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TVアニメ「シャドウバースF」EDテーマ担当・OCHA NORMAインタビュー 「小さい子供たちにも私たちのことを知ってもらえるのがうれしい」

人気TVアニメシリーズ「シャドウバースF」の「セブンスシャドウ編」EDテーマを担当するのは、ハロー!プロジェクトのアイドルグループ、OCHA NORMA(オチャノーマ)です。今回は番組中でゲストキャラクターの声も担当した斉藤円香(さいとう・まどか)さん、米村姫良々(よねむら・きらら)さん、田代(たしろ)すみれさんの3人に、夢だったというアニメテーマソングを歌うことが実現した想いを語っていただきました。また、今アイドルアニメは人気ジャンルのひとつ。現役アイドルの3人は、どんな目線でアイドルアニメを楽しんでいるのか? 興味深いお話もうかがいました。



小さい子たちにもOCHA NORMAを知ってもらえるのがうれしい

――OCHA NORMAの3rdシングル収録曲「シェケナーレ」が、「シャドウバースF セブンスシャドウ編」のEDテーマになりました。放送が始まってからの反響はどうですか?
斉藤 私はもともと「シャドウバース」はスマホアプリをプレイしていて、アニメも兄といっしょに観ていたんですよね。それもあって兄がものすごく喜んでくれたのがまずうれしかったです。(EDムービーで)ツバサ、シオン、レンがダンスをしているのを見て、「これはすごい。誇れることだよ」と言ってくれて、実際にアニメファンの方には好評なようなので、今回のEDテーマを歌うことができて本当によかったなと思います。


OCHA NORMAの斉藤円香さん


米村 EDムービーでのダンスは私たちOCHA NORMAが実際にライブで踊っているダンスでもあって、アニメを観ると感慨深いというか、幸せな気持ちが込み上げてきます。私たちのファンの方もアニメを観てくれていて、先日開催したイベントでは、「めっちゃいいエンディングだよね」と言ってくださる方が多くてうれしかったです。


OCHA NORMAの米村姫良々さん


田代 ファンの方の応援もうれしいし、「シェケナーレ」がEDテーマになることで、小さい子供たちに私たちのことを知ってもらえるのもうれしいです。


OCHA NORMAの田代すみれさん



――アニメのテーマソングきっかけでアーティストのファンになるというのは、今の大きな流れです。
斉藤 それこそ私がハロー!プロジェクトを好きになったのも、(ハロー!プロジェクトの)Berryz工房さんが歌っていた「イナズマイレブン」のEDテーマがきっかけなんです。まだ私が小学校低学年のころで、「イナズマイレブン」からBerryz工房さんを好きになって、ハロー!プロジェクトも好きになって、今ここにいます。そのときの私みたいに、小さい子たちが「シャドウバースF」きっかけでOCHA NORMAを好きになってくれたら最高に幸せだし、自分自身のそういう体験もあって、EDテーマに決まったと聞いたときは楽しみでいっぱいでした。

――「シェケナーレ」は聴くと元気になる曲ですね。
米村 そうなんですよ。クセになるノリのよさで、「前向きになる曲だね」って、たくさんコメントをいただいています。毎日これを聴いて、元気な気持ちになってほしいです。

――今回、3人は第51話でゲストキャラの声優も担当しました。アフレコは初めてだったと思いますが、経験してみてどうでしたか?
米村 ブースの中には3本のマイクだけで、ガラスの向こう側から大勢のスタッフさんに見守られるという状況に緊張しまくりでした。ふだんの楽曲レコーディングではヘッドホンをして、ブースの向こうにいるのはディレクターさんとあとひとりくらい。マイクにはできるだけ近づいて歌うので、いつもの調子でグングン近づいていったら「そんなに近寄らなくてもいいよ」と笑いが起こって(苦笑)。もう、何もかもが真逆でした。しかも台本を手に持って、モニタの絵に合わせてセリフを言うというのが本当に難しくて。アニメのアフレコってこんなに大変なんだ、声優さんって本当にすごい方たちなんだなと思いました。

斉藤 実は私は空気感や心構えを掴んでおきたくて、本番1週間前に他の回のアフレコを見学させてもらっていたんですよ。イメージトレーニングもして「さあやるぞ!」って当日を迎えたんですけど、マイク前に立った瞬間、頭が真っ白になってしまって、ドキドキが止まりませんでした(苦笑)。

田代 セリフのほかにガヤの声も録って、そのとき音響監督さんから自由にやっていいよと言われたんですよね。考える暇もなくすぐ録りに入って、やってみたらすごくいい感じだと褒めていただけて。悩むよりまずやってみるというのが大事なんだと、改めて良い経験をさせていただいたなと思います。

斉藤円香さんは、かなりのアニメ好き!


