アニメ

真っすぐなエリーゼのことを応援したくなる——。TVアニメ「外科医エリーゼ」リンデン役・阿座上洋平インタビュー

「外科医エリーゼ」よりエリーゼ・ド・クロレンス
©yuin,mini/Surgeon Elise Project


現在放送中のTVアニメ「外科医エリーゼ」。本作は二度の転生を経験し、三度目の人生として再び〝一度目の自分〟に戻っていたエリーゼ・ド・クロレンス(CV:石川由依)が主人公です。悪女皇后として処刑される10年前に転生した彼女は、悲劇のきっかけとなった皇太子であるリンデン・ド・ロマノフ(CV:阿座上洋平)との結婚を回避し、ふたたび医者になりたいと決意するが——。Web Newtypeでは、エリーゼ役の石川さんに続き、リンデン役・阿座上さんにもインタビュー! 作品やキャラクターについてはもちろん、スタッフ陣とのやりとりや、アフレコ現場のこぼれ話などもうかがいました。


リンデン・ド・ロマノフ役:阿座上洋平さん


——まずは、作品の第一印象からお聞かせください。
阿座上 いわゆる「転生もの」のなかでも、主人公であるエリーゼは二度も転生していて、三度目の人生が描かれるという設定がおもしろいですよね。そして何より、エリーゼが魅力的なキャラクターなんです。二度の転生を経ての三度目の人生ということもあって、おごったところがないというか、人の命を救いたいと真っすぐに取り組んでいきます。リンデン視点で日本語版の原作コミカライズを読んでいたのもあるんでしょうけど、そんなエリーゼの姿がすごく印象的でした。僕個人としても親近感や感動を覚えましたし、こうやって応援したくなる主人公がいる作品であることも「外科医エリーゼ」の魅力だと思います。

——ご自身が演じるリンデンの魅力については?
阿座上 最初のうちはミステリアスで、なかなか読めない人物として登場します。そんなリンデンが時に頼り甲斐があるような雰囲気を出したり、のちのちエリーゼの目を通じて彼の気持ちがほんのりと伝わってくるところが魅力なのかなと。わかりやすく〝クールでかっこいいキャラ〟だとか、〝実はいいやつ〟といった描かれ方はしていないんですよね。エリーゼは一度目の人生でリンデンに火炙りの刑に処されましたけど、今生では彼女の変化によって、新たな関係を築いていくことになります。その過程でにじみ出るリンデンの感情を、どれだけ淡いニュアンスの芝居で伝えるのかという視点が、彼を演じるうえで大切なのかなと思っています。


「外科医エリーゼ」よりリンデン・ド・ロマノフ
©yuin,mini/Surgeon Elise Project


——リンデンを演じるうえで、ほかに意識されていることはありますか?
阿座上 最初のアフレコには、恐ろしくて厳しい人物として役づくりをしていきました。エリーゼとの過去のこともありますし、クールで冷たい感じを意識したところ、監督たちからのディレクションでも「いまの温度感をこの先も強く持っていてもらいたい」と言っていただきました。第1話以降は、話数を重ねるごとに、少しずつ氷が溶けていくようなイメージで芝居をつけています。

——ディレクションのお話も出ましたが、とくに印象に残っているスタッフ陣とのやりとりを教えてください。
阿座上 さきほどお話しした「どれだけ淡いニュアンスの芝居伝えるのか」という視点はスタッフさんたちとの共通認識でもあったので、リンデンを演じるうえで「はっきりさせない」ことがポイントでした。アフレコを通じて「あえて、もう少しやさしく」「ちょっと笑顔が出すぎたかな」といった微妙なラインを、お互いに探っていたような気がします。いずれにしても、やりすぎちゃいけないというリンデンならではのさじ加減は、役者として毎回勝負でしたね。だからこそ、あんまり考えすぎても逆によくないなと思ってその場で出したものにOKをもらえたときは、本当にうれしかったです。

——井上和彦さん演じる皇帝・ミンチェスターとは、親子の間柄です。
阿座上 体調を崩していることがうかがえるような芝居もされつつ、皇帝としての芯があって、さらにやわらかい雰囲気のなかに色気もあるんですよね。和彦さん演じるこの父から、息子のリンデンをどうしぼりだそうかと思っていました(笑)。もとい、彼を父親に持つことでリンデンはどう成長してきたんだろうなと考えたりもしました。


「外科医エリーゼ」よりミンチェスター・ド・ロマノフ
©yuin,mini/Surgeon Elise Project


——収録現場の様子はいかがでしたか?
阿座上 楽しかったですね。和彦さんだけ別室で収録されていたので、そこを王室と呼んでいました。「父よ、王室へどうぞ」って言ったり(笑)。僕ら4名ぐらいがいるブースと隣り合っていて、ガラス張りでお互いの様子もわかるし、和彦さんの声を聞きながらわきあいあいと収録しました。

——最後に、皆さんにメッセージをお願いします。
阿座上 第2話の「婚約を望んでいないと誰が言った?」というセリフ、PVにも登場したあの言葉は、一度目の人生のリンデンとは雰囲気が少し変わるように演じています。彼が今後どんなふうにエリーゼと絡み、関係が変化していくのか、ぜひ注目していただけたらと思います。そして第3話以降は、エリーゼの三度目の人生の分岐点にもなっています。二度の転生を経て冷静になったのかと思いきや、誰かを助けたい一心で飛びこんでしまう危ういところもあるので、誰が彼女をサポートしていくのか? リンデンはどう立ち回っていくのか? そういったところも楽しみにしていただきつつ、僕たちと一緒にエリーゼを見守ってもらえたらうれしいです。


リンデン・ド・ロマノフ役:阿座上洋平さん


【撮影:尾形正茂/取材・文:藤谷燈子】

■「外科医エリーゼ」
放送:AT-X…毎週水曜 21:30~
TOKYO MX …毎週水曜 25:00~
BS日テレ…毎週水曜 25:00~
カンテレ…毎週木曜 26:55~
配信:各動画配信サービスで配信中

スタッフ:原作…yuin(小説版「外科医エリーゼ」)、mini(漫画版「外科医エリーゼ」)/監督…羽原久美子/シリーズ構成…赤尾でこ/キャラクターデザイン…渡部裕子/美術監督…柴田聡/色彩設計…渡辺亜紀/撮影監督…野村雪菜/音響監督…小沼則義/音響効果…安藤由衣/音響制作…Simplicity/音楽…伊藤賢/音楽制作…ランティス/アニメーション制作…MAHO FILM/Associate Producer…Kakao Entertainment Corp./製作…Surgeon Elise Project

キャスト:エリーゼ・ド・クロレンス…石川由依/リンデン・ド・ロマノフ…阿座上洋平/ロン…日野聡/グレアム・ド・ファロン…細谷佳正/レン・ド・クロレンス…小野大輔/クリス・ド・クロレンス…下野紘/ユリエン・ド・チャイルド…潘めぐみ/ミハイル・ド・ロマノフ…斉藤壮馬/ミンチェスター・ド・ロマノフ…井上和彦

リンク:「外科医エリーゼ」公式サイト
    「外科医エリーゼ」公式X(Twitter)

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