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9人のアイドル候補生に与えられたプロデビューへ向けてのラストチャンス、それはたった一度のライブで200万を超えるエールを獲得することだった。運命のステージへと向かう少女たち。しかし、その当日に鈴音が倒れてしまった! 仲間たちがライブを行なうなか、眠り続ける鈴音とそれを見守る玲那。2人は、そして“9-tie”の未来はどうなる!? いよいよ最終回直前の今回は美山鈴音役・矢野妃菜喜さんと花野井玲那役・水野朔さんの“Suzu☆Rena”対談をお届けします!
――「SELECTION PROJECT」もついに最終回が近づいてきました。
水野 アフレコが始まった頃は「週一の収録で13話は長いな」と思っていたんですけど、実際に12話まで来るともう本当に一瞬だったなって思います。
矢野 私は最初、もうちょっと平和なお話なのかなと思っていたので、台本を開くたびにびっくりしていた印象がありますね。こんなにお話がジェットコースターみたいに二転三転するとは思っていなかったので。
――水野さんは何かびっくりしたことはありましたか?
水野 最初のころの玲那ちゃんがツンツンすぎたことですかね(笑)。「こんなこと言っちゃっていいのかな?」くらいの言葉がいろいろあって、でも音響監督の高寺(たけし)さんには「あまり怒らないように」と言われていたので、怒らないようにしながらもきつい言葉をかけるというのは難しかったですね。
――そのきつい言葉を聞く側の矢野さんとしてはどんな思いでしたか?
矢野 私も最初はわりと真に受けて演技していたんですけど、鈴音はいい意味で鈍感なので、あまり重く受け止めないようにしようと思っていました。
――そこは矢野さんと鈴音で違う部分でもありますか?
矢野 私だったら、あんなこと言われたら傷つきます(笑)。
水野 私も言わないですけどね(笑)。きつい言葉はゲームしているときくらいしか言わなくて、人に対して言うことはあまりないですね。
――11話までを振り返って、印象的なシーンやエピソードを教えてください。
水野 私はやっぱり、鈴音の心臓がお姉ちゃん(天沢灯)のものだったというところがいちばん衝撃的でした。
――玲那としてはどうしても複雑な思いになりますよね。
水野 (心臓移植をした相手が)こんな近くにいるというのもびっくりですし、「こんな偶然あるんだ?」というのもありますし。お姉ちゃんを亡くしたときのショックも玲那ちゃんはずっと引きずっているので、台本を読んでいても本当にジェットコースターに乗っているような気分になっちゃって。
矢野 玲那は特にそうだよね。この作品全部を通しても。
水野 でも、鈴音もショックな気はしますけど。
矢野 鈴音は半々だろうなと思います。うれしい気持ちもありつつ、ショックな気持ちと、どちらもあるだろうなと思いますね。
――現実的にありえない話ではないですが、なかなか実際に体験することはないシチュエーションで、演じるうえではどのように気持ちを作っていきましたか?
矢野 私が台本をいただいたときのびっくりした気持ちって、たぶん鈴音も同じだと思うので、そこはそんなに作らずに、素直に演じていったところはありますね。
水野 玲那ちゃんに関しては、受け入れるまでは鈴音に対して怒りの感情が多かったのかなという気持ちで、このときばかりはちゃんと鈴音に対して思いを隠さずに、怒りをぶつけるくらいの気持ちで演じました。
――鈴音と玲那、お互いのキャラクターに対してはどんな印象がありますか?
矢野 玲那ちゃんは見た目クールですけど、12話まで見てくださった方はかわいい印象のほうが強いんじゃないでしょうか? でも私は、朔ちゃんもそういうところがあるかなって思うんです。朔ちゃんも見た目はクールそうに見えるけど、そんなことないというか。
水野 え? クールじゃないですか!?
矢野 かわいらしいところもありますし、ふとした瞬間に天然でボケたり、何かしている気がして(笑)。そこはちょっと似ているというか、かわいいなと思いますね。
水野 鈴音はすごくポジティブで、私は全然ポジティブなタイプじゃないので、鈴音みたいな友達がいたら絶対楽しいなって思いました。妃菜喜さんは……ポジティブですか?
矢野 うーん……、そうでもないかな。
水野 そうなんですね(笑)。落ち込んでいるイメージとかあまりなかったので、鈴音ほどではなくてもポジティブ寄りなのかなと思っていました。鈴音は友達にいたら、絶対大好きになっちゃうなって思います。いい子というか、裏表がないじゃないですか。
――だから鈴音と玲那も仲よくなれたのかもしれないですね。
矢野 お互いを補っているみたいなところがあるんでしょうね。
――ご自身のキャラクターが成長したなと思う部分はありますか?
矢野 鈴音は意外と12話を通してあまり変わってなかったりするので、13話で成長してほしいなと思います。現時点では倒れちゃったままなので、そうやって無理をしてしまうところが直ってくれたらいいなと思っています。
――つい頑張りすぎてしまうところを直してほしい?
