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2025年4月23日、阿佐ヶ谷ロフトAを会場に脚本家・上江洲誠さんの主催と荻窪の模型制作スペース・CŌVACO ModelingWorkSpaceの協賛による模型展示会「BONKLIVEホビーショウ 2025〜with CŌVACO〜」が開催されました。
今回の展示会は同じく上江洲さん主催のアニメにまつわるトークショウ「BONKLIVE」の特別編という位置付けでの開催。上江洲さんが常連として通っているCŌVACOの店長と意気投合したことから、今回の催しが決まったとのことです。
会場には上江洲さんの作品はもちろん、CŌVACOの店長や常連のお客さんによる模型作品や模型愛好グループ・江古田ホビーのメンバーによる作品、有志による作品なども含めて150もの作品が展示! 今回の記事には掲載しきれないほど、多くの作品がそろい踏みとなりました。
さらに会場には上江洲さんと親交が深い声優の志水アリカさん、大須賀純さんがステージへ登壇。トークショウで会場を盛り上げたほか、「雑に実写再現」シリーズで有名なツカーサさんが衣装や小道具を展示するなど、上江洲さんとその仲間たちによる「好き」が盛りだくさんの展示会となりました。
今回は大いに盛り上がったイベント当日の様子をレポートします。
会場でまず来場者のみなさんを出迎えたのは、動画制作者・ツカーサさんによる「雑に実写再現」の撮影で実際に使用された衣装や小道具たち。そもそも「雑に実写再現」シリーズとは、YouTube「ツカーサさんの記録」チャンネルで公開されているファンムービーで、往年の名作ロボットアニメのオープニングなどをその名の通り、ダンボールで自作した衣装などを用いて再現している作品群です。
ツカーサさん
https://x.com/tsukahsa001
作られた映像は「雑」を自称しつつも、創意工夫があちこちに見られる映像に仕上がっています。「雑」なシュールさと作品への愛が共存した作品は多くのファンを得て、今では動画の再生数が100万回を超えることも!
会場に展示された「あの作品」や「この作品」の衣装や小道具を見た来場者のみなさんは「段ボールでロボや小道具を!?」と、驚きの表情を見せていました。
会場に入ると……そこにはいくつもの模型が展示された空間が広がっていました!
そのなかで、まず目についたのは会場センターに陳列された「この素晴らしい世界に祝福を!(以下、このすば)」の人気キャラクターである、めぐみんのキットを使った作品たち。
魔王軍幹部・ベルディアの城へ爆裂魔法を撃ち込みにいく日課のシーンを再現したジオラマをセンターに、アニメの原画用紙から飛び出してきためぐみん、ハロウィンカラーのめぐみん、ジャイアントトードに捕食されるめぐみん(!)などなど、それぞれの趣向を凝らした「めぐみん祭り」が開催されていました。
また、上江洲さんが長年シリーズ構成・脚本を努める「結城友奈は勇者である」をモチーフとした作品群が展示されていました。これは上江洲さんが各地のファンに協力を要請して「バトンが繋がって実現した奇跡」なのだとのことです。
他に目を引いた展示に、「超時空世紀オーガス」のキットを複数用いた変形の再現などといった企画展示などがされていました。これは昨年発売されたオーガスのキットを皆がほぼ同時に買うという楽しいシンクロニシティがあったから自然発生した展示なのだとのことです。
それ以外にも、数々の個人の出展者による創意工夫と愛が込められた作品の数々が会場中に所狭しと展示されており、そのどれもがレベルの高い力作。作品を眺める来場者のみなさんも、クオリティの高さに思わず声を上げていたり、あるいはじっくりと作品を眺めたりと、とても楽しんでいる様子があちこちで見受けられました。
展示だけではなく、上江洲さんとゲストによるトークショウも開催。
午前中のゲストとして登壇したのは「プラモ教習所【湘南ルーム】」でMCを担当している、湘南のプラモ大好き声優こと志水アリカさん。
今回、志水さんが出展した作品で、初めてエアブラシの重ね塗りに挑戦したそうです。
プラモ教習所
https://x.com/kyoshujo
彼女の挑戦したプラモはこちら!! 「太正桜に浪漫の嵐〜HG 1/20 光武・改(真宮寺さくら機)〜(以下、光武・改 さくら機)」。
光武にはメタリックのさくら色を重ね塗りし、質感に気を遣いながら作成したとコメント。組んだプラモデルを一度分解して塗装するという工程に最初は戸惑ったといい「壊れてもどうにかなる」と言われて分解したら見事に壊れてバラバラになってしまった、というアクシデントもあったそうです。そのため、じつはよく見るとところどころに必死に直した跡があると苦笑しながらも「知っていますか、プラモデルって治るんですよぉ!?」と、当時の驚きを思い返していました。
また、父の影響で初めてプレイしたゲームがセガサターンの「サクラ大戦」だったこともあり「光武・改 さくら機」への思い入れも強かったというエピソードも披露。今回の模型作品についても「好きなことでクオリティが上がっていく」として、作品にあうディスプレイも作り込んだことによって、より好きになっていった……とのことです。
午後には「あんさんぶるスターズ」の影片みか「刀剣乱舞」の博多藤四郎役やなどを演じた声優・大須賀純さんがゲストで登壇。上江洲さんと大須賀さんは10年以上も前に知り合い、若手で薄給だった時代はいつもいっしょに遊んでおり支え合ってきたという「大親友」でもあります。
そんな大須賀さんが初めて作ったプラモデルは「機動戦士Zガンダム」の1/220サイズのガンダムMk-II。そこから当時流行していた「SDガンダム」シリーズのキットを作りはじめ、BB戦士をこれでもかというほどに作っていたとのこと。あまりに作りすぎたことから、両親からは子どもの日に「大将軍」をたくさん並べる暴挙をされた……などといった思い出を語り、会場を沸かせました。
大須賀さんのプラモ人生に転機が訪れたのは小学校3年生のとき。「機動戦士ガンダム」シリーズに登場する「ジムコマンド」のキットを入手し、その出来の良さに驚いた大須賀さんは、そのままジムやジェガンといった量産機の虜にされたといいます。その直後、持ち込んだカバンから取り出したのは……なんと自宅に飾ってあったという量産機の数々!
