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TVアニメ「プランダラ」小澤亜李×市川蒼インタビュー!「青春時代は刹那的だけど恒久的なものなので、みんなの心の中に永遠に残り続けるのだと思います」

数々の謎が明かされていく――。TVアニメ「プランダラ」はいよいよクライマックス。今回のWebNewtype「プランダラ」リレーインタビューは第1クールから作品を支えてきたリィン役小澤亜李さんとペレ役市川蒼さんの対談をお届けします。離人やAクラスのみんなと過ごした過去や、気になるリィンとペレの関係についてお話いただきました。

第12話よりリィンとペレ
第12話よりリィンとペレ(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会


――いよいよ「プランダラ」の物語もクライマックスを迎えつつあります。第2クールの展開についてお2人はどのような印象をお持ちですか。

市川 2クールの作品だというのはアフレコが始まってから聞いたのですが、第1クールの収録中も早く300年前のエピソードをやりたいなと思うほどワクワクする展開でした。

小澤 300年前の世界では、リィンとペレは学生生活を送ることになるんですが、Aクラスのメンバーとひとつになってみんなで頑張っていこう、というときに、現実の過酷さを突きつけられてしまうんです。学生ならではの熱い気持ちと、それが受け入れられるわけではない世界の現実がどっしりと重くのしかかる展開だったなと思います。

――300年前の世界で学生生活を送るペレやリィンはとても新鮮でした。第1クールと第2クールの変化をどのようにつけようとお考えでしたか。

市川 300年後の世界(アルシア)から来たペレやリィンにとっては、学校ってすごく新鮮な場所だったと思うんです。リヒトーを救うために300年前の世界へ行ったけれど、なんだかんだと楽しみながら学生生活を送っていくことができてよかったなと思います。ただ、原作をお読みの方はわかると思うのですが、ペレってすごく難しい役なんですよね。僕もどこまでコメントしていいのか、いまだに探っているところがあるんですが(笑)。ペレはやはり、ほかのキャラクターと違うところがあって……。

小澤 ペレ役は難しいですよね。ほかの人とは違うものが見えていても、それを顔に出す(表現する)ことはできないし……。

市川 そうなんですよね。道安(武虎)に星を奪われてしまった(坂井)時風に対し、ペレは辛辣なことばを言うんです(第13話)。「(星を)誰かから奪えばいいじゃないっスか」「軍人ってそういうもんでしょ?」と。このことばはペレの本音というとニュアンスが違うんですが、素の姿というか。そういうところが見えた時に、これまでのペレとのギャップが感じられるように、本当の彼と普段の彼の差を考えながら演じていました。

第13話よりペレ
第13話よりペレ(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会


――300年前の世界(第13特設軍学校)に、どのような印象をお持ちでしたか。

市川 青春時代って刹那的だけど恒久的なもので、永遠に続くものだなと思っているんです。Aクラスの仲間たちと軍学校で紡がれた友情は、300年後のリヒトーの中にもずっと生きていて。リヒトーの基盤になって、息づいているんだなと思いました。

小澤 蒼くんが言ったように、リヒトーにとっては仲間の大切さや友情を知る大切な場だったんだろうなと思います。この場所があったからこそ、リヒトーは強くなることができたと。私個人としては、軍学校のメンバーの明るさもすごく印象的でした。みんなそれぞれ家の問題を抱えていたり、命を危険にさらす覚悟を決めて軍人になろうとしていたりするんですけど、それでも仲間がいっしょだと明るく過ごすことができる。ああいう状況でも、楽しく過ごしている(坂井)離人はみんなにとっての希望なんだと思いました。

市川 そうなんですよね。離人がみんなにとっての希望だったんだなと思います。

小澤 そうそう。私がもし、あの場にいたらどうなるだろうなと考えてしまいました。

――小澤さん、市川さんがもしあの軍学校にいたら、どんな生徒になっていたと思いますか?

