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まもなく開催「涼宮ハルヒの弦奏 Revival」「『らき☆すた』オーケストラコンサート~20周年だよ、全員再集合!~」神前暁インタビュー

2000年代を代表する人気アニメ作品である「涼宮ハルヒの憂鬱」と「らき☆すた」。作品はもちろんのこと、その楽曲たちも多くのファンに愛され続けています。そんな2作品の人気楽曲が、オーケストラ編成によるコンサートとして開催されます。まず2024年1月20日に行われるのは「涼宮ハルヒの弦奏 Revival」。これは2009年に行われたコンサート「涼宮ハルヒの弦奏」のリバイバル公演で、じつに15年を経ての再演。さらに2024年2月4日には『「らき☆すた」オーケストラコンサート~20周年だよ、全員再集合!~』も開催。こちらは原作20周年を記念した、「らき☆すた」初のオーケストラコンサートとなります。それぞれの音楽を手がけた神前 暁(MONACA)さんにお話をうかがいました。

こんなにも曲の表情が変わるのかと感動

――「涼宮ハルヒの弦奏」の、15年ぶりの再演が決まりましたね。
神前 僕自身、2009年のコンサートが最初で最後だと思っていましたから、お話を聞いた際は「まさか?」って思いました。

――前回は神前さんも出演されて楽曲解説をされていました。
神前 当時、サントラCDのブックレットなどで、全ての曲に自分で解説コメントを入れるというお約束ネタのようなことをやっていたので、その流れで解説を任されました。

――元楽曲の解説だけでなく、オーケストラ版の感想も交えた完成度の高い解説でした。
神前 感想は完全にアドリブなので、かっこ笑いっていう感じでしたけど(笑)。じつはコンサートの当日までどんなふうに演奏されるのか知らなかったんです。オーケストラの楽譜は僕が書いているわけではないので、こんなにも曲の表情が変わるのかと感動した覚えがあります。

――そもそもの話ですが、神前さんにとって「クラシック音楽」とはどんな存在ですか?
神前 両親がクラシック音楽好きだったので、小さいころからコンサートには連れていかれた記憶があります。ただ、やっぱり子供にはちょっと難しかったようで、いつも途中で眠っちゃってました(笑)。学生時代は吹奏楽部だったものの、弦楽器の世界とは縁遠かったので、ちゃんとクラシック音楽に触れたのはむしろプロになってからだと思います。

――そうなんですね。コンサートでとくに印象に残っている楽曲はありますか?
神前 どれも印象的ですが、「恋のミクル伝説」は強烈に覚えていますね。冒頭、ベートーヴェンのような繊細で雄大な演奏に心を掴まれた瞬間、「こう来たか」と落とされる感じなど、とにかく一度聞いていただきたいです。あと最後の「God_knows...」も印象深いです。勇壮なアレンジと平野綾さんの力強い歌唱が相まって、思わず「オルレアンの乙女(ジャンヌ・ダルク)」を連想したくらいですから(笑)。

――「God knows...」は作品を代表する楽曲のひとつですが、制作当時はかなり苦労されたと伺いました。
神前 本当に大変でした。吹奏楽出身なので、そもそもバンド演奏の楽曲には苦手意識があったんです。さらに、バンド編成でのレコーディングは「God_knows...」が初めてということもあり、スタジオに入っても何をしたらいいか分からず、ただオロオロしていました(笑)。見かねたギタリストの西川進さんが「じゃあ僕が進めますね」と現場を仕切ってくれたんですけど、さらに厚かましいことに「長門有希は人間じゃないので思いっきり超絶技巧でお願いします」と無茶振りな注文までしてしまって(笑)。

――その結果、あの名曲に仕上がったんですね。
神前 そうですね。それで言えば「ドラムとベースは高校生レベルでお願いします」ともお願いしました。本当に当時はミュージシャンの方々に助けられっぱなしでしたね。

――神前さんからすれば、これがTVアニメシリーズのデビュー作ですからね。
神前 そうなんです。それまでは歌モノ自体もほとんど作ったことがなかったんですけど、「涼宮ハルヒの憂鬱」では多くの挿入歌も任せていただいて、とてもいい経験になりました。歌モノと劇伴、どちらも作る音楽家としてキャリアを重ねることができたのは、間違いなくこの作品のおかげです。感謝しかないですね。

――コンサートでは、出演者の皆さんも15年ぶりの集結ということになりますね。
神前 奇跡的ですよね。「再演」の2文字では言い表わせない重みを感じます。ちなみに前回は「SOS団仮団員」という肩書きだったんですけど、今回も「仮団員」のままでした(笑)。15年たっても「仮」なんだと思うと、ちょっと面白いです。15年ぶりの演奏を聴いてどんな感情を抱くかは分かりませんが、今回も感じたままを素直に解説させていただきます。もしかしたら、懐かしさで泣いちゃうかもしれません(笑)。

コアなファンにこそ喜んでもらえる仕掛けが満載

――「らき☆すた」に関しては初のオーケストラコンサートです。
神前 まだ演奏を聴いていないので、どうアレンジされているのか、純粋にドキドキしています。セットリストを見た限り、かなり攻めてます(笑)。斎藤(滋)プロデューサーが「今回のコンサートも悪ノリしています」と コメントしている通り、コアなファンにこそ喜んでいただける内容になっていると思います。

――「らき☆すた」は歌モノがとても多いのが特徴ですよね。
神前 たしかに、当時はとにかくキャラソンを作りまくっていた記憶があります。劇伴と合わせると150曲を超えると思うので、僕自身かなり鍛えられました。当然、それらすべてを演奏するのは難しいと思いますが、どのくらい入るのかは楽しみですよね。

