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各話見どころ紹介! Netflixで配信中、サイエンスSARU作品「スコット・ピルグリム テイクス・オフ」

©️2023 Universal Content Productions LLC


現在Netflixで配信中のアニメ「スコット・ピルグリム テイクス・オフ」。カナダ・トロントを舞台に、失踪した青年の行方を求めて、彼のことを愛している女性、ラモーナ・フラワーズが自身と以前交際していた「邪悪な元カレ軍団」の面々と相対していく物語だ。カナダのコミックを原作に、カルト的な人気を誇る実写映画版やゲーム版など他のメディアの要素も取り入れつつ、アベル・ゴンゴラ監督とサイエンスSARUによって新たなスコット・ピルグリムが描かれた。
今回はそんなアニメ「スコット・ピルグリム テイクス・オフ」をプレイバック。まだ観ていない方も、これから観る方も、その面白さの一端に触れてほしい!


©️2023 Universal Content Productions LLC


第1話「スコット・ピルグリムのかけがえのない人生」
無職の青年、スコット・ピルグリムは、トロントでバンド活動に明け暮れるのんきな毎日を過ごしていた。しかしある日、ジュリー・パワーズが開いたパーティーで何度も夢に見ていたレインボーヘアの女の子と出会い、恋に落ちてしまう。彼女の名は、ラモーナ・フラワーズ。スコットはラモーナがNetflixの配達員をしていることを知ると、すぐさまDVDをレンタルするのだった。そして二人は再会。スコットはラモーナをデートに誘うのだが……。一方、ラモーナの元カレたちは二人の行動を監視していて……?

第1話は、実写映画「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」と同じく、スコットとラモーナの出会いからスタート。様々なアニメ・ゲームのオマージュも入れつつ、丁寧に二人の関係性を積み上げていった。ところどころで垣間見えるスコットのダメっぷりも面白い。

絵コンテ・演出はアベル・ゴンゴラ監督。


©️2023 Universal Content Productions LLC


第2話「最凶の軍団」
ラモーナの最初の元カレ、マシュー・パテルによってスコットは殴られて死んでしまった。スコットの葬式には、彼を知る人々が一堂に会し、最後の別れを告げていく。ラモーナもまた参列しに行くが、そこへスコットの元カノで人気アーティストのエンヴィー・アダムズが現れる。同じころ、ニューヨークにある元カレたちのアジトでは、マシューがリーダーのギデオン・グレイヴズへスコットを倒した報償を求めて戦いを申し込んでいた。マシューが求めたのは、邪悪な元カレ軍団のリーダー権を含むギデオンの全財産。果たして、その結果は……?

第2話からは、アニメ独自のストーリーが進行。集結する邪悪な元カレ軍、エンヴィーの圧巻のパフォーマンスも見どころ。第2話の絵コンテ・演出は「SUPER SHIRO」「ユーレイデコ」の霜山朋久が担当。


©️2023 Universal Content Productions LLC


第3話「ラモーナビデオを借りる」
スコットの夢を見たラモーナは、彼が生きていると直感し、捜索を開始する。そして、ライブハウスの監視カメラ映像を調べると、マシューに殴られた瞬間、スコットがポータルに引きずり込まれる様子が映っていた。つまり、スコットは生きている! ラモーナはジュリーからスコットの親しい人を教えてもらい、訪ねながら彼の行方を追い始める。まず向かったのは、彼の元カノでバンド仲間だったキム・パインのバイト先。しかし、そこへラモーナの元恋人であるロキシー・リヒターが現れる。

スコット・ピルグリムがマシューに敗れなかった世界を描く映画の制作がスタートした第3話は、絵コンテ・演出を務めたモコちゃん(「平家物語」第5話や「四畳半タイムマシンブルース」第3話の演出・絵コンテを担当)の独特な描写が炸裂。映画の世界で戦うロキシー対ラモーナ戦が楽しい。


©️2023 Universal Content Productions LLC


第4話「くだらねぇ」
ラモーナは、邪悪な元カレ軍団の一人で映画スターのルーカス・リーに会うため、トロントの映画撮影所を訪れる。そこでは、スコットと親しかったヤング・ニールが脚本を書いた映画の撮影が始まろうとしていた。映画のタイトルは「スコット・ピルグリムのかけがえのない人生」。スコット役にルーカス、ラモーナ役にはエンヴィーを迎え、マシューに勝ったパラレルワールドを描くものだ。何故このようなストーリーができたのか。ラモーナたちが疑問を抱きながらも撮影が進んでいくが……。
映画の撮影所が舞台となり、ヤング・ニールの書いた脚本が何故本人たちしか知りえないことが描かれているのか、と今後の伏線が張り巡らされていく第4話。これまで1対1の戦闘がメインだったが、対多人数戦が観られるのもこのエピソードの面白さだろう。ロボットが鍵となることも、このエピソードから明らかなはず……? 