小澤 あんな大変なことになったら、死んじゃう方が楽かな(笑)って思っちゃうタイプです。

市川 僕も生きるのを諦めると思います(笑)。

小澤 ひとりでいたらすぐに諦めちゃうかもしれませんが、Aクラスのメンバーみたいに頼れる仲間たちがいたら、みんなで頑張ろうと思えたかもしれません。

――坂井時風、道安武虎といったキャラクターや演じる石川界人さん、日野聡さんのお芝居の印象はいかがでしたか?

市川 第13話で時風が軍学校に残る理由を語るシーンがあって。「ばあちゃんに……腹いっぱい……食べてほしいんだ……」というセリフの石川さんの演技が素晴らしくて、めちゃめちゃ心に刺さりました。時風も離人も自分のためだけでなく、他人のために動くんですよね。そういうのって、強い気持ちがないとできないことだと思うんです。300年前に行ったことで、そういった心の強さを見ることができたと思いました。

小澤 アニメの中でも離人と時風はすごく仲がいい感じになっていたんですけど、中の人(中島ヨシキさん、石川界人さん)もすごく息が合っていて、役柄とキャストがリンクしていると思いました。原作を読んでいると、時風がどんどん大変なことになっていくので、そこも石川さんのお芝居で見たかったなと思います。

道安は……すごかったですね(笑)。

市川 道安の「ゴキブリ……」のセリフはビリビリするくらい迫力と威圧感があってすごかったです。

小澤 日野さんのお芝居が、道安のすごみをしっかりと表現されていて。声を聴いているだけでも威圧されてしまいました。でも、原作では道安にはとても優しい、思いやりのある人間の一面もあるんですよね。アニメでは日野さんの人間としての温かみも足されていて、より一層人間味を感じる道安になっているなと思いました。

――アニメ「プランダラ」は、閃撃の撃墜王リヒトー=バッハという人物の過去と決意を描く物語でもありました。お2人から、坂井離人とリヒトー=バッハの印象をお聞かせください。

市川 命の危険にさらされる撃墜王の手術をすんなりと受け入れるということは、やはり「大事な人を守りたい」という気持ちがあるからで、離人はその「思いの強い人」なんだろうなと思います。また、第1話から比べるとリヒトーの「強さ」も変わっていて。第1話のころは殻に閉じこもっていたリヒトーが、陽菜たちと出会うことで少しずつ解きほぐされていって、クライマックスに近づくにつれてより強いリヒトーになっていると感じました。

小澤 現代(300年後)のリヒトーはすごく大きな影を感じる人間でしたね。いろいろなものを背負って、ひとりで戦い続けていると、こうなってしまうんだなと。リヒトーの過去を知ってしまうと、放ってはおけないし、助けてあげたい、寄り添ってあげたい。でも、リヒトーの心には誰も触れるということはできなくて。ただひとり、深い愛がある陽菜だからこそ、入り込むことができたんだと思います。

第22話よりリヒトーに想いを伝えるリィン
第22話よりリヒトーに想いを伝えるリィン(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会


――リィンは、いつごろリヒトーへの想いを抱いたんだと思いますか?

小澤 リィンはホムホゥで平和に過ごしていたときに、リヒトーという嵐がやってきて。そのまま勢いに流されてしまったんだろうなと(笑)。「恋愛初心者あるある」です(笑)。

市川 ははは(笑)。

小澤 雰囲気に流されてしまったんでしょうね。リヒトーは嵐のような人なので。ただ、恋をすると女の子は成長するので。恋をしたことで、リィンも次のステップに成長できたと思います。

――第16話でペレがリィンの心配をして、馬乗りになって食べ物を食べさせるシーンは、ギャグでありながら、ペレの想いを感じるシーンでした。

第16話より馬乗りシーン
第16話より馬乗りシーン(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会


市川 あれはペレなりの励まし方なんですよね、独特なんですけど。リィンに笑っていてほしいとペレは願っているけど、彼自身の心境を考えると、あああ……という気持ちになりました。とくに「好きな人には変わらないでいてほしい」というペレのセリフは大事に言おうと思っていたんです。きっと、これこそがペレの本心だと思うので。ただ、このシーンの収録はしんどかったですね。リィンはリヒトーのことだけを考えているから……。