――そうなってくると、先ほどの「攻めたセットリスト」というのが気になってきます。
神前 あはは。まあ、今の話の流れを聞けば、ファンならピンと来るかもしれませんね。ネタバレはできませんが、期待を裏切らない構成になっていると思います。

――一方、劇伴曲もヒット作が多い印象です。
神前 「らき☆すた」の劇伴は、とくにネット経由で広まったものも多いんです。それだけシンプルでキャッチーだとも言えるので、その分アレンジ映えもするのではないかと期待しています。「フンフンフン♪だよ、らき☆すた」のような日常曲なら、「主旋律はファゴットかな?」とか、頭のなかで想像するのも楽しいです。

――2009年に行われた「らき☆すた in 武道館 あなたのためだから」は、ファンのあいだでは伝説になりました。今回も楽しみですね。
神前 あれはすごかったですね。何が起こるのか分からないコンサートに行くのってかなりの勇気がいると思うんですけど、「らき☆すた」ファンの方々ってそんなのおかまい無しなんですよね(笑)。今回のコンサートに来てくださる人の中には、あの時武道館にいた人も多いと思いますし、再び伝説になるかもしれませんね。

――神前さんも出演予定ですが、どんな役回りですか?
神前 どうやら「らき☆すた」の楽曲について自由に語っていい時間があるようなので、表には出せない話も含めてたくさん喋ろうかと思っています(笑)。

――生配信もされるようですが、大丈夫ですか?
神前 それは知りませんでした。まあでも、冒頭に「拡散禁止」ってアナウンスすればなんとかなりませんか?(笑)

――語りたいことがたくさんありそうですね。
神前 「らき☆すた」の楽曲って、僕が音楽家としてあのとき出せる要素すべてが入っている感じがするんです。自分らしさしかない”原液”なので、何十年たっても思い入れは強いんですよね。

――では最後に、ファンに向けてメッセージをお願いします。
神前 こんなにも長く作品を愛し続けてくれたファンの方々に感謝しつつ、個人的にはどこか同窓会的な雰囲気も感じています。フィルムコンサートということで、映像の演出もありますので、また新しい音楽体験ができると思います。ぜひみんなで楽しくお祝いしましょう。

【文・構成/岡本大介】

■原作20周年記念「涼宮ハルヒの弦奏 Revival」
日時:2024年1月20日(土)
1st   開場14:00 開演14:45(終演16:45ごろ予定)
2nd  開場17:30 開演18:15(終演20:15ごろ予定)
場所:川口リリアホール メインホール
出演:指揮=吉田行地 管弦楽=Heartbeat Symphony
ゲスト:涼宮ハルヒ(平野 綾)、長門有希(茅原実里)
司会:谷口(白石 稔)、 国木田(松元 惠)
SOS団仮団員:神前 暁 
※出演予定アーティストは変更になる場合もあります
https://w.pia.jp/t/suzumiyaharuhi-gensou/

<配信チケット情報>
▼特典グッズ付き配信チケット:8,000円(税込)
▼通常配信チケット:4,400円(税込)
※別途手数料がかかります。

<チケット特典>
【1st(昼の部)特典】オリジナルトートバッグ
【2nd(夜の部)特典】オリジナルTシャツ(ブラックver)
※特典グッズ付き配信チケットは数に限りがございます。予定枚数に達した時点で受付を終了する場合がございます。

◇配信チケット販売
2023年12月20日(水)~2024年1月27日(土)21:00

◇アーカイブ視聴期間
2024年1月20日(土)各公演終了後~1月27日(土)23:59
※公演終了後、アーカイブ視聴開始までに処理でお時間をいただく場合がございます。

□「ニコニコ生放送」で視聴する場合
受付ページ→https://dwango-ticket.jp/project/ljHz0BKrj9

□「PIA LIVE STREAM」で視聴する場合
受付ページ→https://w.pia.jp/t/suzumiyaharuhi-pls/


■原作20周年記念「『らき☆すた』オーケストラコンサート 〜20周年だよ、全員再集合!〜」
日時:'24年2月4日(日)
1st   開場13:00 開演13:45(終演15:45ごろ予定)
2nd  開場16:30 開演17:15(終演19:15ごろ予定)
場所:久喜総合文化会館 大ホール
出演:管弦楽=らっきー☆すたーオーケストラ a.k.a Heartbeat Symphony 混声合唱団=Nova Anima from ChoieL
司会:今野宏美(小神あきら 役)、白石 稔(白石みのる役)
ゲスト:福原香織(柊つかさ)、神前 暁(作曲家)
※出演者は変更になる場合もあります
https://w.pia.jp/t/luckystar-concert/

<配信チケット情報>
▼特典グッズ付き配信チケット:8,000円(税込)
▼通常配信チケット:4,400円(税込)
※別途手数料がかかります。

<チケット特典>
【1st(昼の部)特典】オリジナルトートバッグ
【2nd(夜の部)特典】オリジナルTシャツ(ブラックver)
※特典グッズ付き配信チケットは数に限りがございます。予定枚数に達した時点で受付を終了する場合がございます。

◇配信チケット販売
2024年1月12日(金)~2024年2月11日(日)21:00

◇アーカイブ視聴期間
2024年2月4日(日)各公演終了後~2月11日(日)23:59
※公演終了後、アーカイブ視聴開始までに処理でお時間をいただく場合がございます。

□「ニコニコ生放送」で視聴する場合
受付ページ→https://dwango-ticket.jp/project/Yxl1ks6TMC

□「PIA LIVE STREAM」で視聴する場合
受付ページ→https://w.pia.jp/t/luckystar-concert-film/

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