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P.A.WORKSが制作を手掛けるオリジナルTVアニメ「白い砂のアクアトープ」が放送中。主人公の海咲野くくるは、祖父が館長を務める「がまがま水族館」で館長代理として働く高校生。業績不振で閉館の危機にある水族館をなんとか盛り立てようと奮闘しています。そこへやって来た宮沢風花は、アイドルの夢をあきらめ実家に帰る途中、ふとしたきっかけで沖縄へ。たまたま立ち寄った「がまがま水族館」で、くくると出逢います。この邂逅によって、2人の運命は大きく変化して……。本作のダブル主人公ともいえる、くくる役・伊藤美来さんと風花役の逢田梨香子さんに、作品や演じるキャラクターのことをうかがいました。
――「白い砂のアクアトープ」という作品に出逢ったときの印象はいかがだったでしょうか。
伊藤 台本を読んで印象的だったのは、くくると風花が、夢のために奮闘する姿が想像できて、まぶしかったことです。風花は夢半ばで一度挫折をしてしまい、くくるは今にも夢が潰えそうなっていますが、現状を受け止めて頑張っています。その姿が、胸にダイレクトに響きました。一方で、舞台である沖縄特有の強い日差しと、穏やかな空気感が流れていて、さまざまな魅力がある作品だなと思いました。
逢田 キャッチコピーのひとつ「水族館×ガール・ミーツ・ガール」が、この作品を象徴しているようです。くくるも風花もお互いに出逢わなかったら、まったく違う人生だったと思うんです。別々の場所で育った女の子同士が出逢って運命が変わる、一期一会の出逢いに胸が熱くなりました。
――ご自身が演じているキャラクターについて教えてください。
伊藤 くくるは、とにかく明るくて、大好きな海の生き物のことには真っすぐ。ハイビスカスのような女の子だなと思います。喜怒哀楽の振り幅が広くて、まるで子供のよう。底抜けに明るいくくるなので、アフレコでは「足りてないよ」とディレクションをいただくこともあって、一生懸命に彼女のテンションを追いました。
逢田 風花は本当に優しくて、常に誰かのために行動をしようとする女の子。くくるを思いやる気持ちもあふれています。オーディションのときから、風花を演じることがしっくりときていたので、出演が決まったときはうれしかったです。
――舞台である沖縄の印象を教えてください。
伊藤 修学旅行で行った沖縄のことを思い出しつつ、沖縄のTV番組を見るなどして現地の雰囲気に馴染んでいきました。沖縄料理も好きなので、そのあたりも手がかりにしてます。好物は紫芋で、アフレコ時には、定食屋「カメー」で提供されるチャンプルーをおいしそうだなと思っていました(笑)。
逢田 風花は岩手出身で、東京でアイドル活動をしていたので、沖縄についてあまり知らない女の子です。だから、私もあまり沖縄のことを調べずに飛び込んでいきました。ただ、沖縄料理は私も好き。物産展がやっていると立ち寄ってしまいますし、海ぶどうが大好きで、ゴーヤチャンプルーも自分で作ります。
――実際に放送された第1話を見ていかがでしたか。
伊藤 「ここは沖縄かな」と、実際に観光しているような気持ちになりました(笑)。ストーリーとしては、風花のアイドル時代や勇気を出して沖縄に来たときの気持ち、くくるが「がまがま水族館」にかける思いがていねいに描かれていて、物語の始まりを感じました。そして、海の生き物もきれいで「水族館っていいな、行きたいな」とシンプルに思える第1話でした。
逢田 何が始るのだろうというワクワク感がわき上がり、作画からはスタッフさんの本気が伝わってきました。この作品とともに、今年の夏は過ごすのだなとワクワクしています。皆さんも、ぜひ私たちといっしょに「がまがま水族館」で今年の夏を楽しみましょう。
【取材・文:星政明、撮影:島本絵梨佳】