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それぞれの愛と思いとこだわりが炸裂! TVアニメ「ダンジョン飯」特別先行上映会レポート


いよいよ2024年1月の地上波放送開始まで、残り4か月となった9月11日(月)、9月15日(金)。TVアニメ「ダンジョン飯」の特別先行上映会が都内某所で行なわれました。

会場に集まったのはSNSで募集された合計約200名(11日、15日それぞれ100名ずつ)のファン。ファンのみなさんが鑑賞できたのは、アメリカで開催されたAnime Expo 2023 やフランスで開催されたJapan Expo 2023、ドイツで開催されたAnimagiC2023 でプレミア上映された第1話と、世界初公開となった第2話。ライオスたちがダンジョンへ旅立ち、モンスターたちを多彩な料理に仕上げていく。初お披露目となった映像を見たファンのみなさんは満足のようす。上映終了後も温かい拍手が鳴りやまなみませんでした。やがて、上映を終えたばかりの会場にキャスト陣とスタッフ陣が登壇。ここでしか聴くことができないスタッフとキャストの貴重なトークが繰り広げられました。


写真左からチルチャック役・泊明日菜さん、ライオス役・熊谷健太郎さん、宮島善博監督、菊島憲文プロデューサー


11日の登壇者はライオス役の熊谷健太郎、チルチャック役の泊明日菜、監督の宮島善博、プロデューサーの菊島憲文の4人。4人はアニメの製作開始から今回の先行試写会までの道のりを振り返りながら、作品に対する想いを振り返ることに。それぞれの本作への愛とこだわりを伺うことができました。
そもそも本作のアニメ化の第1歩は、原作コミックス第8巻が発売されるときに公開されたPV(2019年9月)。



その時点で、菊島プロデューサーのもとで本作のアニメ化の企画が進んでいたものの、PVの制作にはノータッチ。アニメスタジオのTRIGGERでPVを制作することは、あとから知ったとのこと。TRIGGER社内では、もともと「ダンジョン飯」と九井諒子作品の大ファンだった宮島監督が自らを制作を名乗り出て、若手スタッフを中心に制作が進められることになりました。

「僕は『ダンジョン飯』が連載開始時から大好きで。単行本の第1巻が発売になったころ(2015年1月)に、うち(TRIGGER)でこういう作品のアニメ化はできないのか? と上司に聞いたことがあったんです。でも、こういう原作物をアニメ化することが得意な監督がうちにはいないよね、と言われてしまったことがあったんですよね。それから数年が経って、うちにPV化の話が来た。これは僕がやるべきだろうと思って、監督を名乗り出たんです」(宮島)

菊島プロデューサーも、そのTRIGGERが制作したPVを見て大満足。これはTVアニメ化もTRIGGERが担当するべきだろうと判断をしたそうです。そうして、2022年8月にTRIGGERによるTVアニメ化が発表されました。そのときに発表されたティザービジュアルは、真っ暗闇のダンジョンの中で、食事の灯りを4人が囲んでいるというものです。

「キャラクターデザインの竹田(直樹)が影の中にいろいろとモンスターを描き込んでいるんです。影の中なので見えにくいんですけど(笑)」(宮島)

そこから2023年3月のAnimeJapan KADOKAWAブースでステッカーを配布。そして、2023年3月に公開された劇場版「グリッドマンユニバース」の劇中で「ダンジョン飯」のCMが流れたことに触れられました。

「TRIGGER作品では、毎回次に制作する作品にバトンタッチする意味で、次作品のキャラクターを入れる映像を作っているんです。それで次は『ダンジョン飯』だということでバトンタッチCMを作らせていただきました」(宮島)

「『グリッドマンユニバース』の雨宮哲監督から、『ダンジョン飯』のCMを使いたいとご提案をいただいて。本編に入れてくださることになりました」(菊島)

 その後、2023年5月にアニメ『ダンジョン飯』のティザーPVがプレミア公開。そこでキャスト、スタッフ陣が発表された。



チルチャック役の泊さんは家族にも「ダンジョン飯」の参加を内緒にしていたそう。
「家族にプレミア公開の時間だけを教えておいて。この時間になったら何かあるかもよって話をしていました」(泊)



