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冒頭から最後まで「ダンジョン飯」らしさが詰まったアニメになった――TVシリーズ「ダンジョン飯」プロデューサー・菊島憲文が語るスタッフの情熱

©九井諒子・KADOKAWA刊/「ダンジョン飯」製作委員会


食糧は迷宮内で自給自足する! TVシリーズ「ダンジョン飯」のオンエアが2024年1月4日から始まりました。原作は九井諒子さんが2014年から連載を続けてきた人気シリーズ。アニメ化を制作スタジオ・TRIGGERのみなさんが担当しています。本作を手がけてきた菊島憲文プロデューサーが作品を制作するスタッフやアーティストについて語ってくれました。


©九井諒子・KADOKAWA刊/「ダンジョン飯」製作委員会


――いよいよ「ダンジョン飯」のオンエアが始まりました! TRIGGERさんの魅せる演出と丁寧な作画がとても印象的ですが、あらためてTRIGGERさんと組んでみての手ごたえや感想をお聞かせください。
菊島 TRIGGERさんというとやっぱりオリジナル作品を手がけるスタジオという印象が強いと思うんですよね。今回は原作もののアニメ化ということで、驚かれた方も多かったんじゃないかと思います。でも、監督の宮島(善博)さんは原作者の九井諒子さんの大ファンで「ダンジョン飯」の世界観をすごく大切にされています。原作ファンの方も安心して見ていただきたいです。

――監督の宮島さんの作品愛が映像のあちこちに詰まっていますね。
菊島 宮島さんは「原作の読後感をアニメで体現したい」と目標を掲げられていたので、そこは私の考えているところと同じだなと思っていました。実は私は宮島さんと別作品で10年前くらいにお会いしていたんです。そのころは、お互いにまだ新人だったんですが、同い年ですごくシンパシーを感じていました。約10年経って、お互いに違う立場で同じ作品に関わっているということはとても嬉しいことですし、同世代ならではの感覚の近さも感じていて、とても信頼している監督です。

――宮島さんは今回がTVシリーズ作品初監督、今回のキャラクターデザインの竹田直樹さんも初キャラデザ。フレッシュな座組になりましたね。
菊島 そうですね。竹田さんは言うまでもなく絵が魅力的な方です。それだけでなく勉強熱心で、原作者の九井さんの絵をすごく練習したうえで、本作に取り組まれていますし、キャラクターデザインをするにあたって、「ダンジョン飯」の9年間の連載の中でアニメにするのにバランスが一番いい絵をしっかりとピックアップして、そこからデザインを起こされています。アニメのキャラクターデザインという役職は、原作者の絵の魅力をご自身の絵の持ち味にうまく乗せることが大事だと思うんですが、今回は竹田さんのセンスとバランス感覚が、しっかりと発揮されていると思っています。


©九井諒子・KADOKAWA刊/「ダンジョン飯」製作委員会


――シリーズ構成はうえのきみこさんが担当されています。うえのさんはコミカルな作品もお得意とされているベテラン脚本家ですが、ご一緒してみてのご感想はいかがですか?
菊島 実は、私がいままで参加した作品の中で、「ダンジョン飯」が一番早く本読み(脚本打ち合わせ)が終わったんです。これはうえのさんのお力が大きかったと思っています。うえのさんは漫画から映像の脚本へと落とし込むときに、漫画のコマの補完をうまくまとめてくださるんですが、ただ補完するだけでなくうえのさんらしい遊びの要素も入れてくださっています。九井さんにもシナリオをチェックしていただいていたんですが、毎回微調整するだけで決定稿にまで仕上げることができました。

――音楽はゲーム『クロノ・クロス』や『ゼノギアス』を手がけてきた光田康典さん。今回の音楽に光田さんを推薦されたのは菊島プロデューサーだと伺いました。
菊島 光田さんの音楽は、「ダンジョン飯」の世界観に直感的に合うと思ったんです。私は光田さんの作られた音楽とともに青春時代をおくってきたのですが、光田さんの幅広い音楽性ならこの世界観をきっと表現できると思いました。オファーしたところ、快く引き受けてくださって、本当に嬉しかったですね。

