよ! お米最高だよね! コントロールはするけど…(笑)みんなで美味しいお肉食べいこー!
――続いて、次回登場するアリシア役のファイルーズあいさんに称号を与えてください。
竹達 なんだろう。パワフル、社交的……「元気な小悪魔」でしょうか?
――小悪魔要素も感じますか。
竹達 もちろん悪い子じゃないんですよ。でも人懐っこく「竹達さん、見てください! ネイルをすごくかわいくしてもらったんですよ」みたいなことを言ってくるんですけど、それを私だけじゃなくみんなにやるんです。すごくかわいいけど、自分の中の男の子な心を「あ、俺だけじゃないんだ……」と少し寂しくさせるんですよ。超小悪魔じゃないですか?(笑)
【取材・文:はるのおと】