スタッフ

「オーバーテイク!」あおきえい監督&「MFゴースト」中智仁監督対談、延長戦!

©KADOKAWA・TROYCA/オーバーテイク!製作委員会
Ⓒしげの秀一・講談社/MFゴースト製作委員会


ニュータイプ2024年1月号にて掲載中の「オーバーテイク!」「MFゴースト」コラボピンナップ&監督対談。誌面では収まりきらなかった対談エピソードをWebNewtypeにて特別公開! 本紙と合わせてお楽しみください。

――お2人はこれまでお会いされたことはあるんですか? アニメ業界は広いようで狭いので、仕事上では接点がなくても、どこかですれ違ったことがある……みたいなのは多いですよね。
あおき それが、まったくないんですよ。今日が完全に初対面です。
 ですよね。ただ、当然お名前は存じあげています。僕なんかからすると、多くの話題作を手がけてこられた、あこがれの監督のおひとりです。
あおき いやいや、そんな(苦笑)。こちらも間接的には、いろいろとお聞きしていたんです。
 弊社(FelixFilm)のプロデューサーの菊地悠太はもともとAICにいたんです。あおきさんの後輩筋にあたるんですよね?
あおき そうなんですよ。TROYCAには僕以外にも元AICのスタッフが何人かいるので、そのつながりでときどき会社間での情報交換……というと大げさになっちゃいますけど(笑)、少しやりとりをさせていただいていたみたいで。

――そんなお2人にいきなりこんな質問をぶつけるのもなんですが、カーレースものの作品が同じクールに放送されると知ったとき、どう思われました?
あおき 僕は率直な話、ちょっと嫌だなと思いましたよ(笑)。
 いやー、わかります!(笑)
あおき しかも自分たちがつくっている「オーバーテイク!」はオリジナルで、題材的にもF4という、まだあまり世間に知られていないものを扱っている。そこに「MFゴースト」という、「頭文字D」の後継作品にあたる原作もののビッグタイトルがぶつかるというのは、ヒヤヒヤですよ。
 うちの現場では特に、音響監督の三間雅文さんがものすごく警戒していたんです。「(明田川)仁さんのところで、F4のアニメをやってるらしいぞ」と、どこかから聞きつけてきて……(笑)。

――そんなことってあるんですか。
あおき 現場で噂がまわるのはね、どうしてもありますよ(笑)。
 三間さんはまた、車にこだわりのある方ですからね。ご自分でもいろいろ、車に関連した企画をやっておられるくらい。
あおき ですよね。ともあれ、同じ時期に放送されたことで、こうやってコラボ企画みたいな対談も実現できたので、結果としてはよかったですね。
 まったくです。ありがたい限りですよ。

――「オーバーテイク!」と「MFゴースト」の映像的な共通項というと、3DCGによる迫力のレースシーンです。お2人とも手描き作品の現場もよくご存知なわけですが、3DCGを使うことの、監督として感じる大きなメリットはなんですか?
 これはCGのよさであり、同時に大変なところでもあるんですけど、実際に映像の形になったものを見ながら直せる点ですね。手描きの作画の場合は、一度映像の形になったものを直そうとすると、それまでの全工程を遡って直さなきゃならない。でもCGの場合は、見ながら「ちょっとカメラの位置を変えてみて」みたいな調整もできる。ただその分、納得のできるものが出てくるまで現場に張り付き続けるので、結果的に作業量が大変なことになってしまうんですよね。
あおき 作画はそのカットにかかわる人たちの手間を思うと、リテイクを出しづらい雰囲気になるときがあるんですよね。でも3DCGは時間さえあれば、トライアルアンドエラーでどんどんカットを自分の意図に近づけることができる。そして3DCGの作業をしていただくみなさんは、リテイク作業の時間を前提に作業をされているんですよね。「ディレクションがあれば直しますよ」みたいな空気感があって。その点で、同じアニメを作っているのであっても、作画と3DCGのスタッフは違う畑の人たちなんだなと、自分が初めて本格的に3DCGを使った「アルドノア・ゼロ」のころからずっと感じていました。
 そうなんですよね。僕ももともとは作画の人間なので、感覚がよくわかります。作画は最初にかなり綿密に計算して、その通りに作らないといけない。3DCGはそうじゃなくて、リテイクで精度を上げていくんですよね。……ただ、シリーズの最初のころは、1カットに10テイクくらいかかっていて、延べ回数でいうとものすごい数のチェックになるわけです。「テイク3で何とかしよう」みたいな運動もあったんですけど、そう決めても駄目なものは駄目なので、ちょっと難しいよね……と。
あおき 「オーバーテイク!」も第1話のときは、まだCG作業の感触を、やっていただく方もこちらも掴めていなかったので、やっぱり5、6テイクを重ねるのは当たり前でしたね。ただ、本当にリテイクに関してみんなポジティブにやってくれるので、それは助かります。
 そう、CGにとってリテイクはポジティブな作業なんです。だからこちら側も気持ちよくできるし、さらにそうやって直したカットが、直す前よりもカチッと全体に上手くはまったときの気持ちよさみたいなものもあるので。
あおき わかるなあ。ところで、作業の進め方に違いはあるものの、3DCGと手描きのアニメーターには近いところもありませんか? CGもモーションを付ける人によって、動きの上手さが全然違うなと。
 全然違いますよね。実は弊社には、もともと手描きのアニメーターから3DCGのアニメーターに移った人間もいるんですけど、自分はその人の手描き作画時代の担当カットのアガリも知っているし、今、CGアニメーターとしてアガってくるものも知っている。これがおもしろいことに、動きに同じ傾向があるんです。
あおき わかります。
中 やっぱりこれって、「見えてる画がどうか」っていうことなんでしょうね。作業をしながら完成形の画が見えている人間は、手描きだろうと3DCGだろうとやはりうまい。
あおき 絵コンテの情報を解釈してくれるんですよね。「この絵できっと欲しいのは、こういう表現ですよね!」みたいな。
 そうなんです! 絵コンテで細かく説明しようとすると、絵コンテ自体に作業のカロリーがかかってしまうので、本来はよくない。
あおき まったくです。

☆まだまだ盛り上がるこの対談の本編は、ニュータイプ1月号の特集記事で!

【取材・文:前田久】


ニュータイプ1月号掲載ピンナップイラストはこちら!
 ©KADOKAWA・TROYCA/オーバーテイク!製作委員会 Ⓒしげの秀一・講談社/MFゴースト製作委員会


■「オーバーテイク!」
●Blu-ray & DVD Vol.01発売中
●1月3日(水)よりBS11にて再放送開始

■「MFゴースト」
●2024年2nd Season放送決定!/Lemino、Prime Video他にて1st Season配信中
●1st Season Blu-ray BOX:1月26日(金)Sector1、2月28日(水)Sector2発売

リンク:TVアニメ「オーバーテイク!」公式サイト
    TVアニメ「オーバーテイク!」公式X(Twitter)・@komaki_motors
    アニメ「MFゴースト」公式サイト
    TVアニメ「MFゴースト」公式X(Twitter)・@mfg_anime

この記事をシェアする!

MAGAZINES

雑誌
ニュータイプ 2024年6月号
月刊ニュータイプ
2024年6月号
2024年05月10日 発売
詳細はこちら

TWITTER

ニュータイプ編集部/WebNewtype
  • HOME /
  • レポート /
  • スタッフ /
  • 「オーバーテイク!」あおきえい監督&「MFゴースト」中智仁監督対談、延長戦! /