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「懐玉・玉折」のキーパーソン!「呪術廻戦」孔時雨役・安元洋貴&灰原雄役・梶原岳人スペシャルインタビュー

©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会


既刊23巻でシリーズ累計発行部数8000万部を突破した芥見下々の漫画作品「呪術廻戦」。そのTVアニメシリーズ第2期が7月よりスタートし、五条悟と夏油傑の高専生時代を描いたエピソード「懐玉・玉折」が全5話で幕を下ろしました。第1期や劇場版で因縁の敵対関係とされた2人の、かつて親友であった日々から、袂を分かつまでが描かれた屈指のエピソード。新たに鍵を握る人物が多数登場しますが、そのなかから、伏黒恵の父親である伏黒甚爾の仲介人・孔時雨と、夏油を慕う呪術高専の後輩・灰原雄、それぞれを演じた安元洋貴さんと梶原岳人さんの特別インタビューをお届けします。

■孔時雨役・安元洋貴さんインタビュー


©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会


――懐玉・玉折の原作コミックスやシナリオを読んだ感想を教えてください。
安元 もともと原作を読んでいたので、もちろん全体を把握はしていたんですけど、昔同級生だったらしい2人の人間の過去をしっかり掘り下げてくれていて、なぜ五条が本当の意味での強さを手に入れ、なぜ夏油がああなったのかがわかる大切な話だと思いました。
――「呪術廻戦」第1期や劇場版をご覧になって、どういうところにおもしろさを感じましたか。
安元 原作をとても大切にしている印象があるし、週刊連載の少年漫画特有のドラマチックなことが常に起こりつづけているという、すごくカロリーの高い作品ですけど、しっかりアニメに落とし込んでるなと思います。あと、絵がきれいですよね。これだけの絵をずっと描きつづけているスタッフさんたち、マジですげえなと思いました。
――作品の持つ魅力や、呪いをテーマにしているところ、死生観といったところについてはいかがでしょうか。
安元 陽気なところもあるけど、みんなが目を背けるようなことも向き合ってたり、ゆえに人の生死がかかわってきたりと、その辺りのスペクタクルが超でけえなと思います。アニメもそれを表現しているし、漫画もアニメもどっちもすごいと思います。
――「懐玉・玉折」では五条と夏油の関係性の変化が描かれます。
安元 誰しもコンプレックスはあるし、共闘したり、いっしょに歩むはずの人との差を感じて、どっちが正しいということはないんだけれども、その差から相手に対する思いとか自分に対する卑下とかいろんなものが生まれていく。そのことは、コンプレックスの塊だった僕もわかるから、夏油がやっていることはダメなんだけどしかたない側面もあるよな、と思って見ました。思春期にあったコンプレックスの究極系みたいな感じで。あこがれは五条にあるけど、共感は夏油のほうにあるかもしれません。


©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会


――お話をうかがっている今はまだ放送前ですが、放送で楽しみにしているシーンやせりふはありますか?
安元 伏黒甚爾の死ですね。まだ完成形を見ていないんですけど、結構な表現をしていてなかなかショッキングだぞ、どこまでやれるんだろうというところで楽しみです。
――改めて「呪術廻戦」に孔役で出演されるお気持ちを伺えますか。
安元 出させていただいてとてもうれしいです。もちろん、どの作品も同じように、参加できること自体がありがたいという気持ちで臨んでいます。役に関しても、自分じゃないものを演じるのは、やっぱり楽しみを感じています。孔はピンポイントでの登板ですけど、そのなかで「何でこの人がこうなった」という変化のきっかけを投げていたりする、そういった意味のあるアクションを起こせる役はやっていて楽しいです。
――アフレコ現場はどのような雰囲気でしたか。
安元 子安(武人)さんと中村(悠一)さんと櫻井(孝宏)さんと、主にこの4人で録っていました。みんな仲がいいから、ブースの仲は殺伐となんてしていなくて、ずっと子安さんとみんなで遊んでました。子安さんとは久しぶりにごいっしょできたので楽しかったですね。中村さんはずっと残ってくれていて、掛け合いのある人としっかりやりとりしていました。
――子安さんとごいっしょされて、改めての発見や驚きはありましたか?
安元 テストの時はもっとかっこよかったんですよ。人としてちょっとダメなところをもう少しほしい、といったディレクションがあった後にはガラリと色を変えて演じられたんです。すぐに役の解釈を修正して理解して演じられて、それがすごくおもしろかったです。


