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見敵必殺!! 命すてがまるは今ぞ!! 池袋『平野耕太★大博覧會』レポート!


国内外に熱狂的なファンを擁する漫画家・平野耕太さんの原画展『平野耕太★大博覧會』が、2025年3月27日より東京・池袋のサンシャインシティで開催されています。
同展覧会は、平野さんの代表作『HELLSING』と『ドリフターズ』の230点以上の原画を軸に、両作品の名シーンを原画にアニメ映像や造形物などを加えて再現。またフォトスポットも充実し、通常の原画展の枠組みを越えて平野耕太さんの作品世界を体感できる内容となっています。
開催に先立ち、3月26日に行なわれた内覧会から、展示の様子を一部紹介します!

小便は済ませたか? 神様にお祈りは?
大博覧會は『HELLSING』でスタート!

JR池袋駅から会場のサンシャインシティまでの道のりの各所に、本展覧会の告知が設置されています。おのずから気分が昂ったところで、会場入り口で、お出迎えしてくれるのは『HELLSING』と『ドリフターズ』が肩を並べた豪華絢爛なキービジュアル。すでに、この時点で気分は阿鼻叫喚、じゃない狂喜乱舞です。
展示は前半が『HELLSING』、後半が『ドリフターズ』の二部構成で、『HELLSING』の史実と作品上の出来事を併記した年表から展示はスタート。
第1話から物語の展開に沿って厳選された原画が展示される中、随所にパネルで“平野節”とも称される、あの独特な魅力を持った台詞と共に主要キャラクターの紹介や名シーンの解説、アニメの映像が入っていきます。



原画はすべて直筆の生原稿で、その大胆かつ緻密な描き込みはもちろん、印刷物ではわからない線や塗りのタッチ、修正跡など手描きならではの筆致から、創作の熱量がダイレクトに伝わってきます。たとえばモノクロの単行本ではわかりづらかったリップヴァーン・ウィンクルが占拠した空母のワイヤーが音符になっている(『HELLSING』第4巻 第3話「D③」より)といった点も、カラー原画では一目瞭然に。またカバーイラストの着色前線画やラフなど、貴重な完成前の原画も展示されています。



充実の造形物&フォトスポット
あなたもお気軽にロンドン宗教裁判!

こうした原画はもちろん、吸血鬼カップルが血文字でメッセージを残した壁や、セラス・ヴィクトリアのコスプレ衣装、アレクサンド・アンデルセン神父の結界を再現したミニチュアート、アーカードとアンデルセンの最期の戦いをイメージしたパネルなどの名シーンを再現した造形物。30mmセミオート「砲」を装備したセラス・ヴィクトリアや、ロンドン上空で宗教裁判を行なうエンリコ・マクスウェルに成りきって写真が取れるフォトスポットなど、作品世界に没入できる展示物が満載です。



暖簾の向こうは異世界だよ!
全員集合!『ドリフターズ』

黒い暖簾をくぐり、アニメの関ヶ原の戦いの映像を抜けると、後半の『ドリフターズ』の展示の始まりです。
第一話の印象的な島津豊久の後ろ姿の拡大展示から始まり、劇中で漂流者たちを異世界に誘う紫が座る通路を再現した展示を抜けると『HELLSING』同様、作品の展開に沿った原画と、主要キャラクター・名シーン解説がアニメや造形物を交えて展示されていきます。
『HELLSING』もそうでしたが『ドリフターズ』の原画の描き込みは、息を呑むような細密さでした。特に素早い動きの残像を表すブラ―や、圧倒的な軍勢の見開きなどは時間を忘れて見とれるほどでした。



大博覧会のトリを飾るのは、やっぱりアノ……
そして話題の音声ガイドのドイヒーな中身とは?

