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TVアニメ「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」OP主題歌「Against.」をリリースする石原夏織。2021年2月20日(土)に開催される『石原夏織 2nd LIVE 「MAKE SMILE」』への想いとともに、語っていただきました。
――9月27日(日)に開催された『AUTUMN EVENT「ONE DROP」』では、2ndアルバム「Water Drop」の曲を披露することができましたね。
石原 もう一生歌うことができないんじゃないかと思いましたから、披露できて本当によかったです。「フィービー・フィービー」は、みんなと動きを合わせてひとつになろうというテーマでつくった曲だったので、コロナ禍で声を出せない状況でも、みんなでひとつになれていることを感じられてうれしかったし、何より楽しかったです!
――声を出せないと、拍手やペンライトなどでのアクションになりますからね。
石原 観客の皆さんの拍手の力がとても大きかったです! トークのときに特にそれを感じて、みんなが笑いなどの反応をすべて拍手でしてくれていたので、拍手の温かみを感じました。
――笑いをこらえて拍手をするのは大変そうですね。
石原 結構みんな口を抑えていて、かわいいけどかわいそう……ってちょっと思いました。
――そして、11月4日に5thシングル「Against.」がリリースされます。TVアニメ「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」のOP主題歌ですが、どんな作品ですか?
石原 主人公のイスカとヒロインのアリスは違う国にいるんですけど、その両国はずっと争っているんです。でも、2人は惹かれ合っているという切ないストーリーなのですが、2人のやりとりがおもしろいので、コミカルなところもある作品です。
――石原さんは、イスカを兄のように慕っている音々を演じています。
石原 音々は等身も高いし、大人っぽい見た目なんですけど、部隊では一番年下で、明るくてポジティブ思考なんです。音々の発言や行動でみんなが前に進めたりするので、ムードメーカーな女の子でもあります。
――そこは、自分と共通するところだったりしますか?
石原 私も基本ポジティブなんですけど、音々に出会ってからは、悩んだりするときも、音々だったらこんなことに悩まずに前に進むんだろうなと考えるようになったので、私も音々みたいになりたいなと思ったりします。素敵な役に出会えて、とてもうれしいです。
――「Against.」は、どのようにつくっていったのですか?
石原 テーマや曲調はみんなで話し合って決めたんですけど、イスカとアリスの切ない関係性は乗せつつ、戦いがあるアニメのOPだから、カッコよさは残そうという話になって。カッコよさと切なさが両立する曲にしようというところから始まりました。
――そのうえすごくキャッチーで、歌いたくなる曲でした。
石原 そうなんです! 作品の曲でもありつつ、自分のシングルでもあったので、キャッチーさや覚えやすさ、思わず口ずさみたくなる感じの曲にはしたいなと思って。今回はコンペだったんですけど、自分的に、もう一度聴きたくなる曲を選ばせていただきました。
――アニメの世界観にすごく寄り添った歌詞でしたが、このような歌詞を表現するとき、どんなことを考えて歌うのでしょうか?
石原 歌詞に書いてあることを完全に経験したことがあるかと言ったら、それは違うので、イスカとアリスの2人を想像しながら歌うように意識しました。それと、この歌詞を見て、自分が感じたままの気持ちを乗せることが正解だと思ったので、2人を想像しながらも、シーンを思い出すというより、歌詞を見て動いた私の気持ちを大事にして歌っています。
――そのなかでも、共感した、もしくは心が動いた歌詞はありましたか?
石原 サビの2行の〈叶えるためにそうAgainst./迷いはしないそうAgainst.〉のところが特に好きです。小さいことでも大きいことでも、自分が立てた目標に対して、たまに疲れちゃったり、眠かったりして、今日はやらなくていいかなぁって思うことはあるんですが、そういうときにお風呂で「でも、ああいうふうになりたいからこの仕事をしているんだから頑張らなきゃとか、自分が叶えたいことだからなあ」って思ったりするんです。そこは、ちょっと恥ずかしいですけど、共感したところでした。
――お風呂場って、そういうことを考えてしまう場所ですよね。
石原 そうなんです! 結構お風呂場って考えたりするのにいいんですよ。あと、よくひらめいたりもするのでグッズとかもお風呂場で考えています。思いついたら鏡に描いて、忘れないうちに出て、紙に描き写します(笑)。
――そうなんですね(笑)。ちなみに〈Against.〉は反抗という意味がありますが、最近反抗したことはありますか?
石原 えーー! 最近反抗したことあるかな……結構素直に生きているような気がするなぁ。イベントでも、私に直してほしいところをスタッフさんに聞いたら、「ない」というのが1位だったんです。企画としてどうなのかと思ったんですけど、素直にうれしかったです(笑)。
――カップリング曲「You & I」は、すごく乙女な歌詞でしたね。
石原 それは友情? 愛情? どっちの好きなの?っていうデモにあった仮歌詞の感じから、作詞家さんに膨らませてもらった歌詞で、すごくわかりやすくストーリーになっています。ただ最初は主人公の女の子が、もう少し若い設定だったんです。でも私のファンの女の子は、同い年か、その少し上か下の方もいらっしゃるので、中高生くらいの感じではなく、等身大の女の子をイメージしてつくっていきました。
――でも、わりとピュアだなぁと思いました。
石原 あれ? おかしいな……(笑)。でも、早速ファンの方から「まさに今、私こういう状態です!」とお手紙をいただいて、やったー!って思いました。共感してもらえてすごくうれしかったです。
――この曲のボーカルのアプローチとしては?
石原 主人公の女の子になった気持ちで、歌うというより、しゃべっているような感じで歌いました。「Against.」とも差があって、おもしろいですよね。「You & I」は、管楽器を使ってアレンジしているのですが、ずっとやりたいと思っていたことだったので、今回挑戦できてよかったです。
――最後に、2021年2月20日に、パシフィコ横浜国立大ホールで『2nd LIVE「MAKE SMILE」』を開催します。
石原 パシフィコ横浜は、自分的にも馴染みのある思い出の場所なので、そこでライブができることがすごくうれしいです。ライブは1年ぶりだけど、曲がすごく増えたので、前回とはまた違うライブになるんじゃないかなと楽しみにしています。「MAKE SMILE」というタイトルをつけたので、みんなで笑顔になれるライブにすることができたらいいなと思っています。
【取材・文:塚越淳一】