キャスト

「ダンジョン飯」の収録はいつも空腹――TVアニメ「ダンジョン飯」キャスト座談会

©九井諒子・KADOKAWA刊/「ダンジョン飯」製作委員会


TVアニメ「ダンジョン飯」、どんどんいろいろな料理が出てきて夜に見るとお腹が空いてたいへん――そんな「ダンジョン飯」、アフレコ現場はどんな感じなのか?
ライオス役熊谷健太郎、マルシル役千本木彩花、チルチャック役泊明日菜、センシ役中博史に収録時の様子、そして互いの印象を語ってもらいました。



──キャストの皆さんにとってこの作品のおもしろさとはどんなところですか?
熊谷 原作に出てくる料理や食事がアニメーションで描かれると……食べたくなるんです。実際、収録中におなかの音が聞こえてくるんですよ。
一同 (笑)。
泊 そうそう。食べたくなりますね。
千本木 センシの料理シーンは「おいしそうだな」って思いますね。
 おなかがすきすぎてまずいときがありますよね。そういうときは収録の途中にお菓子をつまみに……(笑)。
熊谷 マルシルのお芝居は消費カロリーが特に高いじゃないですか。それがよりおなかをすかせる後押しになっているんですかね。
千本木 確かににカロリーは使ってますね。収録後はおいしいご飯が食べられます(笑)。
熊谷 そうそう。収録の後の食事に影響してくるんですよ。アニメに出た食事に近いものを食べたくなる。第1話の収録時期は冬だったので、お鍋がおいしい季節だったんですよね。きょうは鍋かな……って収録中に思っていました(笑)。

──それぞれのキャラクターの印象を教えてください。中さんが演じるセンシはいかがですか?
 センシ、かわいいんですよ!
千本木 中さんが演じるセンシは、原作で読んでいたまんまと言いますか。パーティを支えてくれる存在であり、ちゃめっ気があるかわいいマスコットだと思っています。
熊谷 シブさとチャーミングさが両立している中さんのお芝居が本当にすてきで、今の自分にはとうてい出せない深みにあこがれます。アフレコの姿を拝見してすごいな、かっこいいなと思うのと同時に笑いをこらえるのが大変です。
 センシは変わった人だと思うんですけど、周りとの距離感が難しいんですよね。パーティの皆さんとの距離をもっと縮めたくなるときがあるんですけど、それだとセンシじゃなくなってしまう。収録しながら(周りのキャラとの)距離を測っている感じですね。
 距離感の難しさは私も感じていて、チルチャックにも同じような感覚があるんです。でも、そうやって私たちが距離感に悩んでいるライブ感も大事にした録り方をしているので、すごくおもしろいですね。
 ドラマって、キャラクター同士がなじみはじめるとおもしろくなる場合もあるんだよね。対立したり、葛藤しているときが一番おもしろい。
熊谷 「ダンジョン飯」のおもしろさはまさにそこですよね。仲よくなりすぎないところがおもしろい(笑)。

──泊さんが演じるチルチャックの印象はどうでしょう?
千本木 かわいいです! チルチャックはいつも「何だかなー」みたいにぼやいたりしていますけど、それも「はいはい」っていなせる感じがかわいいんです。
熊谷 それでいてツッコミ役なんですよね。チルチャックが周りを俯瞰で見ていて、的確にツッコんでくれるからこそ、みんなが引き立っているんですよね。そして、泊さんの男の子ボイスと、チルチャックのくたびれ感が絶妙にマッチしいている。
 そう。(チルチャックは)たぶんいちばん頑固なんだと思います。見た目が子供のようだから、子供のわがままみたいに見えるけど意思は固い。ある意味でいちばんめんどくさいやつですよ(笑)。
一同 なはは(笑)。
 確かに(笑)。

──千本木さんが演じるマルシルはいかがですか?
熊谷 魔物食やダンジョンで起きる事象に、いちばん純粋なリアクションをしてくれる人ですね。そんなマルシルのリアクションを、千本木さんがとても豊かに表現してくださるので、振り回す側としては楽しいですね(笑)。ときおり……ごめんね!って思うこともありますけど。
 千本木ちゃんとはいろいろな作品でごいっしょしているけど、ここまで激しい役をやっているのを見るのは初めてでした。特に第1話の「うわっおいしい!」が本当に忘れられませんね。皆さんに収録の場をお見せできないのが残念なのですが、本当に「あ、食べたんだな!」というリアクションだったんですよ。
 マルシルがリアクションすると、作品にパッと色がつくんですよね。喉に負担がかかるだろう「ぎゃーっ」という声を、迷いなく本番でポンと出せる強さがあるから、こちらも聞いていて、とても気持ちいい。
千本木 ありがとうございます。私は「こうしてやろう」といろいろ考えすぎず、マルシルがどう思うかを素直に考えて現場に入っていて。ライオスの言い方が気持ち悪かったら「気持ち悪い!」って声に出しているだけなんです(笑)。
 そうやって自分から何が出るのかを、自分で楽しむのがいいんだろうなと思いますね。みんなで収録していくうちに「こんなのになっちゃった」というのが楽しいんです。