またこちらも織田信長や那須与一など主要キャラクターの立ちパネルによるフォトスポットや、島津豊久と土方歳三の再現衣装や、アニメで使用されたオルテ帝国の国父の肖像画など造形物など原画以外の展示物が充実しており、なかでも「関ヶ原合戦図屏風写」や「島津豊久所用紺糸威腹巻写」からは、作品の背後にある史実の重みが感じられました。
そして史実と作品上の出来事を記した年表で『ドリフターズ』の展示は終了。『HELLSING』と対をなす粋な構成で、これで展示は御仕舞い。美麗かつ迫力に満ちた平野耕太ワールドを堪能してお腹いっぱい……と思いきや、なんと殿(しんがり)にアニメ「黒王様御乱心」とファンにはお馴染みな、薩摩の捨て奸並みの破壊力のカバー裏のあのパロディ原画の展示が! 本当に最後まで油断できない展覧会です。



こうした漫画の原画とアニメ映像、造形物を並存させた展示は珍しいのではないかと、株式会社ファンダムで同展覧会のチーフキュレーターを務めた鷲谷祐也さんに尋ねたところ、「確かに、あまり例はありませんが、今回は原作とアニメ側の関係が近かったので実現しました」との答えでした。造形物に関しては、鷲谷さん自身が平野さんの作品のファンで「造形物欲を刺激する何かが平野さんの作品にはあるんです」「ただ、あくまで造形物は添え物ですから、原画の魅力を存分に楽しんで欲しいですね」と。
造形物を刺激されたゆえか、同展覧会では複製原画やTシャツ、アクリルスタンドをはじめ何と200種類を越えるオリジナルグッズを製作。展覧会後も平野耕太の世界にどっぷりと浸れること間違いなしです。
ちなみに開催前「※本音声ガイドには行き過ぎた表現があります」「※展示のガイドとしては全く役に立ちません」と発表されて話題になった音声ガイドは「実際に会場に来てくれたお客さんに楽しんでほしい」とのことで、内覧会では明かされませんでした。
どれだけ(いい意味で)ヒドイのか、会場を訪れて、その耳でお確かめください。ただし内容をネットにあげると廃棄物であるロシアの怪僧ラスプーチンに「呪われる」とのことなので、ご注意を!

『HELLSING』

反キリストの化け物どもを葬るために組織された特務機関「HELLSING」の闘いを描くバトルアクション作品。
1997年〜2008年連載(ヤングキングアワーズ/少年画報社)。累計発行部数は400万部を突破している(電子書籍を含まず)。2006年の文化庁メディア芸術祭10周年記念アンケート企画「日本のメディア芸術100選」マンガ部門で22位選出。2001年にTVアニメ化、2005年にOVA化された。

『ドリフターズ』

異世界に迷い込んだ島津豊久、織田信長、那須与一、土方歳三、源義経など「異なる時代の歴史上の英雄たち」が、叡智を競う戦いを繰り広げるバトルアクションファンタジー作品。
2009年〜連載中(ヤングキングアワーズ/少年画報社)。
累計発行部数は450万部を突破している(電子書籍を含まず)。2016年にTVアニメ化、2017年に続編2話がOVA化された。

漫画家・平野耕太

1994年、COMICパピポ(フランス書院)掲載『COYOTE』でデビュー。1997年、ヤングキングアワーズ(少年画報社)にて『HELLSING』を連載開始。2001年と2006年にアニメ化された。2009年、同誌にて『ドリフターズ』を連載開始。 2016年にNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社にてアニメ化。現在も連載中。

【取材・撮影・文:倉田雅弘】

平野耕太★大博覧會
会期:2025年3月27日(木)〜4月13日(日)
会場:東京都豊島区東池袋3-1 サンシャインシティ ワールドインポートマートビル4F 展示ホールA

リンク:平野耕太★大博覽會 公式サイト
    平野耕太★大博覽會公式X(Twitter)・@HiranoKohtaExpo

©KH・SG ©KH.SGS/WG ©KH/SG/DC

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