新作&おすすめアニメのすべてがわかる!
「月刊ニュータイプ」公式サイト
テレビアニメ「ハナヤマタ」Blu-ray&CD Shall We BOX「晴鳴五子路(はなごころ)」発売を記念した、主人公・関谷なる役の上田麗奈さん、ハナ・N・フォンテーンスタンド役の田中美海さんインタビュー。2人が選ぶベストシーンは?
――作品を見返すと、すごく泣けるシーンがたくさんあるんですよね。
田中:ストーリーは、当時の私も重なって、ホントに私も泣いちゃう!
上田:ハナはいい子! コメンタリーで見た時、やっぱりハナが好きって思った。ホントかわいい! 大好き!
田中:純粋だからこその真っ直ぐというか。
上田:絶対に人のことを傷つけない。
――では、そんなハナの好きなシーンというと?
田中:やっぱり第1話の屋上のシーンですね。最初だからすごく緊張していたのもあるし、当時はただただ台本を自分が考えた(演技プラン)通りにやり、そこから音響監督の藤田さんに言われたところを変えていき…。それで完成したものを試写会で見た時、涙が止まらなくて。EDの入り方もいいし、画もきれいで、ハナにとっても初めてのお友達みたいな感じでキラキラしてたんです。
上田:私はハナとお母さんのシーンがすごく好きでした。お父さんお母さんと一緒にいるところは、学校では絶対に見せない顔とか声で。あの家族とのシーンがあったから、ハナのことをより好きになった気がします。すごく温かかった。お父さんとお母さんが娘を愛しているというのがわかったし、それは、うえだゆうじさん・たかはし智秋さんのお芝居もあってなんですけど、お互いが思いやっている空気感がちゃんとそこにあったんです。
――家族とのシーンは、どう演じていましたか?
田中:なるたちとは違う、ずっと一緒に暮らしてきたという距離感を大事にしようと思っていました。外国で暮らしていたのもあってアットホームな感じなんだろうなとか。でも、ギクシャクしちゃったり、その心の距離感を大事にしようと思っていたので、温かさが出ていたと言われると、良かったぁって思います。
――続いて関谷なるのシーンは?
上田:やっぱり、第1話と第12話のラストは本当に良かったです。第1話の屋上が、すごくきれいな世界なんですよ。ふわっとしてて、画的にもキラキラしてるんです。それがなるの憧れというか、そういう世界に見えていたという描き方なのかなと思って。一方で、なるがハナに感化されて、お手伝いなら…って一歩踏み出したところも素晴らしいなって。で、最終話で、そのキラキラした世界の中に自分がちゃんといて、「まだ終わりたくないよ」って言ってるところが涙涙で…。やっと憧れていた中に行けたんだって思ったし、そこに今度はハナを引き込むのが第1話の逆になっている。そこがもう感動でした。
田中:私は平塚の「湘南よさこい祭り」に行ったあと、なるが「私たちだけのよさこいを、みんなと一緒に!」って宣言するシーンが好きです(第5話)。なるの心を動かしたよさこいのすごさと、中盤でのなるの成長が見られたので。
――他のメンバーについてのお気に入りシーンもお願いします。まずは笹目ヤヤ。
田中:やっぱり、なるとハナとヤヤの喧嘩じゃないですか?(第7話)
上田:そう! 私もあの喧嘩が一番残ってる。
田中:あのハナがあわあわしちゃったり、あんなに仲の良かったなるとヤヤにとって、こんな大喧嘩は初めてだったんだろうなって。お互いどうしていいかわからないっていう思春期特有の感じが、見てて応援したくなりました。あと仲直りのシーンも、ヤヤがあんなに気を張っていて、いつも完璧だけど、私ホントはダメダメなのっていうところがかわいい! アフレコでも、この3人ですごく泣いた記憶があります(笑)。
――続いてタミ(西御門多美)。
田中:橋の上!(第4話)
上田:そうそうそう! 傘差し出しちゃうかぁって(笑)。
田中:また良いところでEDが流れるんですよね!
上田:あのシーンは(タミ役の)大坪さんと本番の収録が終わったあとに残って、何度もやらせてもらったんです。大坪さんもマイク前で全力で涙を流して感情を吐露していく感じで、すごく惹きつけられました。本当の姉妹ではないけど、大きくなっても姉妹のように2人はつながってるんだろうなって思いました。
田中:アフレコブースで見ていたけど、2人だけで録ったテイクが使われていて、本番の演技とも全然違っていました。それをオンエアで見て、本当に泣いてる!って思って、私もうぇええ~みたいな(笑)。
――その2人の思いは、観ていた方にもきっと伝わっていたと思います。続いてマチ(常盤真智)。
田中:サリーちゃん先生(※マチの姉)とのシーンが…。(第9話)
上田:最強にかわいかった!
田中:あのシーンは原作でも大好きで、ずっと待ってて。いつもツンツンのマチさんが「お姉ちゃん」って呼ぶのが……いい。
上田:収録でも「お姉ちゃん」って言葉にこだわってて。リピートで聞いてるこちらとしては、ありがたかった(笑)。
田中:そう! これでいいよ、でもこっちもいい。どっちを使うの!みたいな(笑)。
上田:サリーちゃん先生とマチちゃんも似てて、アフレコ現場でも姉妹感がありました。
田中:ブースだと、(サリーちゃん役の)豊口めぐみさんがすごく面白くて。(大船勝役の)小山剛志さんとタッグを組んで、すごく盛り上げてくれていました。新人の私にも優しくいろいろ教えてくださって。こんな先輩になれたらいいなって、演技でも振る舞いでも思いました。
――では最後に、2人にとって「ハナヤマタ」とは?
田中:地元の鎌倉が舞台というのもあったし、関わらせていただいた私にとって、かけがえのない作品になってます。周りのたくさんの方が見てくれた作品で、毎日のように感想が来て、今でもハナが好きと言ってくれる方がいるので、2年経ってもハナはずっと近くにいたんだなっていうのはあります。私の心にずっとあり続ける作品だなって思います。
上田:私も心にあり続けるというのはまったく一緒で。しかも、消えない上に年月が経つごとに、自分にとって「ハナヤマタ」がどれくらい大切で、どれだけ影響を与えてもらっているかがわかると言うか。だから、どんどん濃くなっていける気がします。自分自身を成長させてくれる作品は、これからもどんどん出会っていくだろうし、今までも出会ってきましたけど、その中でも、自分が右も左もわからなかった頃の作品なので、これから濃く濃く渋くなっていくんだと思います。だから、ずっと一緒にいてほしい作品ですね。