伊藤 カードファイトをテーマにした本作は、「ARGONAVIS from BanG Dream!」とはまた異なったジャンルの作品です。だからこそ、緊張したことを覚えています。演技の面でも衝撃を受けました。声量や声の抑揚のつけ方も作品によって違います。「カードファイト!! ヴァンガード 新右衛門編」ではイメージするようなキャラクター性が表現できていなかったんです。そうやって、どんな演技が求められているのかを探る必要を感じた意味でも成長する機会をいただけた作品です。
伊藤 自分の気持ちをことばで表現することに苦手意識がありました。そんなときに音楽に出会って、歌や楽器なら自分の感情をうまく表現できるなと感じたんです。音楽にはすごく救われました。だからこそ、セリフで表現する役者という仕事については、漠然とした不安があったんです。でも、「ARGONAVIS from BanG Dream!」という作品を通じて仕事をいただいた縁で結ばれたからには、苦手だからこそ、向き合うべきだと考えて挑みました。そうやってもがきながら成長してこられたと思っていますし、そんな自分の姿が誰かの背中を押すことになれば、それ以上に幸せなことはありません。
――今後、どんな表現者になりたいでしょうか。
伊藤 先ほども言ったように、音楽に救われましたし、それがきっかけで「ARGONAVIS from BanG Dream!」というステキな作品に出会え、アニメに声優としても出演することができました。今の僕の土台をつくっている音楽とアニメファンの橋渡しができるような存在になれるよう努力していきたいです。
●いとう・まさひろ/7月24日生まれ。静岡県出身。響所属。2018年に「BanG Dream!」の派生プロジェクト「ARGONAVIS from BanG Dream!」の七星蓮役としてデビュー。ボイスドラマなどを経て、2020年にアニメ化。2021年放送の「ぼくたちのリメイク」(橋場恭也)出演予定。舞台や実写などでも活躍