斉藤円香さん


斉藤円香さん


――ライブや番組出演など忙しい日常だと思いますが、皆さんはふだん、アニメは観られるんですか?
米村 観ます。アイドルのお仕事は移動時間が長いので、そのときにスマホで観る子はけっこう多いと思います。

斉藤
 多分グループでは私が一番のアニメ好きで、スマホじゃなくて、どうしてもテレビの大きい画面でリアタイしたい作品もあったりするくらいです。兄が3人いる影響で、ジャンプ系やバトルものが好きで、小さいころは「家庭教師ヒットマン REBORN」「アイシールド21」「デジモン」とか。「呪術廻戦」は漫画も全巻持っていて、映画(「劇場版 呪術廻戦 0」)も観ています。最近だと「ブルーロック」に「AYAKA -あやか-」とか。

――「AYAKA -あやか-」はオリジナル作品ですし、アニメ好きでないとなかなか注目が向かない作品かもしれません。
斉藤 「AYAKA -あやか-」は印象的な作品世界に引き込まれますね。

田代 私は小学生のころは「アンパンマン」が好きで、あとは「ドラえもん」と「クレヨンしんちゃん」。夜7時くらいからの放送で、いつもご飯を食べながら観ていました(笑)。最近だと「僕のヒーローアカデミア」を観ていて、私もアイドルを目指していたし、ヒーローを目指して頑張る主人公たちの姿には共感を受けますね。麗日お茶子ちゃんがすごくかわいいんですよ。

米村 私は小さいころは「極上!!めちゃモテ委員長」が大好きで観ていました。最近だと「【推しの子】」がすごくおもしろかったです。

――米村さんはTikTokで「【推しの子】」の主題歌「アイドル」の踊ってみたを投稿(OCHA NORNA 公式TikTok)して、今300万回再生を超える動画になっていますね。
米村 自分でもびっくりです。最初はちょっとやってみようかなと思って、レッスン着で踊ったのを投稿したんですよ。それを見たOCHA NORMAの衣装さんが声をかけてくださったのがきっかけで、まさかこんなにバズるとは。あれ以来、仕事先で「見たよ」と声をかけてくださる方が多くて、この間は初めてのスタイリストさんが「動画見て、いっしょにお仕事してみたいと思ってたんだよね」と話してくれて。こういう出会いもあるんだなと思って、めちゃくちゃうれしかったです。機会があればまたやってみたいですね。

フィクションだけど、共感も覚えるアイドルアニメ


米村姫良々さん


米村姫良々さん


――「【推しの子】」、アニメ自体はどんなところがおもしろかったですか?
米村 本当にあるのかどうかは別にしてですが、私たちも知らない芸能界の裏側を覗ける感じもあって、その物語性にまず引き込まれますね。パッと見、絵だけを見るとキラキラしたアイドルの話なのかなと思っていたら実際はそうではなくて、復讐劇というか、サスペンス的な進み方がすごくおもしろいです。同じアイドルとしてというよりは、イチ視聴者として楽しく観ていた感じです。

斉藤
 私はアニメ化の前から漫画を読んでいたんですけど、アイちゃんが「アイドルの仕事は上手にウソをつくことだ」なんて言うし、思っていたアイドル漫画と全然違って復讐劇が始まりだすし、内容がちょっと衝撃的すぎました。でも、いろんな想いを乗せながらアイドル活動しているというのがまた泣けるところで、そういう想いの強さって、活力だと思うんですよ。何かに一生懸命になれる子ってすごくすてきだし、ちょっと言葉にしにくい内容ではあるけど、米村が言ったように私たちの知らない芸能界を覗いているみたいで、この先どうなるのか最新話が待ち遠しいです。

田代 すごいお話ですよね。私もキラキラしたアニメを想像していたので、観てみてびっくりでした。

――「【推しの子】」のほかにもアイドルアニメはたくさんありますが、現役アイドルの立場だとどんな目線になるものですか?
斉藤 やっぱりフィクションとしてを楽しむ感じです。自分たちで曲をつくって、自分たちでマネジメントするようなお話も多くて、私たちとは活動の仕方がまったく違いますから。でも、そういう中でも自分たちに重ねられるシーンがあるから感情移入が深くなったり、影響を受けたりもするんです。例えば、ファンへの想いを巡ってメンバー同士がぶつかり合っているのを見ると、私自身ももっとこの想いをファンの皆さんに届けられるようにしたいと再確認するし、落ち込んでいるときに壁を乗り越えていくシーンを見ると、「私もできるぞ!」って心情がシンクロしていくし。