©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会


■灰原雄役・梶原岳人さんインタビュー


©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会


――「懐玉・玉折」では五条や夏油の関係が掘り下げられています。
梶原 自分が演じることが決まってから、改めて深掘りして見ていったんですけども、たとえば「劇場版 呪術廻戦 0」で夏油さんが自販機の前でうなだれている姿だったりという、インサートされているシーンが今回深く描かれているというのは、どうしてそうなったのかの経緯を後から知る楽しみがあるなと思いました。夏油さんなりの感情がすごく掘り下げられていて感情移入したし、寄っていきそうになるくらい知ることができたなと思いました。
――第1期や劇場版の魅力はどうお感じですか。
梶原 原作を忠実にアニメでやられているなというのはすごく感じています。原作もアニメもそれぞれによさがありますけど、アニメだったらアクションがどのシーンもめちゃくちゃよく動いていてすごいなと思います。たとえば七海さんと虎杖と真人が戦ってるところは、(島﨑)信長さん演じる真人のいい意味での気持ち悪さや、対する虎杖と、いい上司感の七海さんによるすごいタッグが感じられるし。あと、ことばを使わない、画だけで語るシーンもすばらしいと思いました。
――「呪術廻戦」そのものの魅力はいかがでしょうか。
梶原 自分が演じるキャラクターの出てくるシーンだけを見ていたらわからないようなことが、他の場所で繋がっていくというのがどのキャラクターにもあって、芥見先生のなかでどれだけバックグラウンドが用意されてるんだろうと。そこがほかの作品と比べても飛び抜けてすごいなと思いました。虎杖以外のキャラクターの過去も深く描かれて感情移入できる場所が本当にたくさんあると思います。


©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会


――「懐玉・玉折」で印象に残っているシーンを教えてください。
梶原 天内理子が最期に撃たれる直前で、夏油さんに本音を言いながら涙を流していたシーンです。収録のときに僕もいっしょにブースにいたんですけど、星漿体でありながら、もっと生きたいという思いを心から吐き出しているところはお芝居もすごくすてきで心に残っています。理子って、大人と子供の中間にいるような存在で、本音を我慢して強がっている、触れれば壊れてしまいそうな感じがすごく絶妙というか、とても魅力的で揺さぶられるキャラクターだなと思っていたんですけど、そこに加えて永瀬アンナさんのお芝居がマッチしてとてもよかったです。
――ほかにアフレコでの掛け合いで印象に残っていることはありますか。
梶原 すごく素人くさい感想なんですけど、「すごいなあ」って(笑)。元々アニメで見ていたところに新キャラとして入っていくという、視聴者目線でもトキメキにあふれる現場だなって思いました。それこそ僕が喋ってないシーンでも、ブースの後ろからほかの方のお芝居を聞けるというのはすごく貴重な機会でした。理子のお芝居だったり、灰原が死んだ後、七海さんが椅子に座ったまま喋ってるところとか、もうため息が出そうになって。本当に参加できてよかったです。
――「懐玉・玉折」では誰に感情移入しましたか。
梶原 やっぱり夏油さんです。どうしてその思考に至ったのか、九十九(由基)との会話から出てきた「非術師を皆殺しにすればいい」という発想や、灰原をはじめ術師の死の連鎖を受けての彼の苦しみも描かれていましたし、「猿め…」と言いはじめたところとか、今まで描かれてきた部分の理由付けがちゃんと描かれていて、僕はもう夏油さんに寄っていっちゃいました。「自分にできることを精一杯やるさ」と言って五条と別れるシーン、遡りますが、劇場版で乙骨と対峙しているシーン、随所に灰原の気配を残してくれているのもあって……。灰原を演じることもあって、夏油さんに対してはすごく好きという気持ちなので、世間的に見ると悪の部分ももちろんありますけど、夏油さんなりの葛藤や苦しみのなかで生まれた行動だとちゃんとわかるから、やっぱり夏油さんのことは好きだなって思いますね。


©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会


【取材・文:細川洋平】

■「呪術廻戦」
放送:MBS/TBS系…毎週木曜夜11.56~
配信:各動画配信サービスで配信中

スタッフ:原作…「呪術廻戦」芥見下々(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)/監督…御所園翔太/シリーズ構成・脚本…瀬古浩司/キャラクターデザイン…平松禎史・小磯沙矢香/副監督…愛敬亮太/美術監督…東潤一/色彩設計…松島英子/CGIプロデューサー…淡輪雄介/3DCGディレクター…石川大輔(モンスターズエッグ)/撮影監督…伊藤哲平/編集…柳圭介/音楽…照井順政/音響監督…えびなやすのり/音響制作…dugout/制作…MAPPA

キャスト:五条 悟…中村悠一/夏油 傑…櫻井孝宏/家入硝子…遠藤 綾/天内理子…永瀬アンナ/伏黒甚爾…子安武人

リンク:「呪術廻戦」公式サイト
    「呪術廻戦」公式Twitter 

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