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【第15回「声優アワード」受賞者インタビュー】新人男優賞 伊藤昌弘さん

2021年03月17日 18:42配信
第15回「声優アワード」で、新人男優賞を受賞した伊藤昌弘さん
第15回「声優アワード」で、新人男優賞を受賞した伊藤昌弘さん

2021年3月6日、2020年度に最も活躍した声優を称える第15回「声優アワード」の受賞者が発表されました。本稿では、新人男優賞を受賞した伊藤昌弘さんへのオフィシャルインタビューをお届けします。

――新人男優賞の受賞、おめでとうございます! 一報を受けた感想を教えてください。

伊藤 マネージャーさんとインターネットでスケジュールを共有しているのですが、突如「声優アワード」の予定が追加されていたんです。自分とは思わず「Argonavis」として歌唱賞をいただいたのかなと思って喜んでいたのですが、まさかの僕本人の受賞でビックリしました。だから、僕自身がいちばん驚いています(笑)。同時に、自分の活動を見てくれている方がいたことを実感できて、すごくうれしく思いました。

――「ARGONAVIS from BanG Dream!」の七星蓮で声の仕事を始めた伊藤さんですが、そのきっかけを教えてください。

伊藤 僕はもともとシンガーソングライターとして活動していたんです。その一環としてYouTubeにカバー動画をアップロードしていました。それを「ARGONAVIS from BanG Dream!」のスタッフさんが見てくださり、連絡をいただいたのがきっかけでした。

――音楽が縁で、声の仕事でもデビューを果たしたわけですね。

伊藤 そうです。ボイスドラマやアニメで演技をする以前から、メンバーとはバンド練習をしたり、ライブをしたりとコミュニケーションをとっていたので、比較的リラックスしてアフレコに臨むことができました。同時に、Argonavisのメンバーであり、事務所の先輩でもある森嶋秀太さんからは、マイクの使い方や、アフレコのテスト中のメモの取り方まで、スタジオワークのイロハを教わり、本当に有り難かったです。

――蓮を演じるうえでは、どんなことを意識しましたか。

伊藤 冷静で物静かな蓮は、ちゃらんぽらんな僕とはまったく違う性格だなというのが第一印象でした。一方で、作品のテーマが音楽やバンド、歌とこれまで自分が経験してきたもので、それに関する思いは蓮と僕で共通する部分もありました。それを手がかりにしながら、イメージを膨らませて蓮に近づいていきました。

――蓮として演技をするうちに、彼のことをよく知ることができたわけですね。

伊藤 アニメで動く蓮やArgonavisのメンバーを見て、彼らのバックボーンを深く知ることができました。蓮のキャラクターがよりはっきりとしましたし、役を“演じる”とはどういうことか、少しずつわかってきたと思います。一方で、蓮のほうでも僕に近づいてくれていることがあって。僕の信念は、どんなときでも、情熱をつねにもっていたいということ。何かを始めるときには、下手くそでも、全力でぶつかっていけば道は開けると考えています。シリーズ構成・脚本を担当する毛利亘宏さんが、そんな思いを汲んでくださったのかもしれません。

――「カードファイト!! ヴァンガード 新右衛門編」では、蒼波盾将 ヨルゴスを演じました。

伊藤 カードファイトをテーマにした本作は、「ARGONAVIS from BanG Dream!」とはまた異なったジャンルの作品です。だからこそ、緊張したことを覚えています。演技の面でも衝撃を受けました。声量や声の抑揚のつけ方も作品によって違います。「カードファイト!! ヴァンガード 新右衛門編」ではイメージするようなキャラクター性が表現できていなかったんです。そうやって、どんな演技が求められているのかを探る必要を感じた意味でも成長する機会をいただけた作品です。

――七星蓮やヨルゴスを演じた受賞対象期間は、どんな1年でしたか。

伊藤 声優としての仕事だけでなく、毛利さんが主宰する少年社中の舞台「モマの火星探検記」にも出演させていただき、たくさんのことを経験できた1年でした。そんな活動を通じて思ったのは、あらゆる作品のつくり手の皆さんは情熱にあふれているということ。刺激をいただいて、自分もそんな風になりたいとますます情熱に火がつきました。