──そして、熊谷さんが演じるライオスは?
 マルシルとチルチャックは、ライオスとずっとパーティを組んできたという過去があるけれど、ちゃんとわかり合っているわけじゃないんですよね。熊谷さんとしっかりとごいっしょするのはこの作品が初めてだったので、どれくらいの距離感がいいのか考えながら第1話の収録に行ったんです。セリフのひとつひとつを手探りで距離感をつくっていったのは本当に楽しかったですね。今でも「そう返ってくる?」みたいな掛け合いがあるので、毎回楽しいです。
 そう。(熊谷さんは)「天然」を現場にもってこれる役者だよね。
 そうですね!
熊谷 え、僕の話ですか? ライオスの話じゃなくて?
 いや、おもしろいんだよ。ライオスが勘違いしている感じは芝居かな? 本人が勘違いしているだけかな?って(笑)。
熊谷 えっ? 僕の話……?
 いや、すごいことだと思うよ。役柄(ライオス)と本人(熊谷)の差があまりないってことだから。
千本木 いやもう……ぴったりだと思います。収録現場で熊谷さんがしゃべりはじめると「あ、ライオスだ」と思えるんです。そうやってずっとアフレコ現場を引っ張ってくださっているので、すごく頼りになります。

──まだ収録も続いているそうですが、このチームワークでこれからも頑張ってください!
熊谷 現場では、中さんがいろいろなお話をしてくださって。泊さんが盛り上げてくださって。千本木さんがグッと引っ張ってくれている。すごくいい雰囲気で収録ができています。これからも頑張っていきたいです!

--------
発売中のニュータイプ2月号では、「ダンジョン飯」特集記事あり!
シリーズ構成・うえのきみこさん、そして「ダンジョン飯」初インタビューとなる九井諒子さんのインタビュー記事を掲載!
ライオス一行が向かうのは敵か、それとも飯か?なB2ポスターが付録です!

【文・構成/志田英邦】
※この記事はニュータイプ2023年1月号に掲載されたインタビューを再掲載したものです。



TVアニメ「ダンジョン飯」
●毎週木曜夜10時30分~ TOKYO MXにて放送中

スタッフ:原作…九井諒子(「ダンジョン飯」/KADOKAWA刊)/監督…宮島善博/シリーズ構成…うえのきみこ/キャラクターデザイン…竹田直樹/モンスターデザイン…金子雄人/コンセプトアート…嶋田清香/料理デザイン…もみじ真魚/副監督…佐竹秀幸/美術監督…西口早智子、錦見佑亮(インスパイア―ド)/美術監修…増山修(インスパイア―ド)/色彩設計…武田仁基/撮影監督…志良堂勝規(グラフィニカ)/編集…吉武将人/音楽…光田康典/アニメーション制作…TRIGGER

キャスト:ライオス…熊谷健太郎/マルシル…千本木彩花/チルチャック=泊明日菜/センシ…中博史/ファリン…早見沙織/ナマリ…三木晶/シュロー…川田紳司/カブルー…加藤 渉/リンシャ…高橋李依/ミックベル…富田美憂/クロ…奈良徹/ホルム…広瀬裕也/ダイア…河村螢

ストーリー:地下迷宮(ダンジョン)の奥深くで、ドラゴンに襲われすべてを失ってしまったライオスたち。彼らにはすぐにダンジョンに戻らねばならない理由があった。しかし食料も何もかも失っている一行、いったいどうすればいい? そうだ、食料がなければモンスターを食べればいいじゃない。ライオスの決意は固かった──

リンク:TVアニメ「ダンジョン飯」公式サイト

©九井諒子・KADOKAWA刊/「ダンジョン飯」製作委員会

この記事をシェアする!

MAGAZINES

雑誌
ニュータイプ 2024年5月号
月刊ニュータイプ
2024年5月号
2024年04月10日 発売
詳細はこちら

TWITTER

ニュータイプ編集部/WebNewtype
  • HOME /
  • レポート /
  • キャスト /
  • 「ダンジョン飯」の収録はいつも空腹――TVアニメ「ダンジョン飯」キャスト座談会 /