――光田さんには、どんな劇伴をリクエストされたのでしょうか。
菊島 「ダンジョン飯」はたくさんの人種や文化が入り混じっている世界が舞台なので、特定の国や地域が想像できるような音楽にしたくないというのは当初からありました。そこで「無国籍な音楽」というのをキーワードに楽曲をつくっていただきました。光田さんからは「中世古楽の楽器をポイントで用いることで、独特な世界観を表現できるのでは」というお話をいただいて、お願いしたのは間違いではなかったなと実感しましたし、私もレコーディングの一部を見学させていただいたのですが、中世古楽の演奏を実際に見ることができて、すごく貴重な経験をさせていただきました。きっとどこの国の音楽ともいえない唯一無二の音楽になっていると思いますので、ぜひ映像と一緒に音楽面も楽しんでいただきたいです。



――オープニングはBUMP OF CHICKENの「Sleep Walking Orchestra」、エンディングは緑黄色社会の「Party!!」。このラインナップもとても豪華ですね。
菊島 そうですね。BUMP OF CHICKENさんは地に足のついた歌詞、生活のにおいがするサウンド、死生観が「ダンジョン飯」のそれと重なると思いオープニング主題歌をお願いしました。作品全体のテーマ曲となるような楽曲をつくっていただけたと思っています。次に、エンディング主題歌は明るい曲を緑黄色社会さんにお願いしました。「ダンジョン飯」はシリアスな結末を迎えるエピソードもありますが、暗い気持ちで終わってほしくないと私も宮島さんも思っていました。「Party!!」というタイトルには、ライオス達のパーティーと、祝い事のパーティーのふたつの意味が重ねられているんじゃないかなと思っています。ちなみに、エンディングのイラストは、宮島さんからのリクエストで、九井さんが描いてくださっています。

――九井さんは月刊「ハルタ」107号(2023年9月15日発売)の「ダンジョン飯」の連載が完結してからエンディングのイラストを描かれたということなのでしょうか?
菊島 おそらくそうですね。最初は数枚だけをお願いする予定だったのですが、最終的に13枚もお願いできることになりました。かなりお忙しい時期だったと思いますが、快くお引き受けいただけたという感じです。

――九井さんのファンでもある宮島さんとしては嬉しい出来事でしたね。
菊島 宮島さんもすごく喜んでいました。頭から尻尾まで九井さんの世界観が詰まったアニメになったんじゃないかと思っています。

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本日発売のニュータイプ2月号では、「ダンジョン飯」特集記事あり!
シリーズ構成・うえのきみこさん、そして「ダンジョン飯」初インタビューとなる九井諒子さんのインタビュー記事を掲載!
ライオス一行が向かうのは敵か、それとも飯か?なB2ポスターが付録です!



【文・構成:志田英邦】

TVアニメ「ダンジョン飯」
●毎週木曜夜10時30分~ TOKYO MXにて放送中

スタッフ:原作…九井諒子(「ダンジョン飯」/KADOKAWA刊)/監督…宮島善博/シリーズ構成…うえのきみこ/キャラクターデザイン…竹田直樹/モンスターデザイン…金子雄人/コンセプトアート…嶋田清香/料理デザイン…もみじ真魚/副監督…佐竹秀幸/美術監督…西口早智子、錦見佑亮(インスパイア―ド)/美術監修…増山修(インスパイア―ド)/色彩設計…武田仁基/撮影監督…志良堂勝規(グラフィニカ)/編集…吉武将人/音楽…光田康典/アニメーション制作…TRIGGER

キャスト:ライオス…熊谷健太郎/マルシル…千本木彩花/チルチャック=泊明日菜/センシ…中博史/ファリン…早見沙織/ナマリ…三木晶/シュロー…川田紳司/カブルー…加藤 渉/リンシャ…高橋李依/ミックベル…富田美憂/クロ…奈良徹/ホルム…広瀬裕也/ダイア…河村螢

ストーリー:地下迷宮(ダンジョン)の奥深くで、ドラゴンに襲われすべてを失ってしまったライオスたち。彼らにはすぐにダンジョンに戻らねばならない理由があった。しかし食料も何もかも失っている一行、いったいどうすればいい? そうだ、食料がなければモンスターを食べればいいじゃない。ライオスの決意は固かった──

リンク:TVアニメ「ダンジョン飯」公式サイト

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