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ミュージカル「コードギアス 反逆のルルーシュ 正道に准ずる騎士」スザク役・赤澤遼太郎インタビュー 「ミュージカルを見たからこそわかる解釈を投げていきたい」

2023年9月、京都・東京にて、ミュージカル「コードギアス 反逆のルルーシュ 正道に准ずる騎士」が上演されます。本作で枢木スザク役を演じるのは、「MANKAI STAGE『A3!』」シリーズ(七尾太一役)や、「マッシュル-MASHLE-」THE STAGE(マッシュ・バーンデッド役)などで活躍する赤澤遼太郎さん! 「“厨二心”がくすぐられまくった」という原作愛をはじめ、ミュージカル作品ならではの魅力、さらにW主演を務めるルルーシュ・ランペルージ役の小南光司さんとのエピソードなどをうかがいました。



——スザクを演じるにあたり「大好きな作品の大好きなキャラクター」とコメントを寄せられていますが、『コードギアス 反逆のルルーシュ』のどんなところに魅力を感じていますか?
赤澤 僕と『コードギアス』シリーズとの出会いは、中学3年生のころ、後輩に勧められて読んだマジコ!先生のコミカライズでした。その後輩からアニメが原作だと教わって見はじめたんですが、ルルーシュたちの決めゼリフやポーズ、ナイトメアフレーム戦など“厨二心”がくすぐられまくりで……! 本当におもしろくて、どっぷりハマっていました。当時はただ単純にカッコいい作品だなと思っていたんですが、ミュージカルへの出演が決まってから改めて見なおしたら、また全然違ったおもしろさを感じるようになりました。登場人物たちの葛藤を垣間見て、こんなにも不安定な部分、人間らしい部分を抱えていたんだなあと。みんなそれぞれ“ままならなさ”があって一筋縄ではいかないなか、敵は誰なのか、信念とはなんなのかを問い続けていく。そこがおもしろいと思いましたし、魅力的に感じています。



——スザクの印象も、初見時から変化はありましたか?
赤澤 印象が変わったというより、僕のなかでスザクの解像度が上がったように思います。はつらつとしていて、誠実でまっすぐな一方、とんでもないバックボーンもあるじゃないですか。ひととのつながりはあるけれど、ずっと孤独を抱えているし……。そんなふうにいろいろなことを背負って生きていくスザクは、役者としても演じ甲斐があるなと感じています。

——赤澤さんご自身が考えるスザクとの共通点は?
赤澤 同じO型です! あと、ルールを守るのは好きですよ。たとえば有料の自転車駐車場で、料金が発生しないように置いているひととかいるじゃないですか。僕、ああいうの嫌なんですよね。ほかには……なんだろう、なにかあるかな? わりと柔軟に対応するというか、スザクのように「融通が利かない」とは言われないほうです。
マネージャー 仕事の事前準備に関しては、譲れないタイプだと思います。
赤澤 あー! たしかに(笑)。番組台本だったり取材の質問状だったり、そういった素材類は早めにもらって、しっかり準備をしてから本番を迎えたいタイプですね。

——ミュージカル「コードギアス 反逆のルルーシュ 正道に准ずる騎士」では、スザク視点で物語が描かれていくとうかがっています。
赤澤 そうなんです。アニメでは基本的にルルーシュ視点で進んでいくので、それがスザク側から描かれるとなると新鮮ですよね。ミュージカルの台本にはスザクのモノローグであったり、原作にはないユフィ(ユーフェミア・リ・ブリタニア)とのやりとりなども登場するので、そういった意味でも新たな彼らに出会える作品になっていると思います。



——ミュージカルということで、劇中歌にも注目が集まっています。
赤澤 音楽の坂部剛さんによる楽曲が、数多く登場します。ミュージカルにすることによって、より世界観や登場人物の心情が伝わりやすくなる部分もあると思いますし、本当にすてきな楽曲なので期待していてください。僕もスザクへの解釈と、彼自身の気持ちとを連動させて、しっかりとつくりあげていきたいです。

——ルルーシュ役の小南光司さんとは共演経験も多く、プライベートでも交流があるそうですね。
赤澤 僕と小南さんも親友同士で、そんな彼がルルーシュ役に決まってすごくうれしかったです。小南さんとはデビュー当時からの仲で7、8年くらいの付き合いになるんですけど、最初の2、3年は芝居について意見をぶつけあったりして、よくケンカしていました(笑)。でもそこから何周もして本当に仲良くなりましたし、絆が深まったなと思います。お芝居の好みも似ているし、舞台の上で相手が何を考えているかわかるし、なんでも話せて背中を預けあえる相手です。

——そんな小南さんとW主演で挑まれるわけですが、今作で挑戦したいことは?
赤澤 皆さんがイメージする“スザク像”を絶対壊すことなく、僕らの芝居を通じて、より「コードギアス」を楽しんでもらえる舞台にしたいです。さきほどお話した原作にはないユフィとのやりとりもそうですし、アニメのコマとコマの間、カメラが映していなかった表情といったものをお届けできるのも舞台作品の魅力のひとつだと思っています。今作でも「このシーンのスザクはこんな表情をしていたんだ」「ここでスザクはこんなふうに考えていたから、あのシーンの言動につながったのか」といった発見、ミュージカルを見たからこそわかる解釈を投げていきたいです。

——アクションや、ナイトメアフレーム戦にも期待が高まります。
赤澤 ミュージカルでもスザクの「くるくるキック」が登場しますし、ナイトメアフレームに関しては演出家の吉谷晃太朗さんが“舞台作品ならではの表現”を考えているそうなので、僕もどうなるんだろうとワクワクしているところです。ほかにも原作の名場面、名ゼリフがたくさん登場します。僕の大好きなシーン、空から降ってきたユフィがスザクと出会うやりとりをはじめ、きっとみなさんの「これが見たかった、聞きたかった」という場面があると思います。ぜひたのしみにしていてください。



——最後に、上演をたのしみにされているみなさんへメッセージをお願いします!
赤澤 僕自身も原作が大好きで、稽古期間中からスザクと向き合えることがしあわせですし、本番を迎えるのが本当にたのしみです。原作ファンの方をよろこばせられるように、笑顔にできるように、カンパニーが一丸となって精一杯頑張ります。そしてミュージカルをきっかけに『コードギアス』に触れるという方にも、スザクって魅力的だよねって思ってもらいたいですし、作品そのものを好きになってもらいたいです。観劇後に絶対原作アニメを見たくなるようなミュージカル、役づくりをしていきたいなと思います。ぜひ劇場まで見に来てください。お待ちしています。



【取材・文:藤谷燈子/写真:後藤利江】

■ミュージカル「コードギアス 反逆のルルーシュ 正道に准ずる騎士」
期間:2023年9月16日(土)~9月18日(月・祝) 
会場:京都府 京都劇場

期間:2023年9月23日(土)~10月1日(日)
会場:東京都 サンシャイン劇場

スタッフ:原作=サンライズ、大河内一楼、谷口悟朗(アニメーション「コードギアス 反逆のルルーシュ」より) 演出=吉谷晃太朗 脚本=久保田唱 音楽=坂部剛 主催=ミュージカル「コードギアス 反逆のルルーシュ」製作委員会

キャスト:枢木スザク=赤澤遼太郎 ルルーシュ・ランペルージ=小南光司 ジェレミア・ゴットバルト=神永圭佑 コーネリア・リ・ブリタニア=齋藤千尋 ギルバート・G・P・ギルフォード=坪倉康晴 クロヴィス・ラ・ブリタニア=関隼汰 ロイド・アスプルンド=安井一真 セシル・クルーミー=浜浦彩乃 カレン・シュタットフェルト=早乙女ゆう 扇要=飯山裕太 藤堂鏡志朗=砂川脩弥 シャーリー・フェネット=長谷川里桃 ユーフェミア・リ・ブリタニア=木下綾菜 C.C.=小山璃奈

リンク:ミュージカル「コードギアス 反逆のルルーシュ 正道に准ずる騎士」公式サイト
    ミュージカル「コードギアス 反逆のルルーシュ 正道に准ずる騎士」公式Twitter・@musical_geass

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