矢野 そこが鈴音のいいところでもあるんですけどね。
水野 玲那ちゃんは鈴音に対しての当たりが全然違ってきましたね(笑)。もちろんお姉ちゃんのことを乗り越えたというのもあるんですけど、仲間をちゃんと自分のなかで受け入れることができるようになったというのが玲那ちゃんの成長かなと思います。最初は心の扉を閉じていたのが、優しいみんなのおかげでだんだんと開いてきて、そうしたらまたお姉ちゃんの心臓の件とかあって閉じちゃって。ずっとその繰り返しだったんですけど、12話まで見ると完全に開ききっているなって。鈴音に対しても、みんなに対しても、信頼を寄せている。仲間に対しての心が成長したかなと思います。
――自分自身としては成長を感じる部分はありましたか?
矢野 成長というか、12話まで通してやっと鈴音を演じることに慣れてきたかなと思います。でも、次で終わりなんですけどね……。
水野 私もやっと玲那ちゃんに慣れてきたというか、そもそもアフレコ自体にやっと慣れてきた感があって。10話くらいでようやくアフレコに慣れてきたなという気持ちでした。
――ここまでの作中で流れた楽曲やライブシーンでお気に入りのものはありますか?
矢野 やっぱり「Only one yell」は鈴音にとっても印象的な曲だなと思いますね。
水野 私は「Only one yell」の仮歌をいただいたときに「めっちゃ好きだな」と思って、気合いを入れてレコーディングに行ったんですよ。でも、歌ったときにあまり声が出なかったのか「この曲調、苦手?」と聞かれて(笑)。
――逆に気合いを入れすぎていたということも……。
水野 それで固まっていたのかもしれないですね。ライブシーンはどのユニットも全部違っていて、すごいですよね。
矢野 本当に個性が爆発していて。
水野 映像で見るのが楽しみすぎて、早く見たくて仕方なかったです。
矢野 CGもめちゃめちゃ滑らかだし、みんなかわいいし、かっこいいし。あと、GAPsCAPsのライブシーンで詩ちゃんの顔にびっくりしました。「あんな顔するんだ!」と思って。ライブでしか見られないみんなの素顔を見られるというのもめちゃめちゃいいですね。
水野 Splasoda°の映像を見たときも、これはもう客席側で見たい!となりました。
矢野 めちゃ盛り上がる曲だからね!
――1月30日に開催される「SELECTION PROJECT 1st Live ~Cheer for you!~」では各ユニット楽曲が披露されることを期待しています。もちろん、Suzu☆Renaも。
水野 頑張ります(笑)。ダンスが難しいので……。
矢野 Suzu☆Renaは特に優雅な感じもあるので、きれいな感じを出すのが難しいですね。細かいところまで意識しないといけないので、意外と大変です。
――矢野さんと水野さんのお二人でキャラクターを離れてユニットを組むとしたら、どんなユニットになりそうですか?
水野 そこはやっぱりSuzu☆Renaと一緒で、ボーカル中心になりそうですね。
矢野 Suzu☆Renaより、もうちょっと振りが少ない感じですかね(笑)。
――ユニット名はHina☆Sakuで?
水野 かわいいじゃないですか! お菓子とかでありそうですよね。
矢野 たしかにおいしそう(笑)。
水野 でも、ユニットを組むんだったらバンドでやりたいですね。
矢野 担当楽器は何と何だろう?
水野 あ、私たちはボーカルで。
矢野 弾かないんだね(笑)。
――自分たちがバンドをやるのではなく、生バンドでライブをやりたいということですね。そして、先ほどのお話にもありましたが12話で鈴音が倒れてしまい、玲那が病室で見守るという展開になりました。
水野 きっと1話の玲那ちゃんだったら、鈴音をほっといてひとりでステージ立っていると思うんですよ。なのに、配信の現場にも行かずにずっと鈴音に付き添っていて、みんなが頑張ってくれているのをスマホの画面で鈴音に見せたり、話しかけたりというのが、見ていて「大人になったなあ……」という気持ちになってしまって。
矢野 私はアフレコが一緒だったので、そういう玲那の言葉を隣で聴いていてうれしかったですし、最後にみんなが「鈴音ー!」って、いっぱい声をかけてくれるじゃないですか。あれを聞いて、私的には「早く起きてー!」「呼んでるよー!」みたいな(笑)。
――なのに、12話は鈴音が起きないままで終わるという。
水野 私たちもまだ13話の内容を知らないから、鈴音が起きたかどうかもわからないんですよね。もしかしたら、起きないかもしれない……。
――そんな最終回ありますか!?
矢野 そうですよ、終われないですよ!
水野 このまま起きずに終わったら、第2期ですか?
――「鈴音が倒れてから月日は流れて……」とか。
矢野 でも、心臓のせいというわけじゃなくて過労で倒れていたので、そこに関してはホッとしたような気持ちもありました。
――では、最終回の放送に向けて、ファンの方へのメッセージをお願いします。
矢野 12話でちょっと練習していた曲が、きっと13話で出てくるはずなので。これもまた激エモ曲なので、楽しみにしていただけたらうれしいです。
水野 衣装もかわいいのがあるので、お楽しみにしていただけたらなと思います。
【取材・文:仲上佳克】