絵コンテ・演出は「月とライカと吸血姫」を手がけたベテラン・横山彰利。


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第5話「ライツ、カメラ、火花?!」
スキャンダルによってルーカスが降板し、スコット役にはロックスターでラモーナの元カレであるトッド・イングラムが決定する。制作ドキュメンタリーの撮影も並行して進む中、トッドはスコットのルームシェア相手であるウォレス・ウェルズのことを好きになってしまう。隙を見つけてはトレーラーハウスで契りを交わしていて、遂には恋人のエンヴィーに別れを告げるのだった。その宣言を許せないエンヴィーは、自身のスタントを務めるラモーナに代理戦争するよう求める。
映画のドキュメンタリーの撮影風景やその画面をメインに、現場がいかに崩壊していったのかを描く。トッドの恋にも注目。

絵コンテ・演出は、TVシリーズ「ドラえもん」などで活躍中の森山瑠潮。


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第6話「じっちゃんを縄にかけて」
映画は制作中止となった。ラモーナはジュリーがギデオンと一緒に住んでいるとの情報を入手し、すぐさま彼女の家へと向かう。そこでジュリーから、かつてのギデオンについて話を聞くのだが……。一方その頃、スコットの彼女だったナイブスは、バンドメンバーのスティーヴンとともにマシューのもとを訪ねていた。映画会社の社長となったマシューに求めたのは、「スコット・ピルグリムのかけがえのないミュージカル」への出資。二人は無事スポンサーを得るも、脚本をヤングが書いていないことが発覚する。

これまで散りばめられていた謎が一点に集約していく第6話。ラモーナを軸としていたスコット捜索編と、映画制作を軸にしたスコットの人生追憶編の二つが重なり合い、スコット復活へと辿り着く。絵コンテは「映像研には手を出すな!」副監督の本橋茉里、演出は「平家物語」第6話演出の長友孝和が手がけている。


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第7話「スコット・ピルグリム×2」
ヴィーガンポータルにスコットを引きずり込んだ犯人は、37歳のスコットだった。未来のトロントに降り立ったスコットは、未来の自分がラモーナと結婚し、別居した未来を教えられる。そう、彼の目的は、過去の自分がラモーナと付き合わないようにすることだったのだ! しかし、スコットはロボットが記録していたラモーナの映像を観て、未来の彼女に会いに行くことを決めた。そこで未来のラモーナは、過去の世界にとある物語を置いてきたことを明かし……。
スコットがポータルからどこへ行ったのか明かされる解決編。VRゲーム機の形がバーチャルボーイであるように、ゲームネタがいろんな箇所に組み込まれていることが面白いエピソードだ。舞台である未来のトロントが少し崩壊しているところにもツッコミたい。

絵コンテ・演出は「犬王」演出補佐・作画監督の前場健次。


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第8話「ザ・ワールドVSスコット・ピルグリム」
無事ラモーナはスコットと再会するも、二人の間にはフィールドが張られてしまっていて、キスすることができずにいた。そこで二人は、フィールドを仕掛けた犯人を捜して、ミュージカル会場で元カレたちに声を掛けていく。しかし、誰も仕掛けていないことが発覚し、真相は闇の中へ……。そんな中、舞台の幕が上がったが、物語が終盤に差し掛かったところで、スコットたちは異空間へと飛ばされてしまう。そこで現れたのは、47歳のスコットだった!?

第7話の年上スコットに続き、さらに年上スコットが登場する最終回。これまでラモーナが戦ってきた元カレ軍団も手を合わせ、もっと年上スコットに対抗する展開はどこか少年マンガを彷彿とさせる。なんでも収納できるラモーナのバッグなど、アニメらしい描写にも注目だ。

絵コンテはアベル・ゴンゴラ監督と本橋茉里、演出は副監督の藤倉拓也、長友孝和。

個性豊かなキャラクターにも注目!


左:スコット、右:ラモーナ
©️2023 Universal Content Productions LLC


スコット・ピルグリム(CV:下野紘)※年上スコット、さらに年上スコットは立木文彦
バンド・SEX-BOB-OMBでベースを担当している青年。現在は転職中……とのことだが、実態はただの無職。ウォレスの家に居候し始めてから、出ていく気配がない。何度も夢で見たラモーナに恋をする。

ラモーナ・フラワーズ(CV:ファイルーズあい)
ニューヨークからトロントへ引っ越してきたレインボーヘアの女性。現在はNetflixの配達員をしている。スコットに惹かれ、彼の行方を捜すために奔走する。酷い別れ方をした七人の元恋人がいる。


左:ギデオン
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ギデオン・グレイヴズ(CV:関智一)
邪悪な元カレ軍団を立ち上げた、ラモーナ七人目の元カレ。レコードレーベル2つと映画会社1つ、14のアニマルシェルターを率いていた実業家。本名はゴードン・グース。


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マシュー・パテル(CV:斉藤慎二)
ラモーナが中学時代に付き合っていた、一人目の元カレ。ブロードウェイを夢見ていて、大学では演劇を専攻していた。ギデオンから邪悪な元カノ軍団のリーダーの地位を奪い取る。