「ジェスタ」「ジェガン(アクシズ・ショックイメージカラー)」「スタークジェガン」「ネモ」「GM/GM」「ジェスタキャノン」……(以下省略)など、素組でありながらも10体以上の量産機が並べられた光景を見た上江洲さんからは、思わず「聞いてたんと違う!」と悲鳴が。大須賀さんは「数の暴力で怖がらせてやろうという気概で持ってきました」と笑顔でコメントを返し、会場を驚愕させました。なお、大須賀さんはあまりにジェガンなどの量産機を作りすぎたせいで、図面を見なくてもパーツ構成を覚えてしまったとのことです。
それほどまでに量産機への愛情が溢れる大須賀さん。ですが、最近は「主役期に比べて、量産機は再販がかからない」「買えても1個しか買わせてもらえない。量産機だからたくさん並べたいのに!」といった悩みを抱えているそうです。これについて会場では頷く人が何人も見受けられました。
トークの最後には、来場者に向けて「これ以上積み(罪)を重ねるな! 重ねるなら、作れ!」とメッセージを送りつつも「あ、量産型キットを見かけたら……ぜひご一報ください!」とお願いをするという、なんともアンビバレントな感情をあらわにし、再び会場を沸かせていました。
午前、午後ともに個性を活かしたトークで会場を沸かせた志水さんと大須賀さん。ステージを観ていた来場者のみなさんには、しっかりとそれぞれの「愛」が伝わっていたようです。
こうして展示もトークショーも多いに盛り上がり、熱気冷めやらぬまま「BONKLIVEホビーショウ 2025〜with CŌVACO〜」は閉幕。展示もトークも大いに盛り上がり、主催の上江洲さんは「第2回の開催も視野に入れたい」と次回に向けての意気込みを見せていました。
今回のイベント終了後に上江洲さんと、協賛である模型制作スペース・CŌVACO ModelingWorkSpaceの店長からは次のようなコメントをいただきました。
<主催・上江洲誠さん コメント>
この5月でちょうとプラモ歴2年になります。エアブラシまで使ってのガチ制作、10体ぐらいは作ったのでしょうか。元々プラモ趣味は老後の楽しみにと取っていたのですが「MODEROID ダンガイオー」が発売されてどうしても今作りたくて、と始めたことでした。エアブラシが楽しくて楽しくて! まさかここまでハマってしまうとは、人生どうなるかわからないものです。
遊びには全力、思いついたら(大人の地位と財力で)すぐ実行の僕です。この2年でプラモ仲間も増えましたので「じゃあもう自分たちで展示会をやってしまえばいいじゃない」と今回の開催となりました。トークライブを主とする飲食店での展示会、前代未聞のことに準備中はヒヤヒヤもしていたのですが、蓋を開けてみれば、150体もの力作が集まり、お客さんもニコニコと、大成功でした!
物をつくること、趣味を共有すること、それはとても豊かで良いものだなとしみじみと思ったのでした。みなさんもぜひ!
<協賛・模型制作スペース・CŌVACO ModelingWorkSpace 店主 久保慎次 コメント>
プラモと「冥王計画ゼオライマー」のBGMをきっかけに仲良くなった上江洲さんと「自分たちで展示会ができたらオモロいよね」という思いつきから始まったBONKLIVEホビーショウ、常連のお客さんの面々も巻き込んで協賛参加させていただきました。
そんなノリと勢いで始めたわけですが、上江洲さんをはじめプラモ仲間のみなさんやゲストの志水アリカさんも連日お店に来てのエアブラシ塗装やジオラマ製作への初挑戦、参加メンバーのながはまのりひこさんからジオラマ素材をご提供いただいたり、心血注いだ作品が続々と完成していくオモシロ熱いドラマを日々堪能できるわけで。冥利に尽きる時間でした。ご覧いただいた皆様、作品にこもった熱意や思い入れが少しでも伝われば……もうみんな仲間です。
第2回開催の暁にはぜひ、いっしょにやりましょう!
ご来場いただいたお客様・スタッフ・ゲストの皆さま、主催の上江洲さんにはこの場を借りて謝辞を申し上げます。
150もの作品が集まった今回のイベント。記事の構成上、掲載しきれない作品の写真も多かったのですが、そのどれもがこだわりと愛にあふれた高いレベルの作品でした。
第2回開催時には、模型に興味のある方もそうでない方も、ぜひ会場へ足を運んで実際に展示をご覧ください。
たくさんの「好き」が集まった素敵な空間がみなさんを待っていますから……。
もっとも、会場の溢れる熱に背中を押されて、テンションが上がり、気がつくと自分も帰り道に大きなプラモデルを買ってしまっている……なんてこともあるかもしれませんので、ご注意を!
【取材・文:塩味鷹虎、写真:山E/塩味鷹虎】