2017年12月9日(土)、声優・岡本麻弥さんの自主企画「雷神八系 -ZANAM- ファム・ファタール 運命の女」(以下、「ファム・ファタール」)のコンセプトCD第2弾リリース記念イベントが開催。イベント終了後、出演した岡本さん(カノン J.草薙役)、佐々木望さん(α N.デヴォ役)、イラストを手がけた麻宮騎亜さんの3人にお話をうかがいました。
――イベントの感想をお願いします。
岡本:突然開催することになったイベントだった為、バタバタしてしまいましたが、それも「ファム・ファタール」らしいなと(笑)。出演してくださった皆様、そしてお客様みんなに力をいただいき、とても楽しくあたたかなイベントになったと思います。ありがとうございました!!
麻宮:個人的には生のお芝居を聴けたのが非常に良かったです。声優を目指している子や新人声優さん達にも聴いて欲しかったぐらいで。今後に繋がるイベントだったと思います。
佐々木:プロジェクトに参加させていただき、イベントにも出させていただきました。温かい皆さんに応援していただいているなと感じましたので、楽しみにしてくださっている想いをしっかり受け止めて、次に繋げていけたらいいなと思います。
――イベントではZANAMの色の話も出ていました。ZANAMのデザインはどのようにして生み出されたのでしょうか?
麻宮:麻弥ちゃんの設定が精密ですごいんですよ。僕は80年代も90年代も経験しているので、それらのエッセンスを上手く繋げて描きました。頭の中では他にもいろいろな設定を構築しているので、いつかお見せする機会があればいいなと思っています。
岡本:麻宮先生はアイディアの宝庫なので、そこはお任せしています。機体の色とか、どうしても違うと思ったところだけは違うと言いますけど(笑)。
――佐々木さんと岡本さんは同年代でデビューも近いですが、これまであまり共演する機会がなかったそうですね。交流自体も少なかったのですか?
佐々木:そうですね。作品はこれまで何作か共演させていただきましたが、プライベートでの交流というのは特には。
岡本:私たちが声優を始めた頃は携帯電話もなくて、次回の収録までは会うこともなかったですからね。特に私は実家暮らしの10代の女の子でしたから、どちらにせよ連絡はしにくいですよね(笑)。
佐々木:岡本さんと今回の共演でほぼ初めてしっかり掛け合いのセリフをやり取りして、同年代でほぼ同時期デビューの者として安心感というか嬉しさを感じました。こういう演技をするかたなんだとじっくり聴くことが出来て新鮮でした。
岡本:そうなんですよ。演じている時はカノンとしてαのセリフを聴いていたけど、プロデューサーとして改めて聴いた時に「こんな言い方をしていたのか」とドキッとしちゃって。そういうことも味わえて、いろんな意味で面白かったです。
――もし「ファム・ファタール」がアニメ化されるとしたら、イベントのコーナーで出たαのセリフは採用されるんですよね?
岡本:これはあくまで“番外編”ですから(笑)。でも、予告編のようなものとして、αがαと「ウィ、カノン」と言っているのも作れたら楽しいでしょうね。夢が膨らみました(笑)。
――αの役作りをする上で心がけた点などがあれば教えて下さい。
佐々木:αは、これまでのところは人格的な深い情報といった役作りの手がかりがあまりなかったので、実はまだ自分の中で全体像が構築出来ていないんですが……。ドラマ収録の時は、大体の性格設定と書かれているセリフから、自分なりのイメージを立てて臨みました。今後の展開次第でまた微調整をしながら、じっくり役を作っていければと思っています。
――具体的にはどのようなイメージだったのでしょうか?
佐々木:「このようなキャラクターにしたい」と思って作るというよりは、「このような性格ではないかもしれないな」のように、いろいろな細部を消去法で弾いていきました。いわゆる美形でちょっと気取って喋るような、一般にパッと思い浮かぶような類型的なキャラクター“でない”ようにしたかったんです。「こういうキャラクターがこういうセリフを言うならば、十中八九こんな感じの喋り方が予想できるよね。ほら、その通りの喋り方だったね」みたいなパターンを外したくて。パターンでなく、といっても奇をてらうのでもなくて、キャラクターとの整合性が取れているセリフの喋り方にしたいと思っていました。
岡本:だからこそ、望くんにお願いして良かったと思っています。役者としてやっていただく上で、最初からこちらの要求通りに決めて欲しくなかったんです。もちろん、私の中で「望くんのこういうものが欲しい」というイメージはありましたけど、それ以上に望くんが持ってきてくれたものを見てみたいなと。
佐々木:「どんな人?」と聞かれた時に「彼は謎の男だけど、実はこうでこうで……こういう性格なんだ」と全部言えてしまうと、薄っぺらいキャラクターになってしまうと思うんです。自分は、謎は謎のままでもいいと思ってるんです。ストーリーの中で行動の理由などは明かされていきますけど、人物としては謎のままでもいいかなと。謎の部分を知りたいからこそ、聴いてくださるかたも一層セリフの含みや展開に興味をもってくださるんではないかと思っています。「ずっと謎の男かもしれない。でも彼の行動には全部目的と理由がある」ということを、演技の上で説得力を持って出していきたいです。
岡本:実は歌の間奏中のセリフの出来上がりを聴いて、実際にどうなるかはわからないけど、「αは死ぬな」と思ったんですよ(笑)。
佐々木:まさかの死亡フラグが(笑)。
岡本:こんな風に「雷神八系-ZANAM-」という作品は、外から持ちこまれた“ナニカ”を柔軟に吸収して自由に形も変えることが出来る無限の可能性を秘めた作品なんです。それを皆様と一緒に楽しんでいけたら最高だと思います!!
――今後の展開も楽しみにしています。ありがとうございました!
取材・文=千葉研一
■「雷神八系 -ZANAM- ファム・ファタール 運命の女」コンセプトCD Z
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「雷神八系 -ZANAM- ファム・ファタール 運命の女」公式サイト