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前篇に引き続き、4月6日(木)から放送が始まったテレビアニメ「恋愛暴君」でグリ役を務める青山吉能さんのインタビューをお届けします。
前篇では青山さんのこれまでを、後篇では役者としての青山さんの想いや「恋愛暴君」の現場について聞いていきます。
■死ぬほど嬉しかった原作者の言葉
──声優ユニットのリーダーとして、一人の声優として歩みだした青山さんですが、活動初期は熊本在住の高校生ということで制約もあったと思います。
青山:ありましたね~。3月のソロイベントで私の20年間を振り返ったんですが、私、普段ヘラヘラしていることもあるので、その心の奥で思っていることを全部話すことにしたんです。その中で、やっぱり最初の頃物は距離の課題で思うように活動できなかった悔しさはとても大きくて。オーディションに出られないとか、終電等の問題でイベントの最後まで参加できないとか、首都圏在住のメンバーだけでやったステージがあるとか、そういうことの積み重ねなんですけど。それで熊本で一人で煮詰まっていて。
──そういう時に、WUGの仲間がいろいろなアニメで活躍している姿を見ると複雑ですよね。
青山:悔しかったです。私もともと、誰にも負けたくない!という人なので。そういう時はいろいろうまくいかないもので。あんなになりたかった声優になれたのに、挑戦もできなくて苦しかったです。
──上京して大学に入っても、二足のわらじというのは簡単ではないと思います。
青山:大学にきちんと通うことを約束して上京を許してもらったので、いかねばらならぬ、単位をとらねばならぬ。でも仕事を、演技をやりたいんですよ。やっと東京に来れたんだから!
──それから約二年、大学生活も少し落ち着いてきたと思います。学業と両立しながらの声優としての活動の中で、「Wake Up, Girls!」以外で印象に残っていることはありますか?
青山:「恋愛暴君」のオーディションのちょっと前に、とある別の作品のオーディションがあったんです。その作品にどうしても出たくて、エイベックスのマネージャーさんに何時間も演技指導をしてもらって、原作がよれよれになるまで読みこんで。そのシーンの季節や、気持ちや、台詞の距離感まで全部考えて役を作りこんだのは初めての経験だったんです。結果は駄目だったんですけど、その時自分の中で、演技について何か変わった手応えがあったのがすごく印象に残っています。
──我慢の時間を経て、演技で何かつかめた気がしてから受けたのが「恋愛暴君」のオーディションだったわけですね。
青山:はい。次に受けた一番最初のオーディションが「恋愛暴君」でした。オーディションに向けて原作を読ませていただいて、グリを見た時に、この子は私かもしれないって思ったんです。それでこの役をいただけたので、今まで結果は駄目だったけど真剣にやってきたことが、何か実を結んでいたのなら、嬉しいですね。
──その役に決まって、しかもキャストリストの一番上にクレジットされました。
青山:嬉しかったです。とにかく声じゃないのかな、と思うこともあったので、なおさらです。ニュースとかになる時、「○○○○らWake Up, Girls!」って書き方があるじゃないですか。そこに青山吉能の名前があるのはすごく嬉しいし、責任重大だなと改めて思いました。
──共演者も他のヒロインは沼倉愛美さんや原由実さんなど、とても豪華ですね。
青山:過去のご出演作品は見てましたし、「ハナヤマタ」で美海たちがぬー(沼倉)さんと、「あんハピ♪」でまゆしぃ(吉岡茉祐さん)が原さんと共演していたりで、メンバーから話を聞く方々だったんです。まゆしぃは小青司役の小野賢章さんとも舞台で共演してるんですよ。だから私的には何故か知ってる人みたいな感覚だったんですけど(笑)。
──そして迎えた第1話のアフレコ。Aパートはずっと話しっぱなしですね。
青山:そうなんですよ! 第1話のアバンが私の台詞から始まるんです。どのページにも台詞があるなんて経験が初めてだったので、皆さんとお話する余裕もあまりなく、台本をぐわーっと読みこんでました。だからテストで、グリはそれでいきましょう、って言ってもらえて安心しました。アフレコを見ていた原作者の三星めがね先生が、「(青山さんの演技が)グリでした」と言ってくださったのが、本当に本当に死ぬほど嬉しくて。そこで泣くと重いなと思ったので、家に帰って泣きました。今まで悔しかったのも頑張ったのも無駄じゃなかったかなと、私的には最終話の心境でした(笑)。
──グリの演技はどんなイメージですか?
青山:グリはとにかく破天荒で常にぶっ飛んでるんです。私は落ち着いた役が多かったので、自分にもこういう引き出しが出せたのかと驚いてます。今の自分の素のトーンとまったく違う、かわいい高い声で演じているので、最初は誰が演じてるかわからない人も多いんじゃないかと思います。WUGとしての私を知っている人は違いも楽しんでください。
──アフレコスタジオで、主演として先輩たちの中に入るのはどうでしたか?
青山:緊張しました。台本読みたい人もいるだろうし、和気藹々としたい人もいるだろうし、自分から話しかけていいのかもわからないんです。だから仲間にどんな方ですかって聞いてまわったり。アフレコ前にちょっと取材待ちの時間があったので、その時にぬーさんに「せ、台詞多いですよね」みたいに話しかけてみたり。ぬーさんがチョコを配ってらして気遣いがすごいな、私はなんにもやってないや…と反省しました。あと原さんが、以前ちょっと共演した時に私が目を怪我していたことを覚えていて心配してくれて、天使でした。1話にはまゆしぃもいたので、原さんとまゆしぃの会話に混ざったり。コミュニケーション能力皆無なのに本当に頑張りました(笑)。キャストが皆さんすごく豪華なので、演技面で頑張りながら、皆さんとお話もしていきたいです。
──最後に、これからの「恋愛暴君」1クールで自分に課す目標を教えてください。
青山:演技面では、もっとギャグパートの演技を極めたいです。まだ自分の殻を破れてない感じがあるので。限界突破したいです。コミュニケーション面では、キャスト皆さんに「よっぴー」のあだ名で呼んでもらえるように頑張りたいと思います。ハイテンポでポンポン進んでいく作品なので、見てくださる皆さんもついてきて、楽しんでもらえると嬉しいです!【取材・撮影=中里キリ】