――2021年もメインの役が決定しています。

伊藤 「カードファイト!!ヴァンガードoverDress」では石亀ザクサを演じさせていただきます。長髪で麗しい見た目の人物なのですが、バックボーンから派生するキャラクターの幅がすごく広いんです。難しいですが演じがいがありますし、それを魅力的に表現しようと努力しています。また、2021年内に放送開始予定の「ぼくたちのリメイク」では、主人公の橋場恭也を演じます。恭也は、僕と同じ28歳。夢である輝かしいクリエイターと、今の平凡な自分とのギャップに悶々としている彼にすごく共感して、ナチュラルに臨めています。共演者の年齢も近く、学ぶことばかりで、とても充実したアフレコです。

――音楽活動と演技とで、共通点や異なる点を感じますか。

伊藤 自分の気持ちをことばで表現することに苦手意識がありました。そんなときに音楽に出会って、歌や楽器なら自分の感情をうまく表現できるなと感じたんです。音楽にはすごく救われました。だからこそ、セリフで表現する役者という仕事については、漠然とした不安があったんです。でも、「ARGONAVIS from BanG Dream!」という作品を通じて仕事をいただいた縁で結ばれたからには、苦手だからこそ、向き合うべきだと考えて挑みました。そうやってもがきながら成長してこられたと思っていますし、そんな自分の姿が誰かの背中を押すことになれば、それ以上に幸せなことはありません。

――今後、どんな表現者になりたいでしょうか。

伊藤 先ほども言ったように、音楽に救われましたし、それがきっかけで「ARGONAVIS from BanG Dream!」というステキな作品に出会え、アニメに声優としても出演することができました。今の僕の土台をつくっている音楽とアニメファンの橋渡しができるような存在になれるよう努力していきたいです。

――今後の活躍を期待しています。

伊藤 僕は器用なほうではないので、全力で役にぶつかりながら、自分の引き出しを増やし、また、役割を全力で努めたいと考えています。その結果、僕のパフォーマンスを見聞きした人に、何かを感じてもらえればうれしいです。これからも応援をよろしくお願いいたします!

第15回「声優アワード」で、新人男優賞を受賞した伊藤昌弘さん
第15回「声優アワード」で、新人男優賞を受賞した伊藤昌弘さん


●いとう・まさひろ/7月24日生まれ。静岡県出身。響所属。2018年に「BanG Dream!」の派生プロジェクト「ARGONAVIS from BanG Dream!」の七星蓮役としてデビュー。ボイスドラマなどを経て、2020年にアニメ化。2021年放送の「ぼくたちのリメイク」(橋場恭也)出演予定。舞台や実写などでも活躍

第15回「声優アワード」で、新人男優賞を受賞した伊藤昌弘さん
第15回「声優アワード」で、新人男優賞を受賞した伊藤昌弘さん


撮影=田上富實子 取材・文=星政明

第15回「声優アワード」受賞者、受賞作品(敬称略)

●主演男優賞:津田健次郎
●主演女優賞:石川由依
●助演男優賞:子安武人、島﨑信長
●助演女優賞:上田麗奈、鬼頭明里
●新人男優賞:伊藤昌弘、小林千晃、土屋神葉
●新人女優賞:逢来りん、市ノ瀬加那、杉山里穂、藤原夏海、和氣あず未
●歌唱賞:ワルキューレ
●パーソナリティ賞:安元洋貴
●功労賞:増山江威子、津嘉山正種
●シナジー賞:プレミア音楽朗読劇「VOICARION IX 帝国声歌舞伎~信長の犬~」
●富山敬賞:関俊彦
●高橋和枝賞:榊原良子
●キッズファミリー賞:中川里江
●外国映画・ドラマ賞:山路和弘、小宮和枝
●インフルエンサー賞:小岩井ことり
●MVS(Most Valuable Seiyu):下野紘
●特別栄誉賞:鬼滅の刃
※今回は、ゲーム賞の該当者なし
※今回は、特別功労賞に代えて、本年度ご逝去された声優を顕彰しました。