ライオス役の熊谷さんは、ティザーPVが公開されるときに緊張していたとのこと。
「ライオスのパーティのキャスト陣(マルシル役・千本木さん、チルチャック役・泊さん、センシ役・中さん)で唯一僕だけがX(Twitter)のアカウントをもっているんです。だから、僕がティザーPVの告知をせねばと。責任重大だと思ってツイートする手が震えました」(熊谷)

一同の話題は、本作のオーディションに。熊谷さんと泊さんはテープオーディションで選ばれたあとにスタジオオーディションを実施し、最終オーディションではパーティー4人での掛け合いが行われたとのこと。
「ライオス役に熊谷さんを選んだのは、4人のパーティの中で良い意味で浮いている感じがあったから。最初から4人の仲が良すぎるとこの作品にはちょっとふさわしくないかなと思っていたんです。熊谷さんは、みんなとの距離感が良かった」(宮島)

最後に、それぞれが第1話と第2話の見どころを教えてくれました。

「チルチャックとセンシがかき揚げを料理しているときに、油はねして悶絶するライオス」(熊谷)

「PVにも映っている、マルシルの食事シーン」(泊)

「マルシルの食べ方」(菊島)

そして、宮島監督は「全部」。

最後に熊谷さんから「まだオンエアまで少しだけ時間があるので、それまでPVを何度も回してください」とメッセージが贈られた。ティザーPVの再生回数はすでに110万回。まだまだオンエア開始まで、これからも再生回数が伸びていくことだろう。


写真左から宮島善博監督、マルシル役・千本木彩花さん、菊島憲文プロデューサー


なお、15日の登壇者はマルシル役の千本木彩花さん、監督の宮島善博さん、プロデューサーの菊島憲文さんの3人。千本木さんは「原作を読んだときから、マルシルをやりたかった」と熱望をしていたとのこと。宮島監督も菊島プロデューサーも、オーディションの早い段階から「マルシル役に関しては、テープオーディションのときから千本木さんにお願いしようと思っていた」(宮島)、「もめることなくすんなりと決まりました」(菊島)とのこと。



 なお、千本木さんが考える、第1話、第2話の見どころは——
「第1話はどちらかというとライオスとセンシが中心で、マルシルはずっと拒否するようなところがあったのですが、第2話はマルシルから物語が動いていく感じがあったので、自分が話を回していかなくてはいけない、自分に対するプレッシャーを感じながら演じさせていただきました。呪文をとなえるシーンもありましたし、マンドレイクを引き抜くシーンもあって。そういう意味では第2話は思い入れが強いです」(千本木)

現在もTRIGGER社内では「ダンジョン飯」本編を制作中。キャスト陣の演技にインスピレーションを受けて、アニメーターたちもより良い作画に挑んでいるという。2024年1月のオンエア開始の期待度がより高まる先行上映会でした。

本日発売のニュータイプ11月号では、ニュータイプではじめての特集掲載、初の雑誌描き下ろしイラストにキャストコメント、そして宮島監督インタビューをお届けします!



【取材・文:志田英邦/写真:大川晋児】

TVアニメ「ダンジョン飯」
●2024年1月より連続2クール放送、12月8日より劇場で先行上映決定

スタッフ:原作…九井諒子(「ダンジョン飯」/KADOKAWA刊)/監督…宮島善博/シリーズ構成…うえのきみこ/キャラクターデザイン…竹田直樹/音楽…光田康典/アニメーション制作=…TRIGGER

キャスト:ライオス…熊谷健太郎/マルシル…千本木彩花/チルチャック=泊明日菜/センシ…中博史/ファリン…早見沙織/ナマリ…三木晶/シュロー…川田紳司

ストーリー:地下迷宮(ダンジョン)の奥深くで、ドラゴンに襲われすべてを失ってしまったライオスたち。彼らにはすぐにダンジョンに戻らねばならない理由があった。しかし食料も何もかも失っている一行、いったいどうすればいい? そうだ、食料がなければモンスターを食べればいいじゃない。ライオスの決意は固かった──

リンク:TVアニメ「ダンジョン飯」公式サイト
    KADOKAWAサイト内ニュータイプ

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