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昨年12月より公開中の映画「約束のネバーランド」。もとから作品のファンであったというレイ役の城桧吏とノーマン役板垣李光人にインタビュー!
──お互いの存在にどんな刺激を受けましたか?
板垣 とにかく、桧吏がかわいかったです。僕が一方的に構ってしまったかも(笑)。芝居のうえでは、さっき桧吏が言っていたようにエマ、ノーマン、イザベラ、クローネに負けないという意識で、思いっきりぶつかってきてくれるので、こちらも負けないように気合いが入りました。
城 演技をしているときの李光人くんの瞳がすごくきれいで。目から感情があふれ出してくるようなお芝居で、悲しいシーンの目にとてもグッときましたし、いろんなことを考えさせられました。
板垣 恥ずかしい(笑)。カラコン入れてたしね。
城 妖精のようでした。
──エマ役の浜辺美波さんの印象は?
城 浜辺さんから話しかけてくれて、うれしかったです。お姉ちゃんのような存在で、いつも僕の健康を気遣ってくれてました(笑)。
板垣 「ちゃんとご飯食べてるの?」とか言われてたよね。浜辺さんは、最初にお会いしたときに、あの笑顔がやっぱりすごくエマと重なって。一瞬で、ああ、エマだって思いました。エマは子供たちを引っ張っていく存在ですが、現場での浜辺さんも同じように子供たちを引っ張ってくださって。子供たちがわちゃわちゃしてるのを、僕とか浜辺さんはほほ笑ましく見ていたんですけど、スタッフさんから「何か、おじいちゃんとおばあちゃんみたい」って言われたのも印象的でした(笑)。
──特に印象に残っているシーンは?
城 クライマックスの火をつけるシーンです。監督といっしょに何度もリハーサルをして、時には浜辺さんにも加わっていただいてつくり上げました。リハーサルの成果が出ているんじゃないかと思います。
板垣 ノーマンとしてはやっぱり、玄関でエマとことばをかわすシーンが印象に残っています。ノーマンは今までずっと、自分のなかの恐怖だったり、いろんな感情を外に出さずにとどめていた子だったので、あそこで初めて自分の内にあったものを吐き出せて。浜辺さんのお芝居に引き出された気持ちがありましたし、演じているときにも、映像を見ているときにも心を揺さぶられました。
──最後に皆さんにメッセージを。
板垣 アニメ版を見てらっしゃる方がほとんどだと思うのですが、一方で、生身の人間の肉体で演じることで生み出せるリアリティというのもきっとあると思うので、ぜひ、それを感じていただきたいです。細部までこだわられた愛のこもった美術セットをつくっていただけたおかげもあって、もしかしたら世界のどこかにあるんじゃないかと思えてくる映画になっているので、いろんな見方で楽しんでいただきたいです。
城 漫画やアニメで描かれた世界が、そっくりそのまま表現された美しい映像にどっぷりつかってほしいです。とにかくすごいところ(ロケ地)を見つけたなと思います。
板垣 かなり標高の高いところまで行ったもんね。
城 スクリーンを通して見たら、霧のなかに幻想的な風景が広がっていて、水の音に安らぎがあって楽園みたいだと思いました。でも、緊張感があって、北川景子さんのイザベラの演技がもうほんと鬼よりも怖くて。
板垣 (笑)。鬼よりもって。
城 北川さんは優しいんですけど、イザベラが! きれいで強いけど怖くて! 笑えたり泣けたり、謎めいていてすてきな1時間59分だと思いますので、ぜひ見てほしいです。
衣装協力:パンツ/CHERIE(板垣)、ほかスタイリスト私物
【取材・文:ワダヒトミ】