小澤 この馬乗りのシーンの意味をあまり考えすぎると、お芝居するときにニヤニヤしてしまうので、私としてはちょっとニブ目に捉えていて(笑)。いや、このシーンのペレは好意なんて何にもないぞ……と自分をだましながらお芝居していました。この第16話だけでなく、このあともペレは何度も何度も乱暴に励ましてくれます。普段はポーカーフェイスだけど、リィンのそばにずっといっしょにいてくれて。優しいし、頼もしい存在だなと思いました。

――アニメでは、ペレの気持ちはリィンに届いていたんでしょうか……。

市川 収録をしているときは、ペレはリィンのことを絶対に好きなんだと思っていました。でも、その気持ちはリィンに悟られたくないんだろうなと。

小澤 私はこういう話が大好きすぎて、その関係を意識し始めると、楽しくなりすぎちゃうんです。だから、邪念を吹き飛ばして(笑)。何も気づかないふりをしながら収録していました。結局、リィンはペレの気持ちに気づかず、いつもいっしょにいてくれる家族のような、兄弟のような関係だと捉えていました。

市川 ペレの気持ちがリィンに届くといいですね。今後、ペレのちょっといいシーンがあるので、見逃さないようにしていただきたいです。

――いよいよ最終話に近づいてきました。視聴者の皆さんに、アニメのクライマックスをどのように楽しんでほしいと思いますか。

第23話より果たしてペレはリィンの危機を救えるのか?
第23話より果たしてペレはリィンの危機を救えるのか?(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会


市川 300年前から続く、リヒトーと道安との戦いがどうなるのかを期待してください。ペレについては、ここまでなかなか本心を見せないキャラクターでしたが、彼の本心の端っこがちらっと見えてくると思いますので、そこを楽しみにしていただきたいと思います。

小澤 2クールを通じて、リィンに寄り添えることができてすごくうれしかったです。私自身も充実した2クールを過ごすことができました。ぜひ、クライマックスでは、それぞれのキャラクターたちの強い想いを感じていただきたいと思います。

【取材・文:志田英邦】

■TVアニメ「プランダラ」

放送:TOKYO MX…毎週水曜25:05~
   テレビ愛知…毎週水曜26:35~
   KBS京都…毎週水曜25:05~
   サンテレビ…毎週水曜25:30~
   BS11…毎週木曜23:00~
   AT-X…毎週金曜23:00~ ※リピート放送あり
配信:dアニメストア…毎週水曜23:00~
   ※他配信プラットフォームでも順次配信

スタッフ:原作…水無月すう(月刊少年エース連載)/監督…神戸洋行/副監督…西片康人/シリーズ構成…鈴木雅詞/キャラクターデザイン…高品有桂、福地友樹、福田裕樹/音響監督…えびなやすのり/音楽…松本淳一/音楽制作…日本コロムビア/オープニングテーマ…「孤高の光 Lonely dark」伊藤美来/エンディングテーマ…「Reason of Life」陽菜(CV:本泉莉奈)、リィン(CV:小澤亜李)、ナナ(CV:伊藤 静)/アニメーション制作…GEEKTOYS/製作…プランダラ製作委員会
キャスト:キャスト:リヒトー=バッハ…中島ヨシキ/陽菜…本泉莉奈/ジェイル=マードック…梅原裕一郎/リィン=メイ…小澤亜李/ペレ…市川蒼/ナナ…伊藤静/園原水花…悠木碧/道安武虎…日野聡/坂井時風…石川界人/シュメルマン…関俊彦/アレク…東地宏樹/フィレンダ…三石琴乃

リンク:TVアニメ「プランダラ」公式サイト
    公式Twitter・@plundereranime
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