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エンヴィー・アダムズ(CV:花澤香菜)
常にパパラッチが付きまとうほどの人気ロックミュージシャン。まだ人気に火が付いていない頃、スコットと交際していた。


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ルーカス・リー(CV:中村悠一)
ハリウッドの伝説とも謳われた、イケメン俳優。高校時代にラモーナと交際していた、二人目の元カレ。問題行動を起こしがちで、エージェント会社も手を焼いている。スケボーが大好き。


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トッド・イングラム(CV:羽多野渉)
人気ロックアーティストにして、ヴィーガンの青年。11歳のときからエンヴィーと交際していたが、高校時代にラモーナと二股をした三人目の元カレ。ヴィーガンパワーを駆使し、異次元へのポータルを開くことができる。


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ロキシー・リヒター(CV:大空直美)
ラモーナと大学時代にルームメイトで、交際している時期もあった(四人目の元カレ)。


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ケン・カタヤナギ&カイル・カタヤナギ(CV:武内駿輔)
大学でロボット工学の研究助手をしている双子。ラモーナと同時期に交際をしていた(五人目、六人目の元カレ)。様々な時空に出現できるロボットを開発した。


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ナイブス・チャウ(CV:古賀葵)
SEX-BOB-OMBの熱心なファンで、スコットのことが大好きな女子高生。彼がいなくなってから、ベースとキーボードを始める。


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ウォレス・ウェルズ(CV:福西勝也)
スコットとルームシェアをしている皮肉屋な青年。ゲイで、筋骨隆々な男性が好き。


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ヤング・ニール(CV:川崎勇人)
スティーヴンのルームメイトで、バンドの練習をよく眺めているファンの一人。映画オタクで、「スコット・ピルグリムのかけがえのない人生」の脚本を書いたと言うが……?


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キム・パイン(CV:村中知)
SEX-BOB-OMBでドラムを担当しているスコットの元カノ。レンタルビデオ屋でバイトをしている。スコットとは幼い頃からの付き合い。


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スティーヴン・スティルス(CV:勝杏里)
SEX-BOB-OMBのバンドリーダーにして、ギターボーカル。ジュリーの元恋人。心配性な性格で、決断力がない。


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ジュリー・パワーズ(CV:小林ゆう)
トロントで初めて出来たラモーナの友人。ギデオンと同じ高校に通っていた。現在はコーヒーショップに勤めている。


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ステイシー・ピルグリム(CV:松岡美里)
ジュリーと同じコーヒーショップに勤務しているスコットの妹。

【文・構成:太田祥暉(TARKUS)】

「スコット・ピルグリム テイクス・オフ」
●Netflixにて全8話世界独占配信中

スタッフ:監督…アベル・ゴンゴラ/キャラクターデザイン…半田修平、石山正修、西垣庄子/総作画監督…石山正修/美術監督…小谷隆之/色彩設計…橋本賢、今野成美/撮影監督…伊藤ひかり、関谷能弘/編集…柳圭介/音響監督…木村絵理子/副監督…藤倉拓也/主題歌…Anamanaguchi /音楽…Anamanaguchi 、ジョセフ・トラパニーズ/オープニング・テーマ…ネクライトーキー「bloom」/エグゼクティブプロデューサー・脚本・共同ショーランナー…ブライアン・リー・オマリー&ベンデヴィッド・グラヴィンスキー/エグゼクティブプロデューサー…マーク・プラット、ジャレッド・ルボフ、アダム・シーゲル、マイケル・バコール、エドガー・ライト、ニラ・パーク、チェ・ウニョン/アニメーションプロデューサー…崎田康平/製作…UCP, a division of Universal Studio Group/アニメーション制作…サイエンスSARU

キャスト(英語版声優):マイケル・セラ/メアリー・エリザベス・ウィンステッド/サティヤ・バーバー/キーラー・カルキン/クリス・エヴァンス/アナ・ケンドリック/ブリー・ラーソン/アリソン・ピル/オーブリー・プラザ/ブランドン・ラウス/ジェイソン・シュワルツマン/ジョニー・シモンズ/マーク・ウェバー/メイ・ホイットマン/エレン・ウォン

キャスト(日本語版声優):スコット・ピルグリム…下野紘/ラモーナ・フラワーズ…ファイル―ズあい/ギデオン・グレイヴズ…関智一/マシュー・パテル…斉藤慎二/エンヴィー・アダムズ…花澤香菜/ルーカス・リー…中村悠一/トッド・イングラム…羽多野渉/ロキシー・リヒター…大空直美/ケン・カタヤナギ…武内駿輔/カイル・カタヤナギ…武内駿輔/ナイブス・チャウ…古賀葵/ウォレス・ウェルズ…福西勝也/ヤング・ニール…川崎勇人/キム・パイン…村中知/スティーヴン・スティルス…勝杏里/ジュリー・パワーズ…小林ゆう/ステイシー・ピルグリム…松岡美里/アナウンサー…マーク・大喜多


リンク:「スコット・ピルグリム テイクス・オフ」Netflixページ

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