米村 私は斉藤ほどアニメをたくさん観ていないので深いことは言えませんが、「ラブライブ!」はすごいと思いますね。自分たちですべてをつくり上げていくというのに感動するし、こんな風にメンバー同士意思疎通してステージをつくっていくんだな、というのは、自分も実践してみようという気持ちになります。

田代 やっぱり気持ちが重なる部分があって、それで言うと私は「推しが武道館いってくれたら死ぬ」が好きなんです。内気な舞菜ちゃんが頑張る姿に共感して、私も頑張ろうって逆に勇気をもらえるなって思います。

夢をひとつひとつ叶えながら、目標は日本武道館


田代すみれさん


田代すみれさん


――「シャドウバースF」の公式サイトに「アニメテーマソングを担当するのがひとつの夢だった」というコメントを出されていますが、それが実現して、次に叶えたい夢、今後の目標とはどんなものですか?
米村 私たちOCHA NORMAのグループ名は「お茶の間」由来で、お茶の間の皆さんに元気を届けるという意味も込められています。OCHA NORMAのことをもっと多くの方に知ってもらうために、テレビや大きなイベントにもたくさん出られるように頑張りたいです。

斉藤 アニメ番組のエンディングテーマが叶って、もうひとつ、全国ツアーをやりたいとずっと前から言っていたんですよ。それも叶うことになって、そうしたら今度はもっと大きな目標、日本武道館に立つことが目標だなと思っています。いろんな活動を経て、もっともっと大きいステージで私たちOCHA NORMAのことを知ってもらいたい。武道館にメンバー10人で立つという夢は必ず叶えたいですね。

田代
 私は海外公演もしてみたいです。日本だけでなく、海外にもOCHA NORMAを広めて、ファンの輪を海外まで広げるのが大きな夢ですね。

――「シャドウバースF」のEDテーマで初めてOCHA NORMAを知ったという方もいるはずです。今後OCHA NORMAに会えるイベントや公演があれば教えてください。
米村 ちょうど10月7日から、先ほど斉藤が言った全国ツアー「ウチらの地元は日本じゃん!」が始まります。来年も含め47都道府県すべてを巡る長いツアーで、地方の方も「この場所なら行ける」という会場がきっとあるはずです。地元公演があった際にはぜひ足を運んでいただけるとうれしいです。

斉藤 OCHA NORMAはメンバー10人、出身地が全員バラバラで、それぞれの地元を巡るだけでもけっこうなツアーになるんですよね。今回はそれプラスまだ行ったことがない土地にも行くのが楽しみです。

田代 全国ツアーが叶ったのはうれしいんですけど、初めての体験だから不安と緊張もあってドキドキです。叶えたい夢はまだまだたくさんあるので、このツアーでたくさんのことを学んで成長したいと思います。「シェケナーレ」でOCHA NORMAに興味をもってくださった皆さん、ぜひ私たちの楽しいライブを見に来てください!

プロフィール



●OCHA NORMA(オチャノーマ)/2021年12月、ハロー!プロジェクトの新グループとして結成。2022年7月、1stシングル「恋のクラウチングスタート/お祭りデビューだぜ!」でメジャーデビュー。2022年12月、第64回輝く!日本レコード大賞「新人賞」受賞。グループ名は【みんなが集うほっとする場所(お茶の間)】とラテン語で「規準/基準」という意味をもつ【NORMA(ノルマ)】をかけあわせた造語で、「お茶の間を楽しませる、新世代のスタンダードとなるような存在に」という願いが込められている。

【撮影・取材・文:鈴木康道】

OCHA NORMA
「ちょっと情緒不安定?…夏/オチャノマ マホロバ イコイノバ~昭和も令和もワッチャワチャ~/シェケナーレ/ヨリドリ ME DREAM」
発売中
価格:初回生産限定盤 2100円(税込)/通常盤 1400円(税込)

リンク:OCHA NORMA公式サイト
    OCHA NORMA公式Twitter・@ocha_norma
    TVアニメ「シャドウバースF(フレイム